映画の話(ミュージカル編)。 | 上から読んでも下から読んでもナカノカナ。~相模原・町田の女装娘カナの気まぐれ雑記~
最近また映画が観たいなあ。

近頃NHKの大河ばっかりで、映画をあまり観ていません。

古い往年のハリウッド映画が好きで、最近のはあまり観ません。

たまに急に沢山観たりもしますけどね。

やはり往年の作品の方が耽美ですね。

特に好きなのが、ミュージカルでした。次いで恋愛ものや、スペクタクルですね。

今みたいにCGなどない時代だから、規模のスゴさなど半端じゃなく比べものにならない内容でしたね。

印象に残った作品を紹介させて頂きます。完全に趣味の世界だわさ(笑)。

まず今回はミュージカル映画の紹介を。

しかし観たい作品は、ワンサカ娘が飛び出したイェイェイェイェイってな位ありますが(古っ!!!。…失礼しました)、あまり初期の作品は観られない状態にありますね。殊に日本のメーカーは本国に比べて扱いが悪い!。

現状を知った時、ハラワタが煮え繰り返りました(怒)。

観られるモノはまだ少ないのですね。ではカンペ代わりの本を片手に…(笑)。


バンド・ワゴン
The Band Wagon
'53 / ヴィンセント・ミネリ

フレッド・アステア
シド・チャリース
オスカー・レヴァント
ナネット・ファブレイ
ジャック・ブキャナン

ダンスの神と言われたフレッド・アステアの代表作!。盛りを過ぎたミュージカル俳優が、知人の作家に作品を依頼し、彼等をツテに人気の演出家に演出を依頼しカムバックを試みるも、作品は妙な方向にむかう…。という話。

アステアと相手役シド・チャリースのダンスや"That's Entertainment"に代表される楽曲が観モノ。

夕闇迫るセントラル・パークでの"Dancing In The Dark"やクライマックスの"Girl Hunt Ballet"などのナンバーは必見。


パリの恋人
Funny Face
'57 / スタンリー・ドーネン

オードリー・ヘップバーン
フレッド・アステア
ケイ・トンプソン

前述のアステアがオードリー・ヘップバーンと共演したファッショナブルなミュージカル。

地味な本屋の店員が、偶然知り合ったファッション誌のカメラマンに見出だされモデルとなり、撮影で行ったパリで二人は…。

実際にパリでロケを行い、演者がふんだんに歌い踊りまくる。

オードリーが吹替なしで歌っており、(あまり上手くはないけど)感情がこもっていてなかなか聴きモノ。

彼女のソロ"How Long Has This Been Going On"はヒシヒシと胸に沁み入る。

アステアのダンス・ナンバー"Let's Kiss And Make Up"も必見。
その他には、アステアの"He Loves And She Loves"(朝もやのかかる教会の裏庭でアステアとウェディング・ドレス姿のオードリーの(!)ダンス・ナンバー)。
アステアとケイ・トンプソン(元は裏方で、ミュージカルで歌唱指導などしていたおり、本人もナイト・クラブなど出演していた。本作が映画初主演)のデュエットで彼女のパワフルなソング&ダンスが観られる"Clap Yo' Hands"。

オードリーとトンプソンがテーブル・クロスをほっかむり(笑)、コミカルに歌う"On How To Be Lovely"。

三者がパリ中を駆け巡り歌われる"Bonjour Paris!"などのいずれのナンバーも見応えあり。

制作時には実際に当時ファッション誌で活躍していた著名なカメラマンをアドバイザーとして招いており、雑誌のグラビアのような場面がページをめくるように繰り広げられる。


ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ
Yankee Doodle Dandy
'42 / マイケル・カーティス

