このところやっと涼しくなり、秋の気配が感じられるようになった。収穫の秋に相応しく秋の野菜や果物が店頭に並べられているが、やはり収穫の秋といったら果物に目がいく。葡萄、梨、柿、りんご、あけびなど新鮮な果物が豊富だ。


 海外旅行に行ってもまず私が注目するのがその地の果物である。市場があればさっそく出向きたっぷり果物を買い込んできてホテルの部屋で食べ、余ったもののうちオレンジのようにつぶれないものは多少カバンに入れ、後は枕チップ代わりに掃除のメードさんに上げるようにしている。


 果物は全般的に好きだが、何が一番好きかと問われれば梨と答える。いささか大げさな言い方かもしれないが、梨は私にとって命をつないだ果物だった。


 詳しく話すと長くなるが、私は小学校に上がる前の幼児のころ、重い麻疹(はしか)にかかり、大好きな梨以外は喉を通らなかった。当時冬場で、しかも果物屋などない田舎だったため梨などどこにもなかった。両親は東京方面に荷物を輸送する運転手に頼んでどうにか貴重な梨を買ってきてもらった。


 かすかに今でもその頃のことを覚えているが、改めて自分が梨で命が助かったんだなあ、と私の命をつないでくれた当時の関係者と梨に感謝している。そんなこともあり、梨は自分にとって今でも一番の果物である。


先日、今季初めて20世紀梨を買ってきて味わった。ご存じのように黄緑色をした、さっぱりした上品な甘さと皮が非常に薄く、包丁で剥く必要がないのが特徴の品種である。昔からなじみがある長十郎、生産量1位の幸水、2位の豊水、4位の新高などおいしい梨があるが、生産高3位で明治時代初めて松戸のゴミ捨て場で発見されたというのに、なぜか鳥取県がその8割を生産しているという20世紀梨が今は一番好きである。



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