今回の帰省で、
考えさせられる事があったので、
自分の為に文字に残したいと思います。



今回の帰省は、
震災後、初めてでした。

実家に着いて、
マンションが無事なのを確認出来ました。

ただ細かい部分に目が行き、
マンションのあちこちにヒビがあり、
壁落ち等もありました。

外観はその程度で、
生活するには特に問題は無いとの事でした。

家の中は色々と様変わりしていました。

高い場所置かれていた物が、
全て床上に置かれていました。

余震の数は格段に減ったけど、
まだまだ予断を許さない状況で、
揺れで落ちる物は、
予め床上に置いているとの事でした。

それから、
見慣れない食器が多くありました。

今回の地震で何十枚と食器が割れ、
新たに購入した為でした。

ペアで買ったグラスもお皿も割れ、
新しいペア食器が増えていました。

花瓶や絵皿がなくなっていました。

食器と一緒で割れてしまったそうです。

私がお気に入りだった食器もなくなり、
何処となく寂しい気がしました。

でも、
命が無事で、
家が無事で、
この程度で済んだので、
何も言う事はありません。

もっともっと辛く悲しい思いをし、
今もその感情と戦ってる人がいます。

地震の恐怖も、
地震で感じた悲しみも、
忘れずに生きていこうと、
改めて思いました。



2年振りに祖母に会いました。

祖母はパーキンソン病で要介護なので、
現在老人ホームで生活しています。

92歳の祖母は、
認知症も進行しているので、
時々記憶がまだらになります。

自分の子供ですら、
分からなくなる事が多々あります。

認知症を患う人にとっては、
2年は20年と同じ時間に相当するそうです

そんな祖母に久々に会いましたが、
祖母は私の事をしっかりと覚えていてくれました。

祖母がニコっと笑い、
「よく来たね」と言ってくれました。

もう忘れられていても仕方ないと諦めていましたが、
勝手に諦めていた自分が情けなく感じました。

祖母と一頻り会話を楽しみ、
帰り際に祖母が微笑んで、
「またおいで」と優しく言ってくれました。

毎月会いに行っている人ですら忘れられてしまうのに、
2年振りに会った私の事はしっかり覚えていたのです。

嬉しくて涙が出そうになりました。



今回の帰省は、
今までの帰省とはちょっと違う、
特別な時間でした。