ジェイムズ・キャグニー
ジョーン・レスリー
ウォルター・ヒューストン

20世紀初頭に活躍した、ブロードウェイ・ミュージカルの父ジョージ・M・コーハンの伝記映画。楽曲はコーハンの作品。

彼は俳優で作家でプロデューサーでもあった、多才な人物。

主演のジェイムズ・キャグニーはギャング俳優として有名だが、元々はボードヴィル出身のエンターテイナー。

ギャング・スターとしての扱いは不満だったらしく、この作品は言わば念願の企画とも言えるかも知れない。

彼はこの作品でアカデミー賞を受賞しています。

伝記モノとはいえ、物語は当時の例に漏れず、御都合主義的な脚色が多いが、それでも感動的な作品に仕上がっている。戦時中だった事もあり、愛国的な内容が国民に大ウケだったとか。


ブロードウェイのバークレー夫妻
The Barkley Of Broadway
'49 / チャールズ・ウォルターズ

フレッド・アステア
ジンジャー・ロジャース
オスカー・レヴァント

一時代を築いたアステアとジンジャー・ロジャースが10年ぶりにコンビを組んだ作品

夫婦でコンビを組む、喧嘩するほど仲がいいバークレー夫妻だが、妻がストレート・プレイに挑戦し始めた事から、夫婦仲がこじれて…。

かつて全盛期を迎えたRKO時代の作品ほど評価は得られなかったが、個人的に好きな映画です。

劇中のハイライトとも言える、二人の"They Can't Take That Away From Me"は切なげで良い。

その他に、特撮を駆使したアステアのダンス・ナンバー(当時ちょっと凝っていた様子)やエンディングの"Manhattan Down Beat"も楽しげで心地好い。単純極まりない物語だけど、楽しくなれる作品。


スタア誕生
A Star Is Born
'54 / ジョージ・キューカー

ジュディ・ガーランド
ジェームズ・メイスン

個人的に言及したい作品(笑)。私の敬愛するジュディ様ことジュディ・ガーランドの代表作。

MGMを解雇されて以来、4年ぶりのカムバックとなった。

スターを目指す若い女性シンガーがやや落ち目の俳優に見出だされ、彼の後押しによってスターとなるが、対象的に彼はますます凋落し、彼女は献身的に支えるが…。

鬼気迫ると評された彼女の熱演は語り種となっている。

ただ本命視されていたアカデミー賞を逃した事から、彼女の私生活は再び荒み、最後は早逝しており、それはあたかも落ち目の俳優の役のようであっと言われています。

ミュージカルと言うよりメロドラマですが、彼女のヒット・ナンバーとなった"The Man That Got Away"の絶唱は名場面です!。
また後に映画で引用された、劇中劇の"Born In A Trunk"メドレーも必見。

長尺なので観る前にはご覚悟を(笑)。


ウエストサイド物語
West Side Story
'61 / ロバート・ワイズ
    ジェローム・ロビンズ

ナタリー・ウッド
リチャード・ベイマー
ラス・タンブリン
リタ・モレノ
ジョージ・チャキリス

言わずと知れたミュージカル映画の傑作中の傑作!。

ブロードウェイ・ミュージカルの映画化であり、舞台劇の映画化で初めて舞台を越えたと言われた作品。

ロケーションや編集によるモンタージュ技法など映画的な演出をフルに駆使し、それまで平面的であったミュージカル映画に革命をもたらした言われている。

物語は人種問題を始めとする、現代的な問題をテーマにしている。ちなみに骨子はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷にしている。

抗争中のイタリア系不良グループ「ジェッツ」とプエルトリコ系不良グループの「シャークス」。その「ジェッツ」の元リーダーの青年と「シャークス」のリーダーの妹が出会い、互いに惹かれ合うがグループ同士の争いに巻き込まれて行く…。

全編を貫く比類のない緊張感が印象的。糸を張り詰めたようピンとした空気が最後まで緩まない。

楽曲はバルコニーでのデュエット「Tonight」や愛する人を思い歌われる「Maria」、ジェッツのダンスナンバー「Cool」、シャークスの「America」など有名なモノが多い。

映画化にあたって楽曲の順番が変えられているが、代えって良くなっているらしい。

その年のアカデミー賞を受賞し、ジョージ・チャキリスとリタ・モレノの二人もオスカーに輝いた。


マイ・フェア・レディ
My Fair Lady
'64 / ジョージ・キューカー

オードリー・ヘップバーン
レックス・ハリスン
スタンリー・ハロウェイ

大作期を代表する豪華絢爛たるミュージカル。

言語学の権威である学者が知り合った下町の花売娘。彼が彼女を上品なレディに仕立てられるかという賭けをした事から、彼女は見る見る洗練されたレディになるが、同時に自我に目覚めて…。

