どことなく なんとなく。 -3ページ目

どことなく なんとなく。

なんとなく 独り言


思い出した事があった。

ぼくには5つ上のいとこがいて
彼女にロックというものを
教えてもらった。

父親は俳優で
どう悪く言ったって
とびきりの美人だった。

そんなことは
少しも鼻にかけない上
物静かでそれでいて明るかった
文字通り『馬鹿みたい』
にモテた。

然し、綺麗な花にはなんとやら
とはよく言ったものだ
彼女も例外じゃあない
その笑顔に魅入ってしまったら最期
火傷じゃ済まない
覚悟した方が良い

ボロ雑巾みたいにあしらわれた
とびきりの男前を
ぼくは何人も知ってる

そんな事が脳裏に浮かぶ

墓参りに行かなきゃ



iPhoneからの投稿
文字ののさばる世界において
得てして美しい女というのは
人に非ず
半透明な心技体を持ち
ひらりと読む視点の
真ん中に着地する

僕はその体を掴もうと
躍起になるが
左手は空を切るばかり
どれほど
水晶体を変形させただろうか
凸状レンズを屈服させるほど
僕は君に会いたかったのだ

ようやく会えた
人間にとても
よく似ている でも
君の頭の上には皿が乗っている

大切にしないと
死んでしまうのです
と彼女は云った

だから大切に扱ってください
と彼女は云った

その日から
彼女は僕の食卓になった

彼女が捧げる食物は
義務と必然でもって
僕の空腹を満たした 

割れるものだと知ることは
認識というより常識に近く
半透明さを失った彼女は
世の常識に従って死んだ

皿が割れたわけではなかった
皿なんて 
たかが皿なのだった

常識を鈍らせた僕が
彼女を大切に扱わなかった

結局はそれが原因だった

割れた彼女を箱に詰めた
猫の額ほどしかない 
小さな箱に

僕は声を失い
今日も生きている
間違ったふりをして
間違ったままで