”大手・大王製紙の社長がカジノで106億円を掏った”

というのは10年以上前にニュースになりました。

 

この本は、本人が逮捕直前に執筆された内容になっています。

表紙の本人の横顔、私には悪人に見えます。上質なスーツを着ていても。

 

顔は環境、そのときの置かれる状況とともに変わります。↓

 

この頃の井川さんは、子会社の名古屋パルプの社長を任されたころ。

赤字会社を黒字に転換させて、本人も経営者として充実していたのではないでしょうか。

すごく誠実そうだし、頭も絶対悪くない。育ちが顔にでちゃってます。

 

最近の井高さん↓

 

普通の人とは違う世界を経験してきたような感じ。
チャラそう。
 
見た目は変わってしまいましたが、しゃべる井高さんは
今でもインテリジェンスある人だなというのがわかります。
ただ、危険な方向にいってしまっている感じは。。。
 
 
本の内容は、カジノでどんな負け方をしていたのか。
そんな俺だけど、子供の頃は厳しく育てられた。
大王製紙では経営者として手腕を発揮していた。
というのが、8章にわかれて書かれています。
 
創業者一族の3代目ですから、本当に厳しく育てられたのだと思います。
それから、東大法学部卒業ですから頭もいい。
まずはと子会社の社長を任せたら黒字転換させてしまった。
 
このままいけばよかったのに。
どこをどう間違えたのか。
本人も、なぜバカラにはまってしまったのかわからないと言います。
 
でも、このご時世、大企業の3代目(大王製紙としては5代目)というのは会社をダメにする何かを持ってるというのが私の思うところです。
ご本人は、パワハラとかはしていないといいますが、やはり社長(会長)に逆らうわけにはいきませんから、お金を調達しろと指示があれば文句なく調達します。ここで躊躇するわけがない。
会社を私物化しがちで権力でものを言わせるのが3代目じゃないかなと。
 
それから、昔から要領がいい。
そんなに勉強しなくてもテストの結果がいい井高くんのことですから、
要領よくバカラでお金を増やせばいいと思ってしまいます。
 
昔から家族で賭け麻雀をしていました。
お父さんや弟はハマらなかったけど、井高くんはこれで味を占めてしまった感じ。
 
この本を読んでいて、6章はバッサリ不要な内容だと思いました。
それは、井高くんの芸能人交友関係です。
全くいらないし、そこ知ってどうする笑
 
それから、懲役4年の実刑判決と言われたときに控訴してるんですけど、
これは間違っていると思います。ここは文句を言うべきではなかった。
 
彼の逮捕によって、顧問であった父高雄も解任されています。
自分は道義的責任を果たすべきだが家族は別と言っていますが、
こういう場合は創業者は解体されるほうが会社のためによろしいかと思うんです。
まぁ、今、まさに同じような状況のエンターテインメント系企業がありますけれど。
 
そして、本の最後のほうで、週刊現代の記者に文句をたらたら書いています。
根も葉もない嘘をたくさん書いているって。
そこがちょっと男らしくないなぁーって。
そんなの放っておけばいいのに。
 
この本の中では、大王製紙という大企業の元会長だった手前、彼の手腕がいかにすごかったかを
これでもかと書いているんですけれど、読者としては、そんな人が落ちぶれていった様というのももっと読みたかったというのが本音です。私って悪いですかね。
 
とにもかくにも、こんなに頭がいいのにこんなに頭が悪い人はでてこなそうなので、
そんな人の回顧録というのは面白かったです。