「ウエストサイド~」とは対象的に人工的なセットの中で作られた、古きよきハリウッド映画の延長線上にある作品とも言える。

現代的・革新的な「ウエストサイド~」とは、そういう意味でも対象的な作品。

スタンダードにもなった"I Could Have Danced All Night"や"Wouldn't It Be Loverly"など

ちなみに主演のオードリー・ヘップバーンの歌は吹替。相手役のレックス・ハリスンは舞台でも演じており、語り口調の歌は絶賛された。

華やか且つ斬新なセシル・ビートンの衣装も観モノ。


ニューヨーク・ニューヨーク
New York, New York
'77 / マーティン・スコセッシ

ライザ・ミネリ
ロバート・デ・ニーロ

ニューシネマの旗手、スコセッシが手がけた作品。

現代的な要素と古きよきハリウッド映画のテイストがごちゃ混ぜになった(当時のスタイルに倣って、人工的なセットの中で撮影されている)イビツな仕上がりになっており、賛否が分かれるが個人的には割と気に入っている。

終戦の日にニューヨークで知り合った、女性シンガーとサックス奏者。彼の強引なアプローチにより二人は結婚するが、彼女の妊娠を気に二人の仲に亀裂が入り始め…。

主演はライザ・ミネリとロバート・デ・ニーロ。デ・ニーロの大分不快な人物像が強烈な印象を残す

楽曲は当時の楽曲のほか、新たに書き下ろされたナンバーが挿入され、後にヒットした"Theme From New York, New York"は後にシナトラの持ち歌になった。

ライザ・ミネリは前述のジュディ様の娘。劇中では「スタア誕生」を彷彿とする場面が散見される(劇中劇の"Happy Ending"などその最たるモノ)。

かなりの長尺で、初公開時は大分場面がカットされた。評価も散々であったが、4年後に重要な場面を補足した(現在一般に流通している)完全版が再公開されると、評価が上がったと言う。

雰囲気が何となく好きな一作。


ショウ・ボート
Show Boat
'51 / ジョージ・シドニー

キャスリン・グレイスン
エヴァ・ガードナー
ハワード・キール
マージ&ガー・チャンピオン
ジョー・E・ブラウン

私が特に思い入れのある作品。

ブロードウェイの流れを変えた舞台劇の映画化。

ショウ・ボートとは船の中に劇場があり、その船の中に劇団員が乗り込み、川の流れに沿って行く先々で巡業を行う、言わば劇団・劇場付きの船。

巡業先で知り合ったギャンブラーと船長の娘。彼はそのまま船に乗り込み、二人は恋に落ち結婚するが…。

同時に黒人との混血だった事から、船を追われて落ちぶれる花形女優の物語も描かれる。

船の水夫が、労働に明け暮れて一生を終える黒人の悲哀を歌う名曲"Ol' Man River"やこってり濃厚なラブ・ソング"Can't Help Lovin' Dat Man"や"Bill"、"Make Bilieve"など。

主演のキャスリン・グレイスン、ハワード・キールは歌で売っており、エヴァ・ガードナーはミュージカルは本職ではないので、ダンス・ナンバーはマージ&ガワーのチャンピオン夫妻が担当しており、息の合ったダンスを疲労している。

これ以前にも映画化されており、本作は3回目。2回目の映画化が一番評価が高かったそうだが、個人的にはこちらが好み。と言うか2回目は未見です(笑)。

演出のジョージ・シドニーは「泣かせる」演出が上手く、メロドラマ調の作品に仕上がっている。

ミュージカル・ナンバー以外にも、ガードナーの美しさは必見。シドニーは彼女をより美しく見せるための演出にも力を入れていたらしい。

ラスト・シーンで毎回涙が…。


つい長々と書いてしまいました。とりあえず次回に続く(笑)。