10月9日時点で米国の新型ウィルス感染者数は300万人を超えたという報告があった。死者も13万人。さらに毎日州数万人単位で感染者が増え続けているという。このような深刻な事態にもかかわらず、米国の若者を中心とした市民の中に「反マスク運動」が激化している状況に非常に憂慮している。
連邦政府、州政府は感染予防のためマスク着用を義務付けている。ところがこれに対して、マスクの着用を強制することは個人の自由の侵害だというのが「反マスク運動」団体の言い分だ。彼らが主張するようにマスクを着けずに新型コロナウィルス感染者から感染するのは自己責任だからいいとして、マスクをの着用を忠実の守っている市民や飲食従業員や公務員、鉄道関係者にも感染の危険を及ぼすことになるのを放置するわけにはいかない。
一党独裁国家ならうむを言わさず即拘束され豚箱行きとなるが、民主主義国家である以上、法に抵触しない限りそれは出来ない。中国が香港に国家安全法を導入したのもそのためだろうが、そうなると行動の自由ばかりか言論の自由さえも許されないことになる。
米国の反マスク運動と香港の国家安全法とは個人の自由の侵害という意味で全く異なる意味合いのものである。前者は人間の生命の危機につながる一刻を争う時間的余裕がない深刻な問題なので説得した上で守れない人は法で規制するしかないだろう。もちろん後者も中国返還時にイギリスとの約束事を反故にしている点で大きな問題だが。
反マスク運動のデモ隊は、警察に対して「ここはアメリカだ。我々の自由にさせてくれ。マスク着用を強制するな。」と口々に叫んでいたが、こうしたコロナ感染に無防備な輩が米国の感染拡大を後押しする結果になっている。人里離れた田舎で独居生活しない限り他人との関わりを持たずに生きるのは難しい。マスクの習慣がないからマスク着用拒否を認めろという彼らの主張と、これ以上感染者と死者の拡大を少しでも食い止めようとする国や市の対策ではどっちが大事かは冷静に考えれば分かるはずだ。自分の大切な家族が感染してから悔いても遅いということをなぜ考えないのかと思う。