ほうれい線とは？
ほうれい線は、
小鼻の外側から口の横あたりまで
広がるハの字型の線を指します。
また、この線は鼻唇溝とも呼ばれています。
年齢を重ねると、頬や目元、口元がたるみ、
ハリが失われることで、この線が溝のように深くなり、
境界線が目立つようになります。
この現象は30代くらいから徐々に気になり始め、
中には若い時から目立つ方もいます。
ほうれい線が存在すると、
見た目の年齢に影響を及ぼすため、
多くの人がこの問題に悩んでいます。
【年齢別】
ほうれい線が目立つ原因
10～20代
10～20代の肌状態では、
まだたるみはなく十分にハリもありますので、
加齢によるほうれい線が現れる要素はありません。
しかし、ほうれい線が目立ってしまう原因は、
加齢以外にも主に3つあります。
１．頬骨の形状と厚み:
頬骨が小さく、出っ張りがない場合、
頬の肉を支える土台が少なくなり、
ほうれい線ができやすくなります。
また、頬の脂肪や筋肉の量が多い場合、
その高低差によって溝ができ、
ほうれい線が目立つことがあります。
２．姿勢: パソコンやスマートフォンを見る際に、
背骨が丸くなったり、首が前に出たりすると、
ほうれい線ができやすくなります。
画面に向かっている時間が長く、
無表情な状態が続くことも、
顔の表情筋が緩む原因となります。
３．過度なダイエット:
極端な食事制限や
偏った食事内容により、
十分な栄養素を摂取できず、
肌のハリやつやが失われることがあります。
これにより、ほうれい線が目立つ原因になります。
また、20代後半になると、
一部の人ではエイジングサインが現れ始めることが
ありますので、
それまで全くほうれい線がなかった人でも、
少しずつ気になってくるかもしれません。
30代
30代に入ると、
コラーゲンやエラスチンの減少が始まり、
肌に老化の影響が本格的に見られるようになります。
肌の弾力やハリは、皮膚の表皮の下にある
真皮層と密接に関係しています。
真皮層では、コラーゲン、エラスチン、
ヒアルロン酸などが生成されています。
コラーゲンとエラスチンは細かい網状の組織を形成し、
その間をヒアルロン酸が水分を保持して満たすことで
、肌に弾力とハリが生まれます。
これらの成分を作り出しているのは、
線維芽細胞と呼ばれる細胞です。
しかし、30歳を過ぎると、
線維芽細胞の数が急激に
減少し始めることがわかっています。
そのため、30代に入るとコラーゲンやエラスチン、
ヒアルロン酸の量が減少し、
肌の弾力やハリが徐々に失われるため、
たるみが生じてほうれい線が現れるようになるのです。
さらに、紫外線や乾燥などのダメージ、
生活習慣の影響も真皮層に影響を及ぼします。
これにより、真皮層は徐々に弱くなっていきます。
40代
真皮層のコラーゲンやエラスチンの生産量は
40歳を過ぎると急激に減少し始めます。
さらに、線維芽細胞の数も40歳になると、
産まれたばかりの赤ちゃんと比較して
半分にまで減少してしまいます。
40代に入ると、肌の機能低下が進み、
真皮層が弱くなるばかりでなく、
表情筋などの筋力も衰えて肌の土台が緩んでいくため、
たるみが進行します。
50～60代
50代に入ると、皮膚の老化だけでなく、
骨格の変化や身体機能の衰え、
女性ホルモンの減少などにより、
外見の変化が顕著になってきます。
皮膚のたるみは、
メイクやセルフケアでのカバーが難しくなるでしょう。
さらに、肌のターンオーバーの周期も45日と長くなり、
肌の生まれ変わりが遅くなるため、
肌がくすんで全体的に暗くなり、
影もできやすくなります。
ほうれい線を目立たなくする
方法
1.表情筋トレーニング
ほうれい線をケアするには、
口の周りの表情筋を鍛えることがポイントです。
口輪筋とつながっている顔の筋肉の7割が口の周りにあります。
表情筋トレーニングには、
WebサイトやSNSでさまざまな方法が紹介されていますが
、以下に簡単にできる方法を2つご紹介します。
一つ目は、
頬をふくらませてほうれい線を
伸ばすトレーニングです。
以下の手順で行いましょう。
１．口の中にたっぷりと空気を入れ、
頬が丸くなるように膨らませます。
頬の内側から空気に押され、
