「アイリ!?ユナ!?」

アイリとユナは自分達の名前を呼ぶ聞き慣れた声を聞いて、

 ゆっくりと目を開きました。

「長老……!」

そこにいたのは長老と村人達でした。

 みんな荷物を抱え、武器を手にしています。

顔にはみんなほっとしたような表情を浮かべ、

近くにいたユナのお兄さんは二人の頭をぐりぐりと撫でました。

「よく無事だったな」

ユナは頷き、アイリは驚いた表情のまま尋ねました。

「みんな、なにしてるの……?」

村人達は顔を見合わせ、苦笑しました。

長老がゆっくりと近いてきて、持っていた杖で二人の頭をぽかりと叩きました。

「お前さんたちを探しに行こうとしていたんじゃよ。

 あれほど洞窟には近くなと言い聞かせておったと言うのに」

アイリはぽかんとしたあと、ユナを見て満面の笑みを浮かべました。

「ユナっ、聞いた?私たちを探しにだって!」

アイリの嬉しそうな顔を見て、ユナも微笑みました。

「よかったわね」

「うんっ」

ユナはアイリの頭を撫でて、長老を見ました。

「長老、お話しなければならないことがあります」

長老はユナを見て頷きました。

「なにがあったのか話してもらおうかのぅ。

 言い付けを守らなかったのじゃから、お仕置きもなぁ」

アイリは驚いてユナを見ましたが、ユナは平然としていました。

「全てお話します。事実と私たちの考えを。

 だから全て話し終えるまで、口を挟まないでくださいね」

ユナは念を押して話し始めました。