人ごとじゃないのだ
バロウズの「裸のランチ」を半分読んで、
(いやあ、大変な目に会う人もいるもんだなあ。)
と、傍観者の気楽さで思ったのはもう10年近く前の事。
まさか自分が、その、「大変な目」にニアミスするなんて、
当時は思っても見なかったのでした。
なってる最中は必死で訳分らなかったのですが、
振り返ってみると、「裸のランチ」と、
筒井康隆さんの小説が、陽性症状中の自分の状態に
(文章(=思考)の破綻のしかたとかが)すごく良く似ていました。
バロウズはともかく、筒井さんは経験もないでしょうに。
作家の想像力というのはすごいものですね。
ところで、陰性症状が少し治まったころ、
「マークスの山」という小説を読んで、1週間凹みました。
ハードボイルド小説です。
知らずに読んだのですが、直木賞受賞作品だったんですね。
登場人物の一人が統失で、
それを最大限に活かしたお話作りになっています。
すっごくおもしろいです。
が、統失組合の人が読めば、すっごく凹むこと請け合いです。
統失のキャラクターの作り方がすごく上手くて、破綻がない。
のが余計に凹みます。
作家の想像力というのはすごいものですね。
「俺は精神的につええぜ☆」
と、自負する統失組合の方は是非チャレンジして下さいませ。
ある種の自虐プレイです。
