パナソニックが自動車メーカー?というニュースが話題になった。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130127/biz13012718010005-n1.htm

世界最大規模の国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でパナソニックの津賀社長がGMとの業務提携を発表した際に「将来は自動車メーカーになるかもしれない」と語った。

世間は驚いたようだが、私は「やっと来たか」と思った次第だ。なぜなら、すでに5年前に私は「パナソニックは自動車メーカーになる」と予言しているからだ。
http://www.voiceblog.jp/suuzryou/692388.html

パナソニックは以前より自動車の電子部品の多くを作っており、しかもハイブリット車にリチウム電池を提供している。しかもエンジン部分にあたる電機モーターは松下電工の時から作り続けており、電気自動車を作る材料はすでに整っている。

その気になれば、あっという間に自動車メーカーになれるのだ。

5年前に発表した際には自動車関係者から「自動車は複雑な構造で安全を守るためのノウハウも必要。他業界から参入するのは不可能」とまで言われ批判されたものだ。

しかし私は家電メーカーが参入するであろう理由が見えていた。
パナソニックだけでない、ソニーやサムスン、アップルも参入してきてもおかしくないと予測している。

なぜか。

内燃機関が誕生して以来、自動車は「移動の手段」として発展してきた。
そのコンセプトは100年以上変化していない。

しかし電気自動車が普通になる時代になると、自動車の定義が大きく変化していく。
「移動の手段」から「総合エンタテイメント空間」への変化だ。

私が描く自動車の未来像はこうだ。

自動車は個人にとってエキサイティングなエンタメ部屋となる。
ガラスは最新技術によってディプレイに瞬時に切り替えられるようになり、車内で映画を楽しむことも可能になる。
さらに、HDドライブレコーダーで記録したドライブを再生することで、自動車を動かさなくてもドライブの雰囲気を楽しむことができる。

自分で記録したドライブレコードだけでなく、他人が記録したレコードもSNSで共有することも可能で、ロンドン、パリ、ニューヨークのドライブもリアルに再現することも可能になる。

さらにエンタテイメント性を追求し、深海や宇宙、仮想空間のドライブも臨場感溢れる映像で体験できるようになるだろう。ディズニーもコンテンツを提供するかもしれない。

もちろんレーシングゲームも楽しめて、テレビゲームでは決して体験できないリアルなゲーム体験が多くの人を魅了するだろう。

自動車は個人とって余暇を楽しむためのエンタメ特別席となるはずだ。

たとえば、ソニーが電気自動車「プレイステーション・カー(PSC)」を販売したとしたらどうだろう。

PSCには映画100本、音楽1000曲、ゲーム50本、海外厳選ドライブレコード100本をつけて販売することができる。しかも「移動もできる」デバイスである。

私ならすぐにでも欲しい。

車を買う動機が完全に変化していくことが分かっていただけるだろう。

もちろん法的な整備も必要だが、近未来にはこうなることは十分に予想できるだろう。

自動車は全く新しい転換点に差し掛かっているのだ。

パナソニックが宣言したのは良いが、サムスンやアップルが先に全く新しいコンセプトで自動車を世に出してしまうと、また後追いで苦い思いをする可能性もある。

日本の家電メーカーは未来を先読みし、今から全く新しいコンセプトを醸成していった方が良いだろう。


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