ほうれい線が伸びるのを意識します。
２．口の中にためた空気を左頬、
右頬、上唇と上前歯の間、
下唇と下前歯の間と、空気を移動させます。
口周りの皮膚がストレッチされるのを感じながら、
それぞれ5秒ずつキープします。
３．これを2～3回繰り返します。
1日1回を目安に行いましょう。
二つ目は、あいうえお体操です。
顔全体で「あいうえお」と発音します。
以下のやり方に気をつけながら、
それぞれ5秒ずつ表情をキープしましょう。
１．「あ」の発音時に口全体を大きく開きます。
同時に目も大きく見開くと眼輪筋も
トレーニングになりますが、
額のしわが寄らないように気をつけましょう。
２．「い」の発音時に口を真横にしっかりと引き伸ばします。
３．「う」の発音時に口をすぼめ、
口周りや顎（あご）の筋肉を意識して前方へ突き出します。
４．「え」の発音時にしっかりと横に開き、
口角を上げて笑顔になります。
５．「お」の発音時に口を縦に大きく開き、
ほうれい線を伸ばすイメージを持ちます。
このトレーニングを1日1回、
毎日続けることをおすすめします。
ただし、表情筋トレーニングをやり過ぎると
逆効果になることもあるため、
上記の回数以上は行わないようにしましょう。
2.マッサージ
ほうれい線の原因の一つは、
リガメントの劣化です。
リガメントは、繊維状の束である靭帯（じんたい）であり、
顔の皮膚や表情筋と骨をつなぐ役割を果たしています。
しかし、加齢などによりリガメントは劣化し、
弾力が失われて硬くなるため、
リフトアップの力が弱まり顔がたるんでしまいます。
マッサージを行うことで、
固まったリガメントをほぐし、
しなやかさを取り戻すことができます。
やり方は、頬骨の下側に親指を当て、
上にすくい上げるように押していく方法です。
頬骨に沿って少しずつ移動させながらほぐしていきます。
ポイントは、上方向に押すことです。
これを1日1回程度、毎日1～2分程度行いましょう。
力を入れ過ぎると皮膚が伸びてしまう恐れがあるため、
軽めに押すように注意しましょう。
3.ツボ押し
以下は、ほうれい線を目立たなくするための
4つのツボをご紹介します。
１．巨りょう（こりょう） 位置：小鼻の下、
真っすぐ前を向いたときの黒目の真下にあるツボ。
効果：若返りのツボとして知られています。
２．散笑（さんしょう）
位置：小鼻から口角を結んだ線上の真ん中あたりにあるツボ。
効果：口輪筋、
口角挙筋、小頬骨筋頬が集まる部分です。
３．迎香（げいこう）
位置：小鼻の横にあるツボ。
効果：迎香を刺激すると、
老廃物の排出を促す効果があると言われています。
４．地倉（ちそう）
位置：口角の横で、ほうれい線が交わる部分にあるツボ。
効果：地倉を刺激すると、
食欲をコントロールする効果も期待されます。
ツボ押しは、
マッサージと同様に、
強く押したり何回も押したりすることで
効果が上がるわけではありません。
1日1回程度を目安に行ってください。
お風呂上りなど血行が良い状態の時に、
指の腹を使って適度な力でツボを刺激してみてください。
4.クリーム
化粧品だけでほうれい線を
目立たなくするのは難しいですが、
上記で紹介した表情筋トレーニングやマッサージ、
ツボ押しと併せて日常的に行うことで効果を
期待できるケア方法です。
化粧品を選ぶ際には、
ハリ感を促す成分と保湿成分に注目してみましょう。
ハリ感を促す成分としては、ナイアシンアミド、
ペプチド、レチノール、ビタミンC誘導体などがあります。
これらの成分は肌のハリや弾力を
サポートする効果があります。
保湿成分としては、ヒアルロン酸、コラーゲン、
セラミドなどがあります。
これらの成分は肌の水分保持能力を高め、
乾燥から肌を守ります。
また、スクワランやシア脂などのオイルも保湿力が高く、
おすすめです。
化粧品を選ぶ際には、
これらの成分が含まれているかを確認し、
自分の肌に合った製品を選ぶことが大切です。
ただし、化粧品だけで完全にほうれい線を
解消することは難しいため、
継続的なケアと組み合わせて使用することがおすすめです。
5.美顔器
ほうれい線ケアにおすすめの美顔器として、
EMSとRFがあります。
EMSは微弱な電流を使用し、
