METライブビューイング2023-24 第5作「カルメン」を観てきました音譜

 

この作品はジョルジュ・ビゼーによって作曲された 4幕からなるフランス語オペラです。

 

オペラに全く興味のない人でも、聞き覚えのある曲が数多く登場する、世界で最も有名なオペラ作品の一つです。

 

特に「前奏曲」「ハバネラ」「闘牛士の歌」は、誰もがどこかで聞いたことのある曲でしょう。

 

また、ストーリー展開が早くて分かりやすく、ヒロインが魅力的という点でも人気があるのは納得できますし、私も大好きな作品の一つです✨

 

 

今作は、またまたMETの大胆な新演出作品で、今まで観たことのないカルメンで、驚きの連続でしたおーっ!

 

舞台を1820年ごろのスペイン・セヴィリャから、現代のアメリカの、とある産業都市に移し、カルメンが働くタバコ工場は兵器工場に、花形の闘牛士はロデオ選手に置き換えられています。

 

スポーツカーや大型トラックが走り、盗賊団は密輸団に、ジプシー風の衣装は、現在の若者が好むカジュアルでやや露出多めの衣装に変えられ、肌にはタトゥーが施されています。

 

この様な大胆な演出でありながらも、それほど違和感なく作品を楽しむことができたのは、カルメンが普遍的な物語であり、登場人物の関係性がしっかりと掘り下げられ、現代の世界にフィットするように作られているから…というのが、演出家クラックネルの言葉から理解できました。

 

 

そして何よりも今回のカルメンで素晴らしかったのは、ヒロインを演じたロシア出身のアイグル・アクメトチナです!

 

27歳の若さでありながら、その圧倒的な存在感と色気で観客の目をクギづけにし、力強く美しい声と完璧な歌唱テクニックと演技で、最後まで魅了されっぱなしでした。

 

カルメンを演じるために生まれてきたと言えるほどに、この役にはまっていて、世界の劇場で今やひっぱりだこなのが納得できます。若手のメゾソプラノ歌手として、これからの活躍がますます期待されます。

 

 

それ以外のキャストも、ホセを演じたベチャワとミカエラを演じたエンジェル・ブルーは、それぞれの聴かせどころのアリアや細やかな演技で安定の実力を見せつけてくれましたし、エスカミーリョ役のケテルセンは、バスバリトンの美声でこの役の恰好良さをしっかりと演じ切っていました👏

 

 

カルメンは、魅力的な曲が満載でストーリーが分かりやすいので、オペラ初心者が最初に観るオペラとして最適だと言われています。

 

この作品は大胆な演出にもかかわらず、現代の私たちの心に刺さる素晴らしい作品で、楽しめること間違いなしだと思います。


お時間がありましたら、ぜひ映画館に足を運んでみてはいかがでしょうかニコ

 

 

(写真は全てMETライブビューイングのHPより拝借いたしました)