毎度のことながら、またまたブログを放置プレー
正直、ネタ切れというより、サボタージュ
という訳で、久々の更新 しかし、ネタはずいぶん前ぇ~
ハイ 今回は釣りネタじゃあございません タイトルにもあるように、ちょっと堅め まあ、あまりなじみがないネタなので、ゆるりとご案内しますね
さてさて、僕が、元海自隊員だったことはご存知の方も多いかと その海自では艦船乗りだったわけですが、最後に乗った艦が、この、試験艦「あすか」
ちゃんと、海自艦ほぼすべての艦にパンフレットがあります
「あすか」のパンフレットは内容こそ就役時とは違いますが、表紙写真は就役当時の艦影
この画像は、たぶんですが SH-60J哨戒ヘリコプターの適合試験時に撮影されたものかと だとすれば、画像の艦内に僕はいてる と複雑な感じですが
海自艦名はいろいろと所縁があり、「あすか」は奈良県明日香村の「あすか」から付けられており、漢字表記すると「飛鳥」 豪華客船の「飛鳥Ⅱ」と同じですね
ちなみに、艦それぞれにニックネームが付けられており、「あすか」は「エンジェルバード」 冴羽獠演じる、上川さん主演のテレビドラマは「エンジェルハート」なんでお間違えのないように
その「あすか」の艦容は
試験艦とは、海上自衛隊の艦船で使用される新しい武器等を試験評価する艦で、自衛艦隊直轄の開発隊群に所属していて、定係港は神奈川県横須賀
艦首がほかの護衛艦等に比べて鋭く突き出しているのは、艦首艦底に巨大なソーナードームを有しているため、錨と干渉しないようにするためなんです
前画像からもお分かりの通り、艦番号は
正式にはASE-6102 ASEは試験艦を表し、前級は退役したASE-6101「くりはま」がありました 6100番台が試験艦ということですね
すでに艦歴20年を迎える古参の域に達していますが、後継艦の予定はないそうです
さて、まずは、こちらから
舷門と呼ばれる、船の門 皆さんの家で言うところの玄関ですね
港に停泊中、ここに、24時間、交代制で、当直海曹と当番、場合によっては当直警衛海曹、当直士官、副直士官も立直します
もちろんですが、艦長以下全乗員、艦への来訪者もここを通らなければなりません
では、艦の外からご案内
航海の中枢ともいえる、艦橋 航海中は、窓のあるところから、操艦やいろいろな指示を出します
マストに見える、網状のものは、上から、OPS-18対水上レーダー その下の大きい方は、OPS-14二次元対空レーダー 見えにくいですが、水上レーダーと対空レーダーの間に、小さいOPS-19近距離水上レーダーがあります
艦橋構造物の右下に見えるのは、対潜ロケットのVLA(バーチカル・ランチング・アスロック)を収めるMk-41垂直発射機(VLS=バーチカル・ランチング・システム)と、将来装備の次期対艦ミサイル(XSSM)の架台が見えてます
艦の後ろの方、艦尾へ回ると、飛行甲板と格納庫が 格納庫にはSH-60対潜哨戒ヘリコプター1機を格納可能ですが、「あすか」には通常時は搭載されていません もちろん、通常搭載しないので、着艦用拘束装置も装備していませんね
格納庫の横に見える窓は、航空機管制室 ヘリの発着艦時に管制する部屋です通常航海時には後部見張員が当直勤務する場所でもあります
試験艦は、特性上、いろいろな機器を搭載したり、機器を洋上で回収したりしなければならないため2機の大型クレーンを搭載しています
航空機管制室の上に搭載されているのが、5トンクレーンです ここからは見えませんが、煙突の後部に2トンクレーンも装備しています
ちょっと、艦の外からですが、飛行甲板の下は
後甲板と呼ばれる甲板で、5番6番7番もやい(艦を係留する太いロープ)を扱い、係留作業などをする場所です
港の岸壁への停泊ではなく、沖に投錨停泊した場合、通常の当直体制になるので、非番員は、この後甲板でF作業(お魚釣り)をすることもあります
僕も、非番の時に結構やりましたね
全長170m、基準排水量4,650t、満載排水量で6,000tを超す艦ともなれば、細かい動きが自艦ではできないので、試験中いろんな細かい作業を要する場合や、沖に投錨停泊した時に非番員の上陸などに使われるのがこちら
11m作業艇 左右にそれぞれ1艇づつ搭載しています 艇長と艇員は1分隊の運用科員が行い、僕も乗員時代は幾度となく艇長をやりました
ちょいと飛行甲板へ戻り、艦尾側を見ると
よく旭日旗と言われます。デザインも全て旧海軍の旭日旗と同じですが、海上自衛隊では、自衛艦旗と呼びます
停泊中の午前8時から日没までと航海中の平穏な時はこの艦尾旗竿に掲揚されます ちなみに、停泊中艦首旗竿に掲揚されるのは日本国旗で、自衛艦では艦首旗と呼ばれています
また、航海中、航空機の発着艦等で艦尾に掲揚できない場合はメインマストに移揚されます
ちょっと見ずらいですが、マストに白い旗が掲揚されていますね この場所に、自衛艦旗も掲揚されます
さて、白い旗ですが、赤い桜が2つあります こちらを海将補旗と呼び、開発隊群司令(海将補)が乗座していることを表しています
自衛艦などのいわば軍艦の場合、マストに掲げられている旗の種類を見れば、誰が指揮を執っているか一目瞭然ってわけですね
退官して以来、約20年振りに艦内に足を踏み入れましたが、僕が乗り組んだのは、艤装から約3年で、真新しい最新鋭艦でした さすがに、20年の年月は長きものを感じさせられます
しかし、今でも現役、海自では唯一の試験艦ですので、まだまだこれからも活躍します
護衛艦などの表部隊とはちがい、ある意味裏方ですが、試験艦「あすか」なしでは、「ひゅうが」型護衛艦も、「いづも」型護衛艦も、「あきづき」型護衛艦も全く語られないのです
皆さんも、機会があれば、一般公開や体験航海を体験してみてはいかがでしょうか
ではでは