明け方6時過ぎに寝たせいで見事に午後まで安眠していた胡蝶ですこんにちは!若干お酒が残ってる感が否めない…
さて続きです。

この話しは全15話なんですが、長いんで後2話続きます。やっと二人の関係に進展がある訳ですが、この次の話はちょいエロ要素あるんで申請って形になると思います。

では甘めギュイェOK!って方はどぞ!





【Time to fall in love14】



久しぶりのオフ。マッタリとリビングでゲームに興じていたキュヒョンは、イェソンの声に顔を上げて。固まった……


「……聞いてるか、お前?」

不思議そうに声を掛けてくるイェソンに、しかしキュヒョンは呆然とイェソンを見つめたまま動かない。手元のゲーム機へと目を向ければGAME OVERと書かれている。それを指差して負けたみたいだけど?なんて言っても動かなくて。それに尚々首を傾げたイェソンへと声を掛けたのはキッチンから出てきたリョウクだった。

「ちょっ!ヒョン何て格好してんの!?」

キッチンからイイ匂いが漂っていたと思ったらケーキを焼いていたらしい。リョウクはお皿一杯の作りたてのマフィンを持ちながら、やはりキュヒョン同様固まっている。

「あ、美味しそう」

ヒョイとお皿から取り上げて、まだ温かいマフィンへと口付けたイェソンはご満悦状態。ニコニコ笑顔で頬ばっている姿に久しくリョウクは顔を上げた。

「どっか、出掛けるの……?」

恐る恐る、そういった感じで聞いてくるリョウクに。んー?なんて言いながらコクリと頷くイェソン。その頬はリスのように膨らんでいる。
それはまぁいい。いいのだけれど。

「……それで、行くの?」

ポツリと呟きつつ自分を指差してくるリョウクにハテ?と首を傾げながらイェソンは自分の体を見つめた。

「?オカシイか?」


頬ばっていたマフィンを飲み込んでキョトンとするイェソンは美味しいとニッコリ笑って。だけどリョウクからしてみれば味の感想なんて今はどうでもいいのだ。キュヒョンを見れば未だに固まっている。
二人が驚いたイェソンの格好。それはまぁ、普通の人がすれば何でもないような格好。だがイェソンがした場合、誰もが一度は振り返るような格好だった。

胸元が大きく空いたブイネックの赤黒いシャツ。その上からは軽目の黒いヒラヒラとした上着を羽織っていて。下は膝丈の黒いパンツを履いている。その下からは白く細い肌が惜しげも無く出されていて、華奢な彼からは中性的な色香が漂っていた。


「おかしくはない、けど……」


そう言ってチラリとキュヒョンへと目を向けたリョウクは嗚呼、と呻き声を上げたくなった。
先程まで固まっていた筈のキュヒョンがイェソンをジッと見つめていたから。いや、見つめるというよりは睨むという方が正しいかもしれない。
明らかに不機嫌極まりないという視線に、しかしイェソンは全く気付いてないらしい。

「キュヒョナも食べる?」

自分の食べかけマフィンをキュヒョンの口元へと近づけてニッコリ笑っている。それを睨んだ瞳のまま無言でパクリと食いついた姿は何だか奇妙な絵面だなぁなんてリョウクは思った。

「……何処に、出掛けるんですか?」

マフィンを飲み込みやっと口を開いたキュヒョンはやっぱり不機嫌なままだ。イェソンは手に残っていたマフィンを口に放り込みながら、んー?と腕時計に目をやって。肩に掛けていた荷物を掛け直すとキュヒョンへとニッコリ微笑んでみせた。

「…ナイショ。」

クスリと優しく微笑んだ姿に二人はしばし動けずにいた。





街中を悠々と歩くイェソンは何時にもまして上機嫌らしい。耳に入れたイヤホンからはお気に入りの洋楽が流れているのだろう。周りの目も気にせずリズムに乗って足取り軽く歩いている。既に知名度のあるイェソンは、それでもサングラスだけを掛けている辺りどこまでも自由人だ。
そのイェソンの少し後ろ。コソコソと怪しく動く影が二つ。


