日本政府、元島民の猛反対を無視してロシアのメドベージェフ大統領が国家元首として初の北方四島の一つ国後島を今日訪れた。これに政府や元島民は怒りをあらわにしている。
ゴルバチョフのペレストロイカ、エリツインの日本訪問と終戦直後の日本人のシベリア抑留についてロシア側から初の謝罪があり、両国の友好関係はさらに深まり、北方四島返還交渉も順調に進でいた。
エリツインが体調不良で政権を降り、彼が推薦したプーチンが政権をとると、ロシアの威厳を取り戻そうとする動きが出てきた。同時に北方領土も四島から二島返還というややトーンダウンの兆しになった。
そして新しく大統領になったメドベージェフはさらに日本に対し強硬姿勢を打ち出している。日本との戦勝記念日を新たに設けたり、過去の旧ソ連時代の覇権主義を賛美し、世界の平和と善隣友好に逆行する民族主義的な考え方に戻ろうとしているように思える。
今回のメドベージェフの国後訪問は日ロ両国の将来の関係に確実にヒビが入ることを覚悟の上でやったとしか思えない。日本はこれまでロシアに戦前何度も裏切られたきたが、1980年代後半のペレエストロイカでせっかく取り戻しつつあった信用をこの男が大なしにしてしまうのかと思うと残念でならない。
中国がおよそ一世紀半前にアヘン戦争で取り上げられた香港をイギリスから1997年に、続いて1999年マカオもポルトガルから奪い返しているのを見るにつけ、その外交のしたたかさは日本も見習うべきものがあるが、それには政府だけではダメで経済界も足並みをそろえてロシアに対抗しなければ効果はない。
前原外相は今回のメドベージェフの北方領土訪問に強く反対していた。それにもかかわらず強硬したことで13日から横浜で開かれるAPECで予定になっているメドベージェフとの会談を菅首相が行うか難しい状況になった。旧島民の気持ちを踏みにじった直後に、おめおめと日本にやってくる国家元首の気持ちが測りしれない。こういう心ない大統領の訪日には大反対だ。