ローズウッドです音譜

 

8月19日・20日と2日間、開催された

 

ジャパン キャンサー フォーラム 2017

 

あらゆるがん種の多岐にわたるプログラム。

 

{47329D35-7DD7-433C-B113-E5EFF78FB884}


 
私は2つだけ聴講してきました。
 
☆今年注目の乳がんの薬物療法、新たな治療とは
 
講演者:中村 清吾先生
(昭和大学医学部 乳腺外科 教授)
 
駆け足の専門的なお話(検査データ解説など)だったので、聞き取れたことのみコンパクトに苦笑
 
後日インターネットで当日の動画が公開されますので、詳細な内容はそちらをご覧になってくださいね。
 
また7月に開催されたKSHS全国大会冒頭で中村先生が最新情報として話された内容と、先日のNHKEテレの後半で取り上げられた新薬の内容で被っている部分があります。
 
過去ブログに書いているので
 
<参考まで>
 
 
 
【乳がん治療のパラダイムシフト】
 
ハルステッド手術の時代⇒切除
 
フィッシャーの時代⇒温存
 
分子遺伝子学的アプローチ⇒非手術の可能性を探る。
 
【(ホルモン依存性)乳がん内分泌療法】
 
・生理を止める
LH-RH アゴニスト製剤(リュープリン等)
 
・閉経後の第一選択薬
アロマターゼ阻害薬
 
・HER2
トラスツズマブ(ハーセプチン)
直接的腫瘍細胞増殖を抑制する。
ホルモン陽性と同じ位、効果がある。
ハーセプチンが出て来てから予後が良い。
 
・パージェタ
HER2とHER3が結合して、最も強力に増殖する。(ヘテロダイマー)
ハーセプチンでも抑えきれないが、これを抑える作用を持つ。
 
・パージェタの作用
ハーセプチン+パージェタが効果的。
 
・クレオパトラ試験
HER2陽性で手術不能、または再発乳がんが対象。
ハーセプチン+パージェタ、ハーセプチン+タキソテール+パージェタ、ハーセプチン+プラセボ(偽薬)比較試験。
試験開始後の3年ではパージェタ群の生存率が16%改善した。
 
・オートファジーを応用した薬剤の開発
T-DM1(カドサイラ)
細胞の中に入って初めて抗がん剤作用を発揮する。
 
・次世代シーケンサーが開く未来
遺伝子の塩基配列を高速に読み出せる装置。
読み取り能力(演算スピード)がアップし、装置も安価になってきた。
 
・CDK46阻害薬(パルポシクリブ)
がん細胞増殖するのを抑制する効果がある。
フェソロデックス(閉経後のホルモン治療薬)にパルポシクリブを併用した方が無増悪生存期間が3.8ケ月⇒9.2ケ月と延長が認められた。
※無増悪生存期間とはがんが進行せず生存してる期間のこと。
 
・免疫チェックポイント阻害薬
がん細胞を攻撃する免疫機能を高める薬。
ブロックする場所によって様々な薬がある。
抗PD-1抗体⇒オプジーボ、キイトルーダ
 
・PARP阻害薬(オラパリブ)
遺伝性乳がんや卵巣がんの原因であるBRCA1/2遺伝子の機能不全によりがん化した細胞を細胞死に誘導。
 
オラパリブを使用した無増悪生存期間が7.0ケ月、主治医の選択薬の場合は4.2ケ月と効果が見られた。
 
BRCA遺伝子変異陽性卵巣癌に保険適用へ
 
【最後に…】
効果と副作用&医療費を天秤にかけてみる。
どう選択するかは「個々の価値観」「人生観」が大事になる。
 
人工知能AIのレベルは自分で判断基準を決定する段階に入ってきた。
しかし合理性だけでなく相手の気持ち・人間的な部分を大切にすることも必要。
 
「ロボットは命令で動く」
「人間は共感で動く」
 
☆質問タイム☆
 
Q:ホルモン薬は5年服用か、10年服用か?
 
A:タモキシヘンは5年と10年で再発生存率で差が無かった。
但し術後15年目の再発リスクでは5年服用と10年服用で若干の差が出ることが分かった。
 
全ての人が10年服用する必要はなく、リンパ節転移・増殖率が高い、再発リスクの高い人が10年服用することで恩恵を受ける。
 
タモキシヘンではこのエビデンス有り。
 
アロマターゼ阻害薬はまだエビデンス無い。
アロマターゼ阻害薬は「骨密度が下がる・関節痛」がある為、次の5年をどうするか慎重に検討するべきである。
 
Q:オンコタイプDX検査は術後でもできる?
 
A:手術で採られた組織はホルマリンづけされパラフィン加工でDNAが保存されている⇒検査はいつでも受けられる。
 
Q:乳がんとストレスの因果関係は?
 
A:そもそも何をもってストレスというのか…判断基準は千差万別である。
 
物事をポジティブに考えるか?ネガティブに考えるか?にもよるのではないか?
なかなか一概には言えない。
 
Q:遠隔転移・再発は早く見つけても予後は変わらないと言われている。患者としては早く見つけた方がQOLが良い気がするのですが?
 
