黒澤明監督の「夢」。
オムニバス作品です。
公開当時 子供でしたが、CMで映像を観て、観たいなぁと思っていました。
確か、「桃畑」の躍りと上の画像に惹かれたと思います。
異世界に迷いこんで怖いような…でも幽玄な美しさ。

数年前に観て やはり幻想的な映像が素敵だったのですが、その頃は東日本大震災の後ということもあって「赤富士」は大きな印象が残りました。(というか、この作品自体、放射能のことで赤富士を紹介されている方がいてとうとう観るきっかけが来たんだったっけ、と思い出しました)

原発が爆発して赤く染まった富士山。
安全のために色付けされた放射性物質…
逃げ惑う人々の中、何が起こっているかわからない主人公に、原発の職員は「赤はプルトニウム、黄色はストロンチウム、紫は…」と説明し、海に身を投げます。

見えなくても、見えても怖い。
見えてもどうしようもない…

「鬼哭」でその後の世界、「水車のある村」で持続可能な理想的な世界を描いてる感じ。

そこには華美なものはないけれど、美しい水があり、穏やかな日々がある。

さすがの、示唆に富んだ作品だと思いました。