スウェーデンでは親の介護をしている人はほとんどいません。

スウェーデンの家庭では、高校を卒業するとほとんどの子供たちが家を出て、
一人暮らしを始めます。

親もそれを当たり前だと思っているので、一人暮らしをサポートします。
今までたくさんのスウェーデン人と出会ってきましたが、

20歳を超えた健康なスウェーデン人で、
自分の親と同じ家で一緒に暮らしているという人には会ったことがありません。(大都市以外)
それほど、スウェーデンでは親と子供が別々に暮らすことは当たり前の文化になっています。
 


では、自分の親が高齢になり介護が必要になった時どうするかというと、
まずは市に連絡をして、どの程度の援助が必要か査定してもらい、
どの種類の援助が受けられるか相談します。
そして、もしホームヘルパーや短期入所が必要であれば、
すぐに申し込むことができます。

自分の家で援助を受ける人、施設で援助を受ける人などいろいろです。
結婚していてパートナーが健全な場合、老々介護をしている場合もありますが、
それでも介護側の負担に応じて必要な援助が受けられます。

じゃ、子供たちは何をしているの?と思うでしょうが、
子供たちは子供たちで自分の人生を生きています^^


もちろん親を大切にしてないわけではなく、
スウェーデン人はスウェーデン人のやり方で、親を大切にしています。
施設に入所していたら、住みやすい落ち着く環境作りをしたり、
毎日のように訪れたり、電話をしたり、お花を買ったり。
家にいたら、昔より頻繁に訪れたりなど^^
そして、どういった援助を受けているかということを気にかけ、
自分の親が必要な援助を受けていなければ、しっかり市に抗議します。

この時彼らは、

「ちゃんと高い税金を払っているんだから、
国は私たちの親の援助をしっかりしてください!」


と考えているそうです。

さすがスウェーデン^^
私の旦那も同じことを思うそうです。

「だって、その為に税金払ってるだから」と。



そんなわけで、親たちは親たちで自分の子供に介護してもらおうと思っていません。
「子供は子供の人生があるから」と思っている人がほとんどだからです。
今までたくさんのスウェーデン人高齢者の方と接してきましたが、
子供に介護してもらいたいと言っていた人は一人もいませんでした。
自分でできるうちは自分でやりたいけど、出来なくなったら国に任せると。
 
たくさんのスウェーデン人が、自宅で暮らせなくなったら、
介護施設に引っ越すということを受け入れているので
親子の間での介護をする・しないの問題はありません。
そして、施設へ引っ越した後、わりと満足している利用者も多いです。

(今日本で問題になっている介護離職とは無縁の国ですね^^;)

この考え方はスウェーデンの文化も入っているので、
日本でもマネしてみようと言って、
すぐにできることではないと思いますが、
少しずつでもいいので、介護をする側と受ける側のバランスが取れる介護方法を
日本でも見つけていって欲しいなぁと思います。

本当の気持ちを言うと、
私自身これからずっとスウェーデンに住み続けるとは限らないし、
実際、日本とスウェーデンの介護施設で働いてみて、
日本の施設(特に大型施設)に入所は絶対嫌だと思うけど、
スウェーデンの施設だったら喜んで入所するというのが、
現時点でのストレートな気持ちなので、
私が高齢になるまでに、

日本の政府に豊かな福祉制度を作って欲しいという願いを込めて、
ブログを書き続けていきたいなと思います。(笑)