92年日本球界を経ず直接大リーグに入団した初の日本人選手マック鈴木が日ハムの1位指名をけって大リーグに行くことを明言している大谷に先輩として、また経験者として苦言を呈した。
地方予選で高校生として初の160キロの速球をマークしたことが話題になっているが、大リーグには球が速い選手ならたくさんいる。WBCで日本チームと対戦したキューバのチャップマンは161キロを投げた。また南米からの新人に速球を投げる選手が掃いて捨てるほどいると言っている。
どうせ大リーグを目指すなら早い方がいい、と決断の早さは褒めていたが、問題はハングリー精神だという。サッカーと同様、超一流になった南米の選手のほとんどは貧しい家庭に育っている。子供の頃グローブも買えないような家庭に育っている。彼らには家族の生活がかかっている。根っこの部分で日本人とハングリー精神が違うということだ。
また日本野球の違いは日本のようにコーチの指導で地道に基本から育て上げるのでなく、自ら実践を通してメジャーに上がる実力をつけるしかない。言葉のハンデもあるし、あらゆる面でタフさが求められる、とマック鈴木は言っている。
いきなりプロに入って自分の欠点をわかる新人はいないと思う。それを直していくれるのがその道の専門であるコーチだと思う。大リーグにそういう立場のコーチがいないとなれば、自己流に陥る可能性が多分にあるし、その中で身体を壊したら不燃焼のまま終わってしまうリスクだってある。長い目で見たら、おのずから日本のプロ球界の方がたとえ失敗しても納得がゆくと思う。
結果が全てで日本的温情が通じない世界で高卒ルーキーがどれだけ耐えられるかだ。日本に残っていたらかなりの記録を残せたのに大リーグに行ったためにクビになって戻ってきた多くの打者を見ればわかる。日本球界で続けていたら、数々の記録を塗り替えていたかわからない松井秀喜も大リーグでそこそこ活躍したが、結局はヤンキースだけにとどまれず、さまざまなチームを渡り歩き不完全燃焼で終わりそうだ。これだけ大リーグというところがどういうところかわかるだろう。それでも大リーグに挑戦する覚悟なら、それも人生だろうが、決して後悔しないことだ。