目の前の壁を越えて、向こう側(=未来)を見るために、とても重要なことがあります。


逆説的ですが、「現在の自分を肯定する」、ということです。


これは、「今のままでいい」という考え方ではありません。


「現在の自分とは違う未来の自分を肯定」し、「現在の自分を肯定する」という2つの考え方ができることで、目の前の壁がなくなり、未来の自分へと動き始めるのです。


どちらか一方だけでも、人は動けません。


「現在の自分とは違う未来の自分を肯定」しながら、「現在の自分を否定すると、目の前には大きな壁ができます。


「現在の自分を肯定」しながら、「現在の自分とは違う未来の自分を否定しても、目の前には大きな壁ができます。


私がかつて「サクセスマガジン社」と共同で能力開発の効果について研究したとき、多くの人が能力開発のノウハウを学んでも、一歩を踏み出すことさえできない、という悩みを持っていることを知りました。


その時気付いたのが、未来だけを肯定する人、現在だけを肯定する人は、目の前の壁の前で立ち往生している、ということです。


特に、ほとんどの能力開発ノウハウは、未来を肯定することだけに注目していました。


私は現在の自分と未来の自分を肯定できてはじめて、次のステップへ動き出す力が出てくる、ということに気付きました。


これは私の体験からもいえます。


すでに過去の記事で述べましたように、私が、死の淵に追いやられた時、「今の自分がなぜ幸せか」ということに集中するようにしました。


最悪の状況の時、ダメダメな自分を否定したら、私は終わっていました。


しかし、最悪のダメダメな自分を肯定したからこそ、まったく違う未来の自分になることができたのです。


「俺は幸せになる資格はない」と考えながら、未来の幸せを願っても、目の前の「幸せになる資格はない自分」という壁が立ちはだかり、一歩も踏み出せないのです。


つぎのような例なら分かりやすいでしょう。


「お前は役者になる見込みはないな」と言われている人が、「将来はいい役者になる」と考えようとしても、無理であるのと同じです。


自分は才能があるんだ、可能性があるんだ、という前向きな肯定をしない限りは、どんなに豊かな未来を想像しても、目の前の壁を見つめることになり、一歩も進むことはできません。


目の前の壁を越えたいなら、壁の前にいる自分を前向きに肯定しなければいけない。


ここに、とても大切なメッセージがあります。