まず原作者である
芦原妃名子さんに哀悼の意を示します
この手の時事問題には
なるべく触れない方針をとっていたのですが
ドラマ感想で「セクシー田中さん」を
一番のお気に入りしたので
今回は触れずにいられません
こういった漫画原作のトラブルは
昔からよくあり
最初のうち「またか」という感じでした
なぜなら
俺らの世代では漫画原作ドラマ・アニメは
原作とは別物というのが当たり前の時代を
過ごしてきたからです
ドラマなどは
例えば月曜ドラマランドなどで代表される通り
通常は原作の改変が当たり前で
むしろ
原作に近いと奇跡だと思ってきたのです
ちなみに
人気ドラマ「東京ラブストーリー」でさえ
原作ファンの俺からしたら
あり得ないほどの酷い改変作品です
アニメにしてもそれが顕著で
新進気鋭のクリエーターたちが原作を無視して
如何に自分の表現を出せるかを競い合っていた時代もあり
最近で有名なところでは
「鋼の錬金術師」や「青の祓魔師」などが有名でしょう
前にも書きましたが
初期「うる星やつら」などは
原作者の高橋留美子さんに嫌われながらも
押井守さんを筆頭に
才能あるクリエーターが好き勝手に改変して
その結果
名作「ビューティフルドリーマー」を生んだりもしました
でも
そういう昔からの経緯があるせいで
原作が軽んじられ
この度のような不幸を起こしたのだと思います
これもいわゆるひとつの
制作サイドの都合ばかり考えて
原作を都合よく変えてしまう
メディア界の悪しき忖度だと思います
で
今回の訃報を知り事の経緯を詳しく調べました
なぜなら
「セクシー田中さん」が原作者の意思とは
かけ離れた作品なのかが知りたかったからです
もし
かけ離れた作品を一番のお気に入りとしたならば
もうドラマ批評はやめようと思いました
結果
ドラマ「セクシー田中さん」は
制作サイドの無理解という困難な状況の中
原作者が文字通り命を懸けて
なんとか原作に近い作品にできたドラマと知り
安堵するとともに
原作者の崇高なクリエイター魂に触れて
あらためて賞賛に値するドラマだと思いました
原作者の命を懸けて守った脚本に応えて
出演者たちの魂のこもった演技の末の
ドラマ「セクシー田中さん」
あらためて
今クールの一番のお気に入りの作品です