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ぼんやりした頭で目を開けると
カーテン越しに注ぐ太陽の日差し
仕事が休みの日は、アラームも鳴らないが
大概8時すぎには目が覚める。
このまま起きてしまうのは、なんだかもったいない気もするけれど
二度寝するのももったいない気がして
「さ、起きるか!」
独り言を言いながら、ベッドから下りる。
うるさいくらいのセミの鳴き声も、
休みの日は心地良い。
伸びをしてから階段を降りて行くと
ジュージュー……
トントントントン……
軽快な音と共に、いい匂いが……
「おはよう」
「ん?おぉ!おはよ、起きたんだ」
振り向いて笑顔でそう言うと、すぐに調理の仕上げに取りかかる。
「もう出来るから、そこ座ってて」
彼の優しい声が心地いい。
席に着いて、彼の動きを目で追う。
背が高いから、少し背中を丸めて手際良く洗い物をする。
広くて逞しい背中がなんだか可愛く見えて、愛おしくてたまらない。
思わずクスッと笑うと、ちょうど洗い物を終えて振り向いた彼が
「なになに?楽しそうだね」
と言いながら、エプロンを外す。
「ううん、なんでもない。あ、私運ぶよ」
「いーから!ヌナは座ってて」
「そう?ありがと」
盛り付けが終わり
「お待たせ〜」
と、料理を運んでくる。
テーブルに置く時に少し手が滑って、カシャ!
「ひゃーっ!」
「おぉ………!」
「危なかったねぇーー!」
「危なかったーーー!」
同時に言って顔を見合わせる。
「ぷぷっ」
イタズラッ子みたいに微笑むと
「ごめんごめん、さ!食お!」
「ふふ、うん!」
『せーの、いっただきまーす!』
目玉焼きにベーコンにサラダ
パンは、バゲットとロールパンの2種類に
バターとジャムが置いてある。
それからコーヒー。
「わぁ〜!美味しそう!!」
と、思わず声に出る私を見て
「よかったぁーー!」
と、八重歯を見せて本当に嬉しそうに笑う。
「ミンギュ、ありがとね」
と私が言うと
「ヌナぁ〜〜〜」
と笑って、大きな掌で私の頬を包む。
「買い物、どこに行く?」
「うーん、今日は少し遠出したいな」
「そっか、じゃあ…」
特に何がある訳じゃないけれど
大好きな人と一緒にすごす
幸せな日曜日の朝。
(素敵な画像は、お借りしてます)