「やっぱりダメだよこんな事…」

ポソリと呟く声にギロリとひと睨みする人物。

「秘密なんて言われて、黙ってろって?」

地を這うような声にゲンナリ顔で着いていくのはリョウク。少し前を歩く相手を見逃さないとばかりにジッと見つめているのは言うまでもない、キュヒョンである。二人はイェソンを尾行していた。
宿舎を出たイェソンを追いかけると言い出したキュヒョンに、何か仕出かすんじゃないかと心配になったリョウクも慌てて着いて来た訳だが。

「バレたらきっと怒るよ?」

いくらイェソンとあれど、尾行されてたとなれば怒るだろう。だがキュヒョンとしては楽しそうなイェソンを見て気持ちが騒めくのを止める事は出来ないのだ。ただでさえメンバーと仲良くしているだけで嫉妬してしまうのに、自分の事以外であんなに楽しそうなイェソンを見たくはない。

「あっ!店に入ったっ」

自分の言葉を聞いていたんだろうか?イェソンが消えた店へとコソコソ近付くキュヒョンにリョウクは盛大に溜息を吐いたのだった。


イェソンはどうやら本当に休日を楽しんでいるらしい。最初に訪れたのは普段から贔屓にしている洋服店。少し派手めが好みの彼らしく、店内は言う所のパンク系ファッションで埋め尽くされている。そこで何点か服を購入すると、また次の店へと足を運ぶ。そこも洋服店だが今度はシックな洋服ばかりを扱う店のようで。そこでも何点か吟味している。

「……普通に買い物してるだけじゃない?」

控え目に声を掛けるリョウクに、しかしキュヒョンはそれでも納得がいかないようだ。

「いや…まだ判らない…」

これから誰かと会うかもしれない。そんな事を言うキュヒョンに本日二度目の大きな溜息が出た。
そのまま暫く買い物を楽しんだイェソンは人混みから外れた路地裏へと入っていく。そこから少し歩いた場所に忽然と現れたのは小さなカフェ。
白を基調としたソコは静かな雰囲気を醸し出していた。

「……こんな所にカフェがあったんだぁ…」

長く住んでいたのに知らなかった。イェソンはそういった穴場をよく知っている。此処もその一つなのだろう。
全面ガラス張りになった入口から1番奥の席へと座り、店主らしき男性と親しそうに話をしている。
そのまま少し談笑した後、何か飲み物を頼んだようだ。
店主が下がるとガラスの外をふと見たので二人は慌てて物陰に隠れた。

「ちょっ!今バレたんじゃないっ!?」

慌てるリョウクにしかしキュヒョンは絶対にバレていないと断言する。どこから来る自信なのかと思うがソロソロとイェソンを隠れ見れば、確かに。とリョウクは納得した。イェソンはボンヤリしながら空を眺めていたからだ。今日は雲一つ無い綺麗な青空。イェソンの大好きな青空だ、それを彼が眺めない訳がない。

「やっぱり…一人で寛いでるだけだって…」

言いかけて、目の前から歩いて来る人物へとリョウクは言葉を失った。それはキュヒョンも同じだったらしい。このような場所に現れるとは到底考えられない人物、それが怠そうに歩きながらコチラへとやってくる。
そのままイェソンが入ったカフェへと当たり前のように入っていき1番奥の席へと足を進めた人物。


「………何でヒチョリヒョンが…?」


笑顔でヒチョルを迎えたイェソンに、リョウクはそう言って呆然と店の中の二人を見つめた。






※レラ様登場!!ギュが尾行とか街中を二人でそんなコソコソ歩いてたらペンに見つかってサジン上げられるだろうって自分でツッコミたくなるなコレ;
続きます。



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