ローズウッドです
今年も参加してきましたKSHS全国大会。
3回目の参加となった今年は会場に知り会いの病友さんやブロ友さんがちらほら
「レポート楽しみにしてるから」
とプレッシャーをかけられ
どうしたものか…と焦る私
参加された方が既にたくさんブログにアップされてるので、書かなくてもいいかな…という気分にもなったんだけど、ボランティアスタッフや携わった方は殆ど聴講できないんですよね
当日頑張ってくださった方々に感謝の気持ちを込めて書かせていただく事にしました
集中力に限界があり拙いレポですが、どうか温かい目で読んでいただければ嬉しいです
冒頭に中村清吾先生より
先日福岡で開催された乳がん学会の簡単な報告がありました。
「乳がん治療の変化・近未来に
何が起こるか?」
基礎研究に根ざした議論が交わされたそうです。
①薬
②遺伝子(ゲノム)
①について
正常な細胞に決まった異常が起こるとその細胞は増殖する。
その細胞分裂の周期が活発になるのを阻害する薬。
・プラセボ+フェマーラ
・パルボシクリブ+フェソロデックス
◎進行乳がんが進行せず安定した状態の期間を延長させる。
・免疫チェックポイント阻害薬
・PARP阻害薬
卵巣がんからまず保険適用に。
②について
遺伝子の塩基配列(アデニン・チミン・グアニン・シトシン)を高速に読み込んでいく装置・次世代シーケンサー(イルミナ社)が開く未来だいぶ手が届く価格になってきた。
ゲノム医療の将来がんゲノム医療推進コンソニーアムでがんゲノム医療の実現化に向けた議論がされている。
スパコンとワトソン(IBM社)を繋いで検討するプロジェクトの発足。
しかし…
人間が人間らしくいられる「感情の発露」
それは人間が人間たる所以である。
中村清吾先生の言葉
「ロボットは命令で動く」
「 人は共感で動く」
書いてはみたものの、短時間で駆け足の説明に自分の中で消化し切れていません。
新薬の開発・薬の上乗せ効果の状況・ゲノム解析の時代に伴うAI等が大いに活用され始めた、という感じでしょうか?
浅野先生より乳房再建のミニ講演。
◆乳房再建の歴史
・2012年乳房再建用のインプラントとティッシュエキスパンダーが薬事承認された。
◆再建を希望する理由
・胸の膨らみが欲しい。
・温泉に入りたい。 等。
◆2次エキスパンダーの条件
・大胸筋が残っている。
・放射線をかけていない。
◆インプラントの種類
・アナトミカル型。
・ラウンド型。
◆シリコンの入替時
・問題が生じた時。
※それ以外についてはいつ入替るのか決まっていない。
◆難しい治療
・温存手術後の変形治療。
◆医師が望む事
・健側も豊胸して綺麗にしたい、など希望を言ってくれた方が良い。
・一度落ち着いて今の自分の優先順位を考えてみる。
ごく基本的な内容でした。
乳がんぶっちゃけトーク
中村Dr.⇒N 浅野Dr.⇒A 唐澤Dr.⇒KS 黒住Dr.⇒K 佐武Dr.⇒S 福間Dr.⇒F 三鍋Dr.⇒M 矢形Dr.⇒Y で表記しました。
◎基本、ガイドラインが大切。
再来年に最新版の患者向けガイドラインが出る。
検診も治療も個別化。
メリット・デメリットを良く考え、自分に合った治療を受ける事。
Q:乳がんのフォローアップは何をどの程度の頻度で何歳まで?
F:10年間、私はこまめに継続検査。
Y:その患者さんによって考える。
N:自分のがんリスク・性質について主治医とよく相談する事⇒最低10年間は経過を診て行く。
Q:母と叔母が乳がん。従妹が卵巣がん。遺伝性・家族性の乳がん・卵巣がんが心配。遺伝子検査を受けた方が良いか?
N:受けた方が良い。
F・Y:受けた方が良い⇒今後のマネージメントに繋がっていく。卵巣がんの早期発見は難しい。遺伝子検査の保険適用について何らかの形で来年に向けて動きがある。
Q:術後抗がん剤など多くの選択肢どうする?
