クラシック・バレエにおいて、「引き上げ」でメインで働かせるのは腹横筋と内腹斜筋、「ターンアウト」でメインで働かせるのは大腿の内転筋群(大内転筋、長・短内転筋)と半腱様筋です。

※ 外腹斜筋も引き上げの際に協力的に働きますが、その作用が大き過ぎると肋骨下部をただただ狭めてしまい、あらゆる動作の妨げになるばかりか呼吸が困難になるので、あえて触れません。


で、これらを強力に補助するのが(大腰筋と腸骨筋で構成される)腸腰筋やお尻の下(肛門付近)の深層外旋六筋群(梨状筋、大腿方形筋、上・下双子筋、内・外閉鎖筋)。



※ 骨盤底を形成している筋群は、腹横筋と内腹斜筋と大腿の内転筋群が同時に(協力的に)働くと、二次(副作用)的に働くので、必要以上に「骨盤底筋群を締める」ように指示すると、分離運動が習得できていない為に大臀筋などの大きな筋肉まで収縮させてしまうリスクが高まるので、先ずは「腹横筋と内腹斜筋と大腿の内転筋群が同時に(協力的に)働く」ということを脳と身体に覚え込ませることが重要です。





更にこれらを少し補助(静止状態から動き始める瞬間、あるいは静止する瞬間)するのが腹直筋や大・中臀筋、脊柱起立筋ほか、いわゆるアウターマッスル達です。



本来、人間の構造はこれと逆の優先順位で働く仕組みになっていますが、特にクラシック・バレエの場合は肢体の各部が可能な限り細く長く見えるようにし、且つ肩関節や股関節を始めとする各関節の可動域を最大限に確保して動き回ることができるように、あえて前述のようにしているのです。



かなり専門的な話で難しいと思いますが、この優先順位を理解してトレーニングすると、故障のリスクを軽減して楽に動けるようになります。



結果として演技に集中しやすくなり、表現の幅を広げるチャンスが生まれます。



ただ、普段からかなり意識してレッスン、エクササイズ、トレーニングを反復して脳や身体に覚え込ませて「やりたくないのにやっちゃうクセ」というくらいにしないと、無意識レベルで身体をコントロールする(再現性を維持する)ことは困難です。








--- ☆ ウルトラ基礎・基本的エクササイズ ☆ ---




■ ドローイン




下腹を引っ込め呼吸は止めない。インナーマッスルトレーニングの大基本。バレエで「引き上げ」に絶対必要な内腹斜筋や腹横筋を強化する。




肋骨は決して開かず、肋骨と恥骨との縦の距離を決して縮めるのでもなく、”ウエストを絞る”ことで骨盤が立つ。




仰向けの姿勢では、ドローインの操作のみで腰部と床との隙間を狭める。




ドローインはいつでもどんな姿勢でも行うことができる!!!

(ちなみに僕は移動中、特に歩行中はドローインするよう心がけています。)




※ 立位でこのエクササイズが正しく行われた場合、背中が使い易くなり、肩周囲に関しては大胸筋など前面の筋肉を使うことの方が難しくなる。背中が使えるようになることによって、男性がサポートやリフトをする際、男性自身も楽だし、結果的にパートナーに対する負担も軽減する。(サポートやリフトは背中の筋肉をメインで使うんですよ!)




■ ライイング・ドローイン

(基本的には 5秒Keep×5回=1Set → 3Set/day)




仰向けで膝を立ててドローイン+柔らかいボールなどを内腿の間に挟む。




ボールを、膝を使って挟むのではなく、内腿の付け根を使って挟むように意識する。挟む力は、中~強の間。あまり強過ぎるとタックインするクセがついてしまうのでご注意を。




こうしてドローインに、ボールを挟む動作(内転=アダクション)を加えるによって、腹横筋と内腹斜筋、大腿の内転筋群(大内転筋、長・短内転筋)は「いつもセットで協力して働くんですよ~!!!」と、脳と身体に覚え込ませるのが目的。




※ このエクササイズが正しく行われていれば、骨盤底を形成している筋群→俗称”骨盤底筋”が二次(副作用)的に収縮することが感じられる。




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・・・・・・というのが理想の話で、これが実現できれば観客を魅了する演技ができるようになる訳ではありませんガーン



そこには踊りそのものを楽しむ気持ちや情熱や愛情、時にはエロスや憎悪・・・喜怒哀楽が肝心だと、僕は考えています。



そして、自身の人間性を高める意識を持つことで精神的にも肉体的にも向上するきっかけとなり、目標を達成して夢を叶える力になると思っていますニコニコ





バレエを愛する皆さん、暑かったり寒かったりで体調管理が大変だと思いますが、怪我に気をつけて、どうか目標や夢に向かって明るく元気に頑張ってくださいね!!