僕はめったに書評を書かない。


というのも、時間の無駄になるような本を読まないからだ。


個人的に良かった本はブログでは公開できない。


でも、少なくても僕以外の数人には是非読んでもらいたい、と思うような本は、お薦めしようと思う。


今回は、元2ちゃんねる管理人で、現「ニコニコ動画」管理人、ひろゆき氏の近著「僕が2ちゃんねるを捨てた理由」である。


タイトルのような2ちゃんねるに特化した話ではなく、ネットのビジネスモデルと既存マスメディアの状況分析を独自の視点で書いたものである。


まあ、ひろゆき氏の思い込み満載な部分も散見されるものの、「ニコニコ動画」のビジネスモデルを巡っての考察は大変勉強になった。


「ニコニコ動画」は日本独自のアイデアが盛り込まれた世界にも誇れるサービスだと、個人的には思っているが、あそこまで情熱的に作り上げたモデルでも、売上げ2億円であることを知って驚いた。


しかも赤字である。


無料のコンテンツサービスが次々に閉鎖している昨今、ネットビジネスの難しさを教えてくれるのが本書である。


さらに「進め電波少年」の土屋プロデューサーとの対談は読み応えある。


日テレのネット放送部門を担当している土屋氏の苦悩をリアルに感じられる。


テレビという巨大な媒体を使える有利な立場にありながら、コンテンツビジネスの有料化には失敗したことが、この世界の厳しさを教えてくれる。


ひろゆき氏の「クラウドコンピューティングは、WEB2.0で儲からなくなった誰かが勝手に作った造語。マイナスイオンと同じ」、「ネット広告は高すぎる」、「ネット企業が六本木にあるのはおかしい」などの持論は、非常に面白かった。


ともかく、これからネットでビジネスをしようか、と考えている人には是非読んでもらいたい本である。


ネットの幻想と現実を知ることができる。


僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)/ひろゆき

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