授乳は、お母さんと赤ちゃんにとって幸せな時間です![]()
しかし、赤ちゃんは可愛くて仕方ないのに、
授乳を早く終わらせたいと思う方も多いのではないでしょうか?![]()
なぜ、授乳中にイラついたり、不快な気分になってしまうのでしょうか
今回は、授乳中の不快感に関して考えられる原因をご紹介します。
■赤ちゃんと愛情を育む幸せな時間なはずなのに…![]()
一般的に母乳授乳のイメージは
お母さんは赤ちゃんへの愛情がよりいっそう大きくなり、
赤ちゃんは大好きなお母さんに抱かれて安心感を抱く事のできる
誰もが幸せな時間なはず…ですよね。
しかし、実際には母乳授乳をすることに苦痛を感じているお母さんも多いといいます。
昼夜関係なく、一日に何度も、毎日続けなければいけない為、
お母さんにとっては”仕事”と感じることもあります![]()
時間がかかるし、体が気だるく、赤ちゃんが強く咥えると痛いし、
時によっては、心がざわついたりする等、
母乳授乳中には、身体的・精神的なストレスが溜まり
イラついたり、気分が悪くなる為、授乳が苦痛になったりします![]()
では、この不快感…どのような原因が考えられるでしょうか?

■授乳中の不快感…考えられる原因
《不快性射乳反射(D-MER)によるもの》
母乳授乳をしている時に感じる不快感、気分の落ち込み、
眠気や焦燥感などの不快感を感じる場合には、
「不快性射乳反射(D-MER)」のせいかもしれません。
不快性射乳反射(D-MER)とは、射乳反射直前にドーパミンの分泌量が
急激に低くなることによって引き起こされる症状です。
母乳授乳をする時、赤ちゃんが乳首を吸う刺激が脳に伝わり、
「プロラクチン」という母乳が出るように作用するホルモンが分泌されます。
このプロラクチンの働きによって、安堵感やポジティブな感情に関係する
脳内の伝達物質「ドーパミン」の分泌量が低下します![]()
その為、お母さんは赤ちゃんがお乳を吸うと不快感を感じる事があると言われています![]()
このような症状は、産後3カ月頃には、ほとんど消えると言われていますが、
授乳している間はずっと症状が出るというお母さんもいるそうです。
不快性射乳反射については、最近になって研究が進められ始めた為、
まだ確実なことや詳細については明らかになっていません。
しかし、ホルモンの反射的な反応の為、誰にでもある症状だと言えます。

《乳房トラブルによるもの》
赤ちゃんが飲み残した母乳が胸に残ると、
古い乳汁が乳腺内に溜まり、乳腺が詰まってしまいます。
母乳が詰まるとおっぱいに痛みが出たり、
炎症を引きおこし、乳腺炎になってしまいます。
また、お母さんも赤ちゃんも授乳に慣れないうちは、
上手く乳首を吸う事が出来ず、乳首に傷がついたりします。
このように痛みを伴うことが多く、
身体的な苦労が多いので、一度このような症状が起きると、
治ってもまた同じ症状がぶり返すのでは?と不安になったりもします![]()
《母乳授乳のストレスによるもの》
・母乳に対する悩み
母乳授乳をしていると、赤ちゃんに十分な量の母乳を与えられているのか?
母乳はよく出ているのか?母乳の質はよいのか?
母乳の姿勢は合っているのか?自分の食事バランスは大丈夫か?等
様々なことが気になってしまいます![]()
・食生活の制限
あれこれ気を使っていると、母乳授乳自体が負担になり、ストレスを受けることもあります。
母乳授乳期間は、日常生活において制限しなければならないこともあります。
例えば、母乳の質を良くする為に、
赤ちゃんの健康の為にアルコールの摂取は避け、
カフェインの入った飲み物の摂取量に気を付けなければなりません。
また、脂肪や糖分の多い食事は控えなくては…と神経質になり、
ストレスとなって、イラついてしまう事もあります![]()
しかし、食べ物に関しては、『バランスのよい食事を摂ること』を
厚労省で推奨しているので、無理な制限はせず、
バランスを意識して美味しく食べるようにしましょう!![]()
・授乳時間に合わせた行動
外出するときは、授乳時間を考えて、スケジュールを決める為、
軽い外出ですらも、一苦労でストレスになる事があります。
お母さんが何かをしていても、赤ちゃんが泣けば、
その作業を中断して、授乳をしなければならないので、
お母さんがやりたいことがあっても、授乳に時間を取られてしまい、
思い通りにいかなくてイライラしてしまいます![]()
母乳授乳はお母さんしかできないので、
授乳に対する負担がお母さんにだけかかり、ストレスが溜まります![]()

■母乳授乳中の不快感を緩和させる方法
出産後は、ホルモンの影響、睡眠不足、育児への不安など
様々なストレスが溜まりやすい状態です。
精神的、身体的にも不安定な時期なので、イラつくことも当然あるでしょう。
不快感の原因はひとつと限らず、様々な原因が重なります。
このような気分を解消するには、
まず、“なぜイライラしているのか、不快なのか”を冷静に考えてみて、
その原因を探し、ストレスが解消できるよう、適切に対処することが重要です。
《ホルモンの影響ということを理解する》
不快性射乳反射(D-MER)によっておこる授乳中の不快感は、
ホルモンによる反射的な反応で、自分の意志とは関係なく起きてしまう症状です。
絶対に、お母さんが母乳授乳や赤ちゃんに対して嫌悪感を持っているからではありません![]()
母乳授乳中に起きる不快感は、ホルモンのせいだという事実を知るだけでも
心が軽くなるのではないでしょうか![]()
このような気分を解消する方法としては、
母乳授乳をあまり意識しない事が良いと言われています。
好きな物を食べて、温かい飲み物を飲み、アロマテラピーをするなどして、
気分を穏やかにすることも良いでしょう。
授乳するときは、赤ちゃんの姿を見守りながら、
音楽を聴いたり、スマートフォンやテレビなどを見て、
神経を分散することも不快感を緩和してくれると言われています![]()

《自分の為の時間を作る》
毎日毎日、赤ちゃんの為に時間を過ごしていると、
お母さん自身のことに時間を割くことが出来ませんよね![]()
ですが、たまには、気分転換の為にも、自分の時間を作ってみましょう。
家族など、自分の身の回りの人の手を借りて、
しっかり睡眠をとったり、読書や手芸など自分の趣味を楽しんだり、
外出をしてみる等、わずかな時間でも、育児から離れてみると、
体と心を充電することができるので、ストレスが軽減されるでしょう![]()
《母乳授乳を中断してみる》
授乳中にイラついたり、感情が不安定になり、授乳することが大変な場合には、
思い切って母乳授乳を中断し、粉ミルクに切り替えることもひとつの方法です![]()
最近の粉ミルクは栄養設計も良く出来ている為、
粉ミルクでも、母乳に負けないくらいの栄養分を与えられます。
母乳授乳によって、イライラしたり、感情が不安定になってしまい
笑顔で育児ができないことは、お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても悲しいことです![]()
母乳授乳を中断することで、お母さんが心の余裕を取り戻せるなら、
このような方法をとってみる事も良いでしょう![]()

今回は母乳授乳中の不快感について考えられる原因と、
その緩和方法をご紹介しました![]()
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母乳授乳中に不快になることは、原因が一つとは限りません。
不快感を感じて大変でも、母乳をあげたい場合には、
心の中で授乳時間を決め、
上記のような緩和方法を並行しながら、
お母さん自身の心も癒してあげましょう![]()