筋肉を刺激することで表情筋に働きかけ、
頬や口元のたるみをケアします。
また、肌の真皮層にも効果を及ぼし、
コラーゲンの生成を促すと言われています。
そのため、ハリ感を出す効果も期待できます。
一方、RFは高周波数の電磁波で肌に振動を与えることで、
肌を内部から温め、
機能を活性化させる美顔器です。
この効果により、
コラーゲンの生成が促進され、
肌のハリや弾力が向上すると期待されています。
どちらの美顔器を選ぶかは個人の好みや肌の状態によります。
EMSは筋肉を刺激することで引き締め効果が期待できますし、
RFは肌の内部からアプローチすることでハリ感を
出す効果が高まります。
美顔器を使用する際には、取扱説明書をよく読み、
正しい方法で使用することが重要です。
また、自分の肌に合う適切な設定や頻度を選びましょう。
効果を感じるまでには時間がかかることもありますので、
継続的な使用が大切です。
6.メイク方法
ほうれい線が初期段階で気になる場合、
メイクを活用してほうれい線を目立たなくすることが可能です。
ほうれい線をカバーするためには、
コンシーラーを使用します。
自分の肌と同じ色で、
伸びが良くてなじみやすいテクスチャーのものが最適です。
固いタイプのコンシーラーは、
ほうれい線に溜まりやすくなるので避け、
リキッドやクリームタイプなどの
柔らかいものを選ぶことをおすすめします。
コンシーラーを使用する際は、
ほうれい線から斜め上に向かって、
猫のヒゲのように3本のラインを引きます。
その後、指の腹を使って
斜め上方向にトントンと軽くたたきながら、
コンシーラーを肌になじませていきます。
最後に、パウダーファンデーションまたは
フェイスパウダーを軽くのせて仕上げましょう。
適度な量のコンシーラーを使用し、
自然な仕上がりを目指しましょう。
また、肌の状態やメイクの持ちを考慮して、
適切な時間おきにメイクの re-touch を行うことも大切です。
ほうれい線を予防するには？
紫外線対策をする
保湿をする
表情筋を意識する
ほうれい線の主な原因である頬のたるみは、
表情の癖も影響しています。
話す時間が少ない方や話す際に口をあまり動かさない方は、
表情筋をあまり使わずに日常生活を送る傾向があります。
たるみ予防のためには、
話す際に口をはっきりと動かすことや、
無表情の時でも口角を上げることなどを
意識的に行うと良いです。
また、表情筋トレーニングも有効です。
定期的に表情筋を鍛えるためのトレーニングを
取り入れることで、
頬のたるみを予防することができます。
姿勢を正す
姿勢も表情と同様に重要であり、
悪い姿勢は首や顔の筋肉にも影響を及ぼし、
表情筋の衰えや頬肉のたるみを引き起こす可能性があります。
特にスマートフォンを操作する際には、
首が前に出たり、うつむいたままの姿勢になりがちです。
正しい姿勢を保つためには、
頭の位置を首の上に置き、
肩を広げて背筋を伸ばすよう心掛けましょう。
これにより、
筋肉が休まることなく適切に働くことができます。
良い姿勢を保つことは、
頬肉のたるみや表情筋の健康維持に役立つでしょう。
生活習慣を改善する
一般的に知られているように、
充実した睡眠とバランスの取れた食事は
美容にとって非常に重要です。
適切な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、
肌のターンオーバーを整える役割を果たします。
食事においては、
タンパク質やビタミンが豊富に含まれている
食品を中心に摂取することが大切です。
日中の食事をバランスよく摂ることも重要です。
ただし、これらの要素は単体での効果があるのではなく、
総合的なアプローチが重要です。
睡眠、食事、スキンケア、
適度な運動など、美容に関わる要素を
バランスよく組み合わせることが大切です。
健康的なライフスタイルを維持し、
内側からのケアと外側からのケアを両立させることで、
美しい肌や健康な状態をサポートすることができます。
最後にほうれい線をこれ以上悪化させないために、
日常的な予防のポイントをしっかりと継続し行うことで
少しでも改善していきいつまでも若々しい張りのある
お肌を手に入れましょう。