表面布にマチがつきました。
口のところにファスナーをつけたいのですが、まだ買ってありません。
ファスナーをつけて、内袋を縫って、肩ひもをつける。
言うのは、簡単ですが、そう簡単にはいきません。きっと。
でも、生地がとても上質な気がします。大好きな、「生地の森」さんの生地です。
今日は敬老の日、ということで、祖母のことを思い出していました。
たぶん、父より、母より、わたしは母方の祖母に似ていると思います。
祖母のことを、いつも「おばば」と呼んでいました。
田舎の農村では、そんな呼び方はあたりまえでしたが、小学校へ入ると、町の子たちは、おばあちゃんとか、ばあちゃん、と呼んでいて、わたしはみんなの前では、おばばとは言いませんでした。
おばばは器用で手仕事が上手でした。
わたしのリカちゃん人形の布団を丁寧にこしらえてくれて、ほんものみたいなミニチュアの布団ができあがりました。
わたしが小学2年生のとき、なにを思ったのか、タオルを二枚縫い合わせて、なかに、母がぬいぐるみをつくってくれたときに中身にしていた、スポンジみたいなものをいれて、クッションができた!と喜んでいました。
それをだれかに見せたくて、母は夕方にならないと帰ってこないから、わたしは祖母の家まで見せに行ったのでした。
祖母の家は同じ町にあって、でも端から端でした。
わたしは嬉しくて、タオルのクッションを抱きしめながら、祖母に見せました。
おばばは、顔をくしゃくしゃにして笑い、
「おう、そうか、つくったんか。うまいことできとる」
と、ほめてくれました。
おばばとは、いろんなことを話したし、いろいろなことを習いました。
座布団のつくりかたとか、かぎ針編みとか。
農村で、いつも畑で、野菜をつくり、土にまみれて、休むことなく働いていたおばば。
優しい人で、すぐに涙ぐみ、感激屋でもありました。
おばばが亡くなって、もう30年近いですが、わたしはおばばが服を編んだ、キューピーちゃんを3つ、まだ持っています。
おばばの編んだケープも、おばばが色を染めたおんぶひもまであるのです。
わたしはときどき、おばばに会いたくなります。
わたしがつくったものを見せたいです。
どんなに驚いた顔をし、喜んでくれることか。
おばば。
かわみなみは、変わってしもたよ。
若い人がおらんくなった。畑もだれぇもせんわ。
年よりが退屈しとるんや。
なにがどういかんがか、わたしにはわからんし、どうもできんけど、
なんか、みんな生き生きしとらんねぇ。
なんでやろ。
年を取ることが、いやなこと、避けたいものである社会は、わたしは健全ではないと思います。
わたしは、祖母がやっていたように、手仕事をし、そのことで、満足のいく日々を送りたいです。