ヨジャ痛でお腹にホッカイロ貼ってます胡蝶です今晩みー。
前作が終わって早々次作も上げちゃおう!という事でダラダラ編集してたらこの時間…
さて今回もギュイェですヾ(*´∀`*)ノ
この話も結構長い続き物なんですが、長い目で読んで頂けたら幸いです。

甘さ満載でもOK!って優しい方はどぞっ!!








【甘えん坊1】



「…喉渇きました。」

…………

「……ヒョン…僕、喉が渇きました。」



……だからどうしたんだよ、オイ…




久しぶりの休日。リョウクとソンミンは朝からショッピングに行くからと早々出掛けてしまった。残されたイェソンは眠い目を擦りながら暇だしとリビングのソファーに沈み込み、何をするでも無くボーっとしたまま緩やかな時間の流れを楽しんでいたのだ。その空間をぶち壊す声が聞こえるまでは。

「……あれ…」

ヒョンだけ?寝ぼけ眼でリビングに入ってきた末っ子によって、それまでの心地の良い時間は脆くも崩れ去った。

「…二人なら買い物。」

簡素に答えてベランダへと目を移す。今日は雲一つない青空。
そんな空をボゥッと眺めるのがイェソンの密かな楽しみだったりする。そうしていると、仕事でささくれだった心が癒される気がするから。やはりこういう時間は大切だな、そう改めて思いつつ癒されていくのを実感していたのに。

「よいっしょ…」

またしても邪魔者が…
末っ子にして最強最悪の弟、キュヒョンは無遠慮にその楽しみを奪っていくのだ。弟達はすべからく可愛いと思っているイェソン。それはキュヒョンとて変わらない、が。この弟…何かにつけてイェソンをからかってくる。
それは端から見ても判る程に酷い扱いで。
だからたまにイェソンは思うのだ。この弟は自分が嫌いなのではないか…と。なのに………

「?どうかしました?」

イェソンの視線に気付いたキュヒョンがキョトン顔で見つめてくる。
そう、彼はイェソンが座っていたソファの隣を当たり前のように陣取っていた。

「……狭い…」

二人がけのソファではあるが、大の男が二人で座ったら結構キツい。現に座ったキュヒョンの体がイェソンに密着している。

「向こうのソファに座ればイイだろ」

何で他のメンバーが居ないにも関わらずコイツは空いてる所に座らないんだ。そうイェソンが思うのも当たり前の事。喋る事すら億劫になりつつ、それでもと疑問を口に出したのだが。

「ココがイイんです。」

軽く答えられて終わってしまう。
何を考えているのかが全く判らない。だが先に座っていた自分が退くのは何だか癪で。イェソンは仕方無く窮屈なソファに背を預けた。
と、思い出したようにキュヒョンが口を開く。

「朝ごはん食べました?」

「……昼飯の間違いだろ…」

全くこの弟のグウタラ生活には溜め息が出る。彼が起きてきたのは午後も1時を回った頃。どうせ明け方までゲームでもしてたんだろうと呆れながら、イェソンは親指でキッチンの方を指差した。

「リョウギが冷蔵庫に作っといてくれた」

簡素な答え。自分で勝手に食べろと安易に言っているそれに、キュヒョンは少し間を置いてからポソリと呟いた。

「…お腹すいた………」

上目遣いでもって、隣のイェソンをジットリ見つめてくる。
こういうキュヒョンにイェソンは弱い。何時もは飄々としていて自分をからかって遊ぶ癖に。こんな時ばかりマンネを全面に押し出すのだ。
しかもそれを判ってやっているのだからタチが悪い。

「………」

ハァ…と一つ溜め息をついてイェソンは立ち上がった。それをキラキラとした眼差しでキュヒョンは見つめる。何でこうもマンネに弱いんだと自分に叱咤しながら、我儘な末っ子の為にキッチンへと向かったのだった。




温めたご飯をお腹いっぱい食べた二人。お腹が満腹になったせいか、はたまた午後の暖かい日差しのせいなのか。イェソンは座っていたソファで微睡み始めていた。隣ではパソコンを開いたキュヒョンがゲームに興じている。
このまま気持ち良く昼寝タイムと本格的に寝に入ろうとした時。



「喉が渇きました。」




………


何なんだコイツは。片目を薄く明けてチラリと横を見れば、コチラをジトリと見ている目があって。


「…僕は…喉が、渇きました。」


………だから何なんだ…


本当に何を考えているのかが判らない。何時もそうだ。二人きりで居る時にはこうして甘えてくる。誰かの目が無いと判ると、何故か自分の隣にやってくるキュヒョンが居て。何かに付けて自分に何かをさせるのだ。
いや…これは甘えているというよりも、こき使われているんじゃナイだろうか。そう思ったら何だか腹ただしくなった。

「…お前…俺を何だと思ってる?」

言ってやれば、またキョトン顔をする。

「何って……ヒョン。」

何を当たり前な事をとばかりに呆れ顔をするから、それがまたイェソンの苛々を増長させる。その兄を顎で扱き使ってイイとでも思っているのか。
無言で立ち上がったイェソンは、冷蔵庫からペットボトルを取り出すと、キュヒョンへと手渡しそのままリビングの扉へと足を向けた。
それに慌てたのはキュヒョンの方で。

「えっ…何処行くんですか?」

「………部屋」

キュヒョンを振り返りもせず、そのままリビングを後にした。





「……フゥ…」

少し大人げなかったかな、とベットへと横になる。
遅れてグループに入ってきた末っ子。不安とか恐怖とか、沢山あっただろう。それでも頑張ってグループに馴染もうと努力して。
今やブラックマンネとあだ名が付けられる程に成長した。
だが、それも仕事上でのキャラクター…仕事がナイ時位は甘えたい。それが全面に出てしまうだけなのかもしれない。

そこまで考えが及んだ時、ふと扉の開く音がした。

リョウクでも帰って来たかと顔だけをドアへとやれば、立っていたのは先程自分を怒らせた相手で。

「…キュヒョン……?」

謝りに来たのかと身体を起こそうとして、それを阻まれた。


「………っ…キュヒョ…」

「何で………ったんです?」

「……え?」


何を言ったのか聞き取れなかった。というより、行動の方に驚いて聞き逃してしまったという方が正しいかもしれない。
ベットの上に寝転がっていたイェソンは、そのままキュヒョンに押し倒される形になっていた。

「何で…僕を1人にしたんです?」

何を言ってるんだ……コイツ…

イェソンは呆然と目の前の男を見つめていた。
だって、言っている意味が判らない。


「僕の事……嫌いになったんですか…?」



イェソンの両手首を拘束する手に力が入る。
いつの間にこんな腕力ついたんだ…なんて見当違いな事を思っていたイェソンは、だから避ける事が出来なかった。



「………な…に………?」


離れていく瞳を凝視する。

今、俺は何をされた………?


強い瞳が上から自分を見下ろしていた。


「…反応、鈍いですね………」


反応って……

戸惑うイェソンに、フッとキュヒョンは口だけで笑みを作る。でもその瞳は笑っていない様に見えた。


「キス…初めてじゃないでしょう?」


何をそんなに驚いてるんです?

自分の上に居る男が言うから、そこで初めてキスをされたのだと気付いた。





※新しく始まりました【甘えん坊】。
実はギュイェの初作品ですコレ(笑)二人で居る時は兄さんに甘え倒してるって聞いた時に書きたい衝動に襲われてやっちまったパターンっていう。

結構長く続きます。



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