我が家のカラオケ大会に、長男一家がやって来た。孫娘のマイクを持つ手がさまになっている。「パプリカ」など透明な声で熱唱する。音程がしっかりしている。
みんな上手!
夫は彼らに刺激されたのか。なんとボイストレーニング教室に通い出した。個人レッスンだとか。月に2回通う。
発声が変わってきた。上達が実感できる指導法に納得する。ひとりカラオケに一層熱が入る。
更に、ピアノを弾けるようになりたいと、ピアノ教室に通い出した。問い合わせしたところ、最近高齢者の入会者が増えているとか。
意を強くしてこちらにもレッスンを開始した。こちらも月に2回ほど通う。
当然ピアノが必要だ。子どもたちが使用していたピアノは、既に売却してない。夫は、熱中したら止まらない。先生の仰せ通り、88鍵の電子ピアノを購入した。
「10年後にはショパンを弾けるようになりたい」
壮大な計画を立てて、右手の練習から練習開始だ。
夫は、今年喜寿を迎えた。彼の姉はバイオリスストになり、交響楽団で活躍した。妹は声楽家で大学で教えていた。故に、何かしら、ここにきて「音楽」に携わってみたくなったようだ。
楽しんで時を過ごせるのが何よりだ。カレンダーに夫の予定が次々と書き込まれている。いつかストリートピアノに挑戦する日も来るだろう。
(2023、8、5)