A:定期的に細かく診ても診なくても予後は変わらない、と言われている。
 
良い薬をどのタイミングで使うかは見つかってからでは変わりない(再発)⇒その時点ではかなり広まっている為。
※私の主治医は検査が多いことでも有名なんだけど、それは先生の考え方(悪性度の高いがんでなければ再発でも早く見つけて手立てを打ち積極的治療で治すことができる)によるもの。
私はその考え方を信頼してるんですよね…時々脅かされるけどウィンク
 
ベルユメちゃんの司会、良かったですよ~合格
(目の前で心の中で応援してましたはぁと
 
キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
 
☆免疫療法 免疫チェックポイント阻害剤(薬)の働き方・効能について
 
<参考まで>
このプログラムは動画を撮っていません。
難しい部分もありましたのでご興味のある方は下記をご覧ください。
 
 
キャンサーネットジャパンhttp://www.cancernet.jpの「出版物のご紹介」にあります。
 
講演者:北野 滋久先生
(国立がん研究センター中央病院)
 
【免疫チェックポイント阻害薬の働き方】
 
・がん免疫療法とは?
自分自身の免疫細胞(リンパ球など)を利用してがん細胞を制御しようとするものであり、これまでの薬物療法とは全く異なるものである。
 
がん細胞の「PD‐L1」という分子が免疫力にブレーキをかける。
ブレーキをかけない様に免疫力のアクセルを踏んでがんをやっつける薬である。
 
チェックポイントで免疫細胞にブレーキをかけて、免疫のバランスを維持する。
 
リンパ球(T細胞)を使ってがんを攻撃する。
 
但し、主刺激シグナルと補助シグナルの2つが揃わないとがんを攻撃できない。
 
ペプチドを打つことでリンパ球を活性化することができるが、限られたペプチドを打つだけでは解決しない。
 
・保険診療での使用可能
<抗CTLA-4抗体> ヤーボイ⇒メラノーマに適用。
 
<抗PD-L1抗体> オプジーボ⇒メラノーマ・非小細胞肺がん・腎細胞がん・悪性リンパ腫・頭頚がんに適用。
※胃がんはこれから。
 
キイトルーダ⇒メラノーマ・非小細胞肺がんに適用。
※膀胱がんはこれから。
 
保険診療外で行われている免疫療法は科学的試練を経ていない。
 
薬が免疫抑制機能を阻害すると免疫が再び活性化し、がん細胞が排除される。
 
・従来の分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬の違い
分子標的薬⇒使わなくなると再発リスクが高くなる。
免疫チェックポイント阻害薬⇒ある程度の期間から生存期間が落ちない。
 
免疫チェックポイント阻害薬と相性の良い一部の患者さんは長期間治療効果が持続することがある。(メラノーマなどで)
 
免疫チェックポイント阻害薬の副作用
理論上では殆ど副作用は出ない筈。(抗がん剤よりしんどくない)
 
ただ全身のどこかの細胞に副作用が出る可能性はゼロとは言えない。
 
副作用には自己免疫疾患、自己免疫疾患性の炎症がある。
(腸炎・下痢・肝障害・肺炎etc)
 
多くの患者さんの副作用は軽微である。
しかし頻度は低いが重篤な副作用(劇症肝炎など)もあるので注意が必要である。
 
特に内分泌系、副腎機能低下はショック症状を起こすケースもある。
 
患者も医療従事者もこの様な副作用があることを知っていなければならない。
 
・がん免疫療法の時代に求められるチーム医療
患者、腫瘍内科医、内分泌内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科・消化器外科、内視鏡部、眼科、ICU救急部、皮膚科による医療チーム。
 
・どの様な病院にかかるべきか?
免疫チェックポイント阻害薬について正しく理解し、適正に実践(投与量及び投与間隔の遵守)している医療機関⇒がん診療拠点病院など。
 
がん薬物療法専門医が在席していること。
 
各種専門医での医療チームがあること。
 
【注意点】
自費で行われている免疫療法(広義)では慎重な対応が必要である。
 
免疫療法の殆どは研究段階の治療法。有効性(治療効果)が科学的に証明されてない。
 
効果が証明され、保険診療になっているものと効果が確認されていないものがある⇒慎重な確認が必要である。
 
セカンドオピニオンを遠慮せずに受ける。
(セカンドオピニオンを嫌がる医者はそもそも問題である)
 
・今後の展望
免疫チェックポイント阻害薬の効果がある腫瘍と効果がない腫瘍を見分けていく。
(1000個以上の臨床試験中である)
 
キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
 
2つのプログラムともに理解しながらの聴講があまりできていない為(スピードについていけず)、メモを箇条書きに羅列した感じのレポになりました苦笑
 
キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
 
展示ブースは盛況でしたね!!11
 
ひと通り回ったけど可愛いリボンリボンを配付していた「モヤモヤの会」のブースきらきら
 
噂のはてな「モヤモヤオリジナル扇子」を購入しましたよ!!11
 
 
{C1F631A9-98FF-44F2-A8CF-D053959C3CAD}
 
 
お馴染みのメンバーがたくさんいて、何か懐かしいハート
 
最近はタイミングが合わず行けてないから、何とか年内に一度行けると良いなアオキラ
 
会場で何人か知っている方にもお目にかかりました。
 
一大イベントだもんね。
 
これが終わると夏も終わり…って感じだけど
 
いやいやしっぺ返しの様な本日の猛暑晴れ
 
まだまだ夏は長いのか汗
 
今日は「処暑」らしいんだけどねッ笑