【Sudden onset】の番外的内容です。その中での83として書いてます。
二人の兄さんに対する扱いがこの物語の中で判るかと思います。
この二人もまた仲がヨロシイ感じなのですが、イチャってる二人バチコーイ!!って言って下さる方はどぞ!!
【Sudden onset(番外)】
「イェソンが自分の場所を見つけたよ…」
甘い空気が漂う中、自分を翻弄する相手の首へと腕を回して微笑んだ。
「…イェソンが、何だって?」
自分の下へと組み敷いた身体を撫で回しながら怪訝な表情をする相手に苦笑する。そもそも自分はその話をしようと来たのに、話そうとする前に盛られて押し倒されてしまった。いつも強引な相手に苦笑顔のままイトゥクは口を開く。
「だから、イェソンに好きな相手が出来たの。」
途端にピタリと止まった手。やっぱりな反応に態とイトゥクはその唇へとキスをして、止まった手を催促してやる。きっとこうやって思考を違う方へと向けさせないと話しを聞いてくれないから。
それを汲んでくれたのか、ヒチョルは止めた手をまた動かし始める。
「抱かれたいのか話したいのか…どっちなんだよお前……」
そう言いながらも動かす手にやっぱり苦笑しながら、どっちも。そう告げてやれば仕方なさそうにキスが降りてくる。
そんな優しいヒチョルがやっぱり大好きだと思いながら、上げられる熱のまま口を開いた。
「今日ね……見ちゃったんだ…」
イェソンが自分達以外に甘えている姿を。告げられた言葉にヒチョルはへぇ、と何でも無い事のようにイトゥクの胸元へと唇を寄せた。そのまま既に固くなった場所を舐め上げれば、途端に甘い声が上がる。
「キュヒョンか……」
呟かれた言葉にやっぱり気付いていたんだとその頭を抱えた。そのまま吸い上げられて息が詰まる。腰を撫で上げてくる手が優しくて、イトゥクは胸元の柔らかい髪を撫でた。
「一緒にね……寝てた。」
それだけで伝わる。実はイェソンは人が傍に居ると余り良くは眠れない。昔からそうで、仮眠程度ならば大丈夫だが深く眠る事など出来ない。リョウクとでさえやっと慣れて来たという位で、それは自分達が傍にいても治る事は無かった。それなのに今日見たイェソンはキュヒョンと寝ていたのだ。しかも一つベットの上で。そして何より、自ら相手へと腕を回して眠っていたあの姿。それに少なからずイトゥクは驚いた。
「離したくないってね、ギュッて…してた。」
熱に翻弄せれる身体が苦しい。既に立ち上がったイトゥクのモノへと手を伸ばして、ヒチョルはその顔を覗き込んだ。
「…嬉しそうだな…お前。」
ブスッとした顔でもやっぱり綺麗な作りをしているヒチョルの顔。その顔が凄く好きだと思う。
「う、れしい…よ?」
だってイェソンは自分達以外には絶対に甘えない。いや、自分達にでさえ本当の甘えなど見せた事は無い。自分は甘えてはイケナイと思っているのか、弱い自分を見せまいと頑張る姿を何時も切なく見ていた。それを誰か受け止めて欲しいと思っていたから。自分達が出来ない事を成し遂げてくれる相手を探していたから。
「キュヒョナじゃ…ダメ?」
手は動かしたまま、自分を未だ見つめる相手へと首を傾げてみせれば、ヒチョルは嫌そうに顔を歪めた。
「アイツはまだ子供だろ…」
イェソンを受け止める事が出来るとは思えない。そう告げられて、イトゥクはその頬へと手を伸ばした。
「…アイツはもう…ンァ…お、とな…だよ…」
上げられる熱に身悶える。その姿をヒチョルは目を細めて見下ろした。
何時もリーダーとして気を張っているイトゥク。それを見守りながら、こうやって自分の腕の中にいる時位はその緊張から解き放ってやりたいと思っている。
「…ジョンウナが、ホントにアイツが好きだって?」
愛称を変えて言った言葉は本気で話しを聞いている証拠。それが嬉しくて、イトゥクはヒチョルへと足を絡めた。
「少なくとも…好きに、なり始めてる…」
