二つのピッキング | ギター奏法における主観的観測、、ともろもろ!

ギター奏法における主観的観測、、ともろもろ!

数年、ギタリストとして、講師として感じた事や経験に基づく、ごく主観的なギター奏法についての考えや
ギターにまつわるいろんな事についてのブログです。
たまにはギターには関係ない事も...。

ピッキングには大きく分けて二つの方法があると思います。
ダウンとアップ、とかではなく。

右手を脱力させてわりと肘から先をブラブラにさせてピッキングする方法と手首を少し固定するというか肘から先を少し固めるようにして弾く方法。

この二つはどちらが正解ということではなく、単に弾きたいものが違う。
ジャンルが違うということではありません。
音の表情が違ってくるというか。

まず最初の方法。
速弾きがある程度目的となるものはこの弾き方ではないでしょうか。
ロックギタリストの多くはこの弾き方のように思います。
ジャズだとジョー・パスはこの弾き方ですね。
ジョーは指で弾くことも多いですが。
ピックの持ち方が違うのでわかりづらいですがジョージ・ベンソンもこういう弾き方です。
ベンソンの場合は逆アングルでジョーよりも腕を固めるようにして降ってる感じです。
ジェシ・ヴァン・ルーラーもこっちかな。
この弾き方だと同じ音符を弾き続ける、みたいなものが弾きやすい。
慣れればけっこうな速さで弾けます。
この弾き方で難しいのは弦移動でピックが引っかかるケースが出てくること。
例えば3弦をダウン、4弦をアップのようなピッキングがやりづらい。
これは先日書いたように少し手首を親指側に倒して弾くようにすると引っかかる率が減ります。
またこの弾き方でわりとゆったりとしたメロディを弾く時は右の小指や薬指をピックガードのあたりに置いて弾くと安定したりします。

もう一つの弾き方の人は上の弾き方に比べ少ないように思います。
香津美さんやパット・メセニーはこの弾き方ですね。
香津美さんの動画を見てみるとわかりますが、右手はあまり規則正しい動きをしていません。
パットはピックの持ち方が独特ですが手首を弦の上に置いて弾いてますね。
この弾き方だと降って弾く感じではないので速さ的には上の方法のようにはなりません。
けっこうな速いフレーズはプリングやハマリングを多用して弾いたり、ピッキングする場合には手首で弦を擦るように動かして弾いたりです。
が、ジャズのようにリズムが難しいものには対応しやすいと思います。
音符を溜めることができるというか。
ジャズ独特の後乗りなビートはこちらのほうがやりやすいです。
またこっちだといろんな音符に対応しやすいように思います。
16分と3連の混ざったフレーズとか。
弦移動も上の方法に比べるとやりやすいです。
ジャズのようにコードの分散が多く使われるようなものはこちらのほうがやりやすいように思います。

実際はこの二つの弾き方を少しブレンドしながら弾いてるというか、それぞれの弾き方での長所と短所を埋める弾き方を身に付けていきながら弾いてます。
でも腕の使い方が違うので完全にこれを混ぜるというわけにはいきませんね。
これはAという人とBという人のようなものなのでこれを切り替えるのは二重人格になってしまう。

それぞれのやり方によって出る音によって自分にあった弾き方(やりやすい、ということではなく、弾きたいもの)で弾いてみてください。
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