「性の喜び」ピークは64歳、90歳でも現役! その理由に納得

ニューズウィーク日本版
 2018年02月05日 16時20分

<「若者より元気な高齢者」はジョークでもなんでもない。
むしろ還暦から先の人生こそ潤いに満ちた性生活が訪れる!?>

還暦を過ぎてからの人生は、想像以上に豊かなものかもしれない。
60代半ばで、「性の喜び」を感じるピークが訪れるというのだ。
英デイリーメールが報じた。
オンライン調査を手掛ける米リサーチ・ナウ社が、アメリカに暮らす独身者5000人を対象にしたセックスに関する調査によると、男性は64歳、女性は66歳で「最高のセックス」を体験できるという。
精神科医でセックスセラピストのマドレーヌ・カステラーノス医師は、この結果について「60代の男女は経験も豊富で、どうしてほしいか(したいか)、自由にセックスを探究できる」と説明する。
さらに、年齢を重ねるにつれて自分自身が快感を得られる行為を理解できるようになる。
人生における経験や知見を十分に重ねた60代にとって、セックスは過去よりも充実したものになるという。


若者よりも「お盛ん」
一方で若者はと言うと、大人たちが考えているほどセックスしていない。
英デイリーメールによると、むしろ、年齢とともにお盛んになるという結果が明らかになった。
実際に、NPO法人「全国高齢化委員会(National Commission on Aging、NCOA)」が発表したレポートでは、40代と比べて特に70代のセックスが満足度が高いとされた。もちろん精神的にも、肉体的にも、だ。
年を取るにつれて楽しみが増えるのは良いことかもしれないが、リスクもはらんでいる。
カステラーノスは60代の男女は盛りがついて、さらに自由で奔放に振る舞うようになると分析する。
2017年、イギリスの医学専門誌ランセットが発表した高齢者のHIV感染率に関する調査で、イギリスの高齢者のHIV感染率が2015年までの12年間で平均3.6%増加したことが明らかになった。
根底には「シルバースプリッター(熟年離婚した人)」の急増があると見られる。
「年齢が上がれば、他人にどう思われるか、社会でどうあるべきか、パートナーはどう考えているか」よりも、自分の嗜好を追求する姿勢が透けて見えるが、「節操のないセックス」のリスクを把握することも必要だろう。


好む領域で経験豊富
「テクニック」についても、それぞれの嗜好が顕著になる60代はピークの目安のようだ。
「60代の多くは、それぞれが自分の好む特定の領域での経験を蓄積していた」とカステラーノスは言う。
過去の研究では、年を取るにつれて性生活も収束するという一般的な考え方と対照的な現実も明らかになっている。
高齢者はパートナーと過ごすために多くの時間を費やしているのだ。
医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された2007年の調査報告によれば、結婚しているか、親密なパートナーのいる高齢者の大部分は、80代でも活発な性生活を送っていることが確認された。
そのうちの多くが、80〜90代でも、セックス、オーラルセックス、マスターベーションを経験したと報告されている。


今回の調査結果は、セックスが単なる若者のお遊びではないことを証明するものだ。
超高齢化社会として世界でも類を見ない日本にとっても、見逃せないデータのひとつではないだろうか。

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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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