安心しきって眠る姿を思い出す。幼いあの表情、縋る姿は愛おしさを呼び起こす。そしてそれを優しく受け入れるキュヒョンの姿。
『……寝てるの?』
思わず出た最初の言葉がそれだった。信じられない気持ちで見ていたら、当たり前の様に寝てますけど?と返って来た言葉。そのキュヒョンの腕はシッカリとイェソンを抱き締めていた。
『傍にいてくれって、泣かれたんです。』
仕方なさそうに真実を告げられた時は息が止まるかと思った。だってイェソンが泣いただなんて、しかも傍にいてくれと告げただなんて。熱が出てるからって有り得ない事だったから。それ程には誰にも甘えない人物なのだ、イェソンという人間は。
それを最も簡単に成させてしまったキュヒョンへと少しの嫉妬が湧いた。
だって自分達がどんなに甘やかしても動かなかった心を動かしてしまったのだから。嫉妬心が湧き出ても仕方ないじゃないか。
「……お前、嫉妬してんだろ。」
クスリと笑われて、それと同時に吐き出してしまった熱に息が上がる。
優しく頬へと唇を寄せてくるから、そんなヒチョルへとイトゥクは困った様に微笑んだ。
「…だって…俺は甘えさせてやれなかったから…」
兄、というよりは母親のような気持ちになってしまう自分はオカシイのだろうか?甘えさせてやりたいのに、泣かせてあげたいのにソレを固くなに拒んできたイェソン。それが切なくて、悲しかった。
なのにソレを簡単に実行してしまったキュヒョンに嫉妬してしまった自分は心が狭いのかもしれない。
「ったく……泣くなよ…」
言われて初めて気付く。本当はヒチョルの方が怒ると思っていたのに。
どうやら自分の方が存外イェソンに入れ込んでいたらしい。
「普通は母親のが寛容だろーが…」
優しく微笑まれて、その肩口へと顔を埋めた。震える肩を抱き締めてくれる腕が酷く優しい。
「母親って……じゃあ、ヒチョラは父親?」
泣き笑いで言ったら、そうだと笑われた。それ位には自分達はイェソンを大切に思っているから。大事にして、幸せになって欲しいと思っているから。
「アイツだったら、安心なんだろ?」
それにコクリと頷く。普段は甘えん坊な末っ子だけれど。
自分の意見はちゃんと主張出来るしっかり物なキュヒョン。今回のイェソンの体調にも気付けたのはキュヒョンだけだった。それだけイェソンの事を見ているのだから、きっと大丈夫。
「だったら、アイツに任せりゃイイ。」
そう言って、解されて受け入れるには十分な場所へと押し入ってくる熱。
「嫁に出して、お前はオレの事だけ考えろ。」
強引な物言い。それがヒチョルの優しさ。
一番心配で、手のかかる息子を手放せばイイ。安心して任せられる相手へと託して、少しは自分の事を考えろと暗に告げてくる言葉にまた涙が零れた。それ程にヒチョルは自分の事を考えてくれているのだ。
「まだ、心配な息子達が……ァ…いる、ンン……」
入ってきた熱が強すぎる。何時もよりもデカさを増した熱に息を詰まらせるイトゥクを綺麗な顔が見つめた。
「そんなのは、オレが負担してやるから…」
もう、オレの事だけ考えろ。
熱い視線に目眩を感じる。こうやって偶に甘やかしてくれるから、それが麻薬となって身体を侵食していくのだ。
押し入ってきた熱に息を乱しながらヒチョルの身体へと縋り付いて。
「じゃあ、忘れられる位…抱いて……」
普段言わない言葉を告げる。
もう自分の気持ちに抑制を掛けずに甘えたい。それを受け止めてくれるのはヒチョルだけだから。
「明日立てなくなっても知らねぇぞ?」
それに違えず応えてくれる優しが嬉しい。
こうやってあの二人もお互いの気持ちを共有出来る日がきっと来る。
それに少しの淋しさと嬉しさを抱きながら、イトゥクは幸せそうに微笑んだ。
※私の中での83はやぱーり兄さんのパパママなのですねハイ。
この二人は甘さよりは大人な雰囲気だよなって感じで書いてるつもりです。
しかしウチのレラはおトゥギに優しい(笑)
Android携帯からの投稿