僕はこれまで沢山の霊能者と呼ばれる人に会ってきた。


彼ら(彼女ら)は、人知を越えた力を持つ(と言っていたり、言われていたり)ので、霊能者と呼ばれているわけである。


しかし、「この人は本物だ」と実感させられた人は、極めて少ない。


極めて少ない、と書いたのは、ごく希だけど「説明できない人」がいたからだ。


初対面なのに僕のプライベートなことをズバリ言い当てた人が、これまで2人いたからだ。


この2人は、僕のプライベートな出来事を、ズバリ言い当てただけでなく、対処法まで明快に示してくれた。


が、しかし、この2人でさえ、完璧ではなかった。


未来予測に関しては、この2人とも大外れであり、現実の方が遙かに上回っていたからだ。


本物に近い霊能者でも、得意分野と不得意分野があるのだということを実感したものだ。


で、その他の霊能者に関しては、いわゆる「コールドリーディング」の類であった。


その方面に関しては、僕もある程度のテクニックがあるので、逆に翻弄させて自称霊能者をパニックに陥らせたこともある。


非常に高い技術を持っている自称霊能者は、ラポールの技術を用いながら精神を同調させ、視点をランダムに動かしながら僕の脳をコントロールしようとしていた。


その時には、意識的に自分の眼球の動きを逆にしながら、ラポール状態にはまったように見せかけて、間違った情報を自称霊能者に送るわけだ。


そして、最後に正しい情報を出しながら、彼らの言葉がだんだん矛盾していくように誘導していく。


この過程で、偽物の人は自然にパニックになり、鼻に汗をかきながら(もしくは鼻をかいたりする仕草をしながら)、早口になり、まばたきの頻度が高まっていく。


その時には、ごめんなさい、と僕は心の中で思っているのです。


だめです、人の脳をいじりながら、自分の思うがままにコントロールしようとすることは。


僕も実験で、初対面の人に「良く当たる占い師」を演じ、完全に信じ込ませたことがある。


相手は、「えええ~、なぜそこまで当てられるんですか~」と驚いていた。


そりゃそうです。

当たったと思わせる技術を使うだけです。


当てられることを望んでいる人がいます。その人に「当たった」と思わせることは非常に簡単なのです。


だから、気をつけなくてはならないのです。