独り遊びさんからのコメントに触発されまして、重症急性膵炎についてのお話をしようと思います。
あまり楽しげなお話ではないのですが。

うちの旦那様が倒れたのは、秋。もうすぐ二年前ということになります。
数日前から、元気なんだけどだらだらしていてやる気がなく、加えて何か脳みその状態が悪いように思っていました。
買い物で、旦那がほしいと思った品物をかごに入れているつもりが、なぜか隣にあった他の品物を入れていたり、
車の車庫入れで斜めになっていたり(車の運転はうまい方なので本来ありえない失敗です)、
何かしようと始めても妙なことで判らなくなり、ずっとイライラしておりました。
どうも、風邪をひいたみたいだけど、熱も平熱、血圧も今までと変わらず、でもどうも脳みその状態がおかしいみたいに思い、月曜日になったら医者に行ってもらうよ、と医者嫌いの旦那に通告しました。
旦那は単なる風邪だと言い張ってました。
今から思えば、大量の水分を欲しがり、すぐお腹がすいたり、トイレばかり行っても「大が出ない」とぼやいていたり、心当たりがたくさんありますが、その頃は判らないでいたのです。

実はその数日前、旦那に離婚の提案をしておりました。
もともと家族の介護のために旦那の実家に引越し、介護のくぎりをうまくつけられて約一年。
旦那は就職活動をしないでいたのです。
なかなかやる気を出せないでいる旦那にいらついた私は、いっそ離婚して背水の陣に追い込み、
就職のやる気を出してもらおうと思っていたのでした。
このままではこの人も私もだめになると、そのころは思っていたのです。
話はまだ決着がついていない、しかも本人はダラダラしてる(ように見えた)、そんな時に異変が起こったのです。
時は10時。眠たいと、寝室で寝ていた(ダラダラしてると思っていた)旦那がトイレに入って出てこなくなったのです。
開けると倒れている。でも意識はあるけど起き上がれない感じ。トイレの床にすっぽり嵌って出られないみたい。
私がどうしたのと聞くと、『カメラ持って来い、カメラ』と旦那。
え? カメラ? 何故? え? なんで?
考えがまとまるまで数分・・・・・・・・・・・なぜカメラ?ありえない、これは・・・・・少なくともおかしい・・・絶対おかしい・・・・・・・間違いなくおかしい・・・・・・・戦慄が走りました。
『救急車呼ぶからな』
旦那はその時も、不条理系の漫才みたいに会話にならない言葉を口走りましたが、『そうせえ』と言ったと思いました。
家には私と旦那だけ。いくら私が力持ちでもトイレから旦那を出せないし、救急車を呼んで、彼らに出してもらおうと思ったのです。
まだこのときは、点滴でもしてもらえばすぐ帰れると思っていたのです。旦那の靴や服を手早く集めて
保険証やお金を手に救急車に一緒に乗り込みました。

しかし事はそんなに良いものではなかったのです。
担ぎ込まれた病院では対処出来ないということで、転送、更に大きい遠くの病院へ紹介されました。
その時の説明では、他は異常ないのだけど、とにかくこの病院にある血糖値測定器では測れないくらいに高血糖になっているらしいこと、朝になれば検査は可能だけど、これは大きい病院の方がいいはずなので、
とりあえずインスリンを投与だけはしましたとのこと。
大きい病院に着いて。治療室の向こうで旦那が「痛い痛い」と泣き叫ぶ、医者達が「動かないで、お願い、動いたらあかん」と叫ぶのが聞こえるのを胸がつぶれる思いで、待っていました。
二時、三時と経過して、四時を過ぎた頃、看護婦さんに呼ばれて、まず先生の話を聞きました。
その時の説明では『糖尿性ケトアシドーシス』。何らかの原因で膵臓の機能が止まり、血糖値が1500越えているとのことで、
体に負荷をかけないように少しづつ下げていくので、3日入院予定です。とのこと。
しかし、そのときですら、私は『何らかの原因』の意味をあまり深く考えないでいたのでした。

ちょっと長くなったので次に続きます。

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