人は「幻」に対して悩みを抱き、苦しみを感じている。

しかし、それが幻と分かった瞬間に、悩みも苦しみも消えていく。

自分が抱えている問題が「現実」であると考える限り、それはその人にとって「現実」となり、絶対的な影響力を与え続ける。

たとえば「仕事」の悩みを例にとってみよう。

「仕事」で失敗したために悩み、立ち直れない人がいる。

その時には冷静に失敗だと感じていることを分解してみるといい。

 失敗して評価が落ちる

と考えているなら、この考えを分解し「評価」とは何か、を考えてみて欲しい。

 会社が自分に対する評価が評価だ

と考えているなら、「会社の評価が絶対なのか」と考えてみるのだ。

世の中には失敗することを評価する会社もあるし、起業家なら失敗は大歓迎である。

その出来事を失敗と定義しているのは世の中のごく一部の人だけであり、そんなことで悩むのはバカバカしいことだ。

そもそも絶対的な尺度や価値観はこの世の中には存在せず、「私もそう思う」という人の中で同じ価値観が共有されているに過ぎない。

冷静に世の中を見渡せば、大きな失敗をして落ち込む人もいれば平然としている人もいる。

極端な話、失敗して自殺する人もいれば、同じ失敗をしても夜もぐっすり眠って明るく夜明けを迎える人もいる。

つまり、最終的に自分がどのような価値観を受け入れているかであり、最後のココロのボタンは自分自身の手の中にしかないのだ。

仕事の失敗以外にも、恋愛や人間関係、金銭問題、あらゆることにこれは言える。

自分が信じている価値観も、それはたまたま今そう信じているだけに過ぎない、ということを忘れないことだ。

考え方でどうにでもなるものは幻である。

そして、世の中の大部分が幻なのだ。

幻に取り憑かれ、幻を現実と思い込まないことが、楽しく幸せに生きるコツだと思う。