Y:主治医の経験や好みもあるが、ほぼ同列の治療になるのでは?⇒標準治療を推奨するから。疑問は主治医によく聞く事。
Q:経口の抗がん剤はどうなんだろうか?
F:標準になるにはまだ時間が掛かるのでは?期間や効果に個人差がある。
N:予後が変わらないなら、QOLを考えて先に経口抗がん剤を選択してみても良いかも知れない。副作用が軽くて効くものが一番良いのだが…。
Q:ホルモン薬は5年?10年?
N:今は10年の方向だが、誰もがという訳ではない。リスクの高い人・抗がん剤が必要になる人が対象になるのでは?
Q:ホルモン療法の副作用。ホルモン療法は何の為?
Y:目に見えないものが出て来る⇒小さな転移を抑制する。副作用は個人差がある。漢方・抗うつ剤の服用・ヨガなどで改善される場合もある。
Q:ジェネリック医薬品でも良いか?
Y:問題ない。効果が弱いのでは?というのは思い込み。
Q:温存or全摘?再発リスクが低い方を選択したい。
F:選択は患者の権利。全摘、温存の再発リスクは大きく変わらない。
N:インプラントが保険適用になってから全摘が増えて来ている。
Q:術前抗がん剤でがんが消えた。それでも手術はしなければならないのか?
N:手術は必要。MRIの画像で消えていても顕微鏡的に生き残っている事がある。
K:識別できる時代が来るまでは手術して取ってみないと判らない⇒今はまだ識別100%は無理だと思う。
Q:リンパ節転移と再発は関係するか?
Y:関係ある。ただセンチネルリンパ節生検でリンパ転移があっても(程度によるが)、できるだけ郭清しない方向にある。
但し全摘して放射線をかける。
Q:29歳で妊娠中に乳がんが発覚して抗がん剤が必要だと言われた。胎児への影響は?
F:妊娠後期では抗がん剤の影響は出ないと言われている。しかし子供の成長過程でその後どうなるかはまだ不明である。
N:妊娠前期は影響ある。32週位までで抗がん剤を中断し、初乳を飲ませたら再開する。赤ちゃんへの影響は10年・20年と先を見ていかなければならない。がんセンターには産科が無く、厳しい事を言われるケースもある。がんセンターと総合病院の連携が必要である。(特に地方では産科と連携しているかが病院選びのポイントになる)
Q:インプラント11年。入替が必要?
A:まず破損が無いか調べる。
M:インプラントが保険適用になって4年。
平均で8年、インプラントの周囲に液が溜まる事がある。それを調べたら「リンパ腫」という細胞が出て来た事もある。(ブレストインプラント未分化リンパ種)破損と区別して、被膜を切除する必要がある。アジアではまだ発症していないがアメリカでは100例認められ、そのうち9人はこれが原因で亡くなられている。
Q:インプラント再建後11年。自家再建や脂肪注入は可能か?
S:脂肪注入は身体への負担が低い。現在は自費であるが、インプラント・自家組織で再建後の修正には保険適用になっていく方向である。
Q:温存手術で変形した乳房の再建
A:放射線をかけた皮膚の状態は砂漠の様に乾燥し硬くなってる→ただの脂肪注入では定着しない。幹細胞脂肪注入が良い⇒但し高額である。
S:大きな変形は脂肪注入では難しい⇒自家組織の皮弁法が良い。
Q:抗がん剤・放射線が必要と言われた。どのタイミングで再建したら良いか?
KS:放射線は再建後にかける事。
今年のぶっちゃけトークはあまり意見の相違が無く、無難に終わった印象を受けました。
先生同士、気を遣ってる部分があるのかも知れませんね。
午前の部が終了し、南雲Dr.の「命の食事」
糖質はと聞きながら、サンドイッチをパクつく
今回聞いてて切実に感じたのは「腸内環境を整える大切さ」
最近、私…便秘気味になったかと思えばお腹が痛くなっちゃって何度もトイレ…という事があるんですよねぇ
良い活きた菌を摂取するのが一番なんだろうけど、南雲Dr.がお勧めの味噌やヨーグルトを手作りするなんて私にはできないなぁ~と
午後からは間にWith Dr.体感会を挟み、2つの講演を聴講しました。
その内容についてはまた改めて書きますね