ローズウッドです
KSHS全国大会・後編です。
「乳がん検診・乳癌の診断」
~その落とし穴とは?~
◆乳がんの診断
3Dマンモグラフィティー
(トモシンセシス)
発見率が高く、偽陽性が低い。
全乳房自動超音波装置
自動スキャンの為、技師の技量差を問われない。
乳房が大きい海外では普及している。
(乳房専用)PET検査
マンモやMRIと同程度の感度。
マンモの様な検査時の痛みはない。
吸引式組織生検
①超音波ガイド下生検
超音波で見えるしこりに用いられる方法。
②ステレオガイド下生検
マンモで見える石灰化を狙い穿刺する方法。
③MRIガイド下生検
MRIでしか見えない乳がんを診断する方法。(自費)
◆乳がんの検診
世界的に「有効性」が証明されているのはマンモだけ。
◆科学的根拠に基づくがん検診
①対策型検診
有効性が確立したがん検診⇒市町村の住民検診。
②任意型検診
検診施設の利益が優先⇒人間ドックなど。
◎検査を追加すれば発見率は上がる。
しかし発見率の向上はイコール死亡率の減少ではない。
◎生存率を上げる為に重要なのは検査の有無だけでなく、検査の精度管理が非常に重要である。
◆高濃度乳房について
高濃度乳房の場合はマンモ画像全体が白く写ってしまう為、がんの有無が判別しづらい。
(よく「雪山で白ウサギを見つける様なもの」と例えられる)
高濃度乳房の人は「超音波検査」が有効であるが、超音波検査では技術差・能力差が大きくて制度管理が十分とは言えない。
◆J-STRTとは
厚生労働省が行ってる国家的プロジェクト。(日本発の大規模臨床試験)
超音波検査による乳がん検査の有効性を検証する比較試験の事。
(研究対象は40代女性)
・マンモグラフィーのみの検診。
・マンモグラフィーに超音波検査を併用した検診。
を比較試験する。
中間報告は出てるが、明確な有効性が証明されるにはまだ時間がかかる。
◆検診の利益・不利益
本当は異常がないのに「ある」と診断してしまう。
異常があるのに「ない」と診断してしまう。
生命に関わらない乳がんを見つけてしまう。
◆医療者はどんな情報を伝えているのか?
膨大な医学情報の中からその人に必要とされるものを厳選して伝えている。
◆適切な乳がん検診体制作りが急務
ハイリスクの人を適切に別枠で検診を行う⇒遺伝子検査等。
ディスカッション
黒住Dr.⇒K 福間Dr.⇒F 矢形Dr.⇒Y 増田美加さん⇒M 山崎多賀子さん⇒YTで表記しました。
F:検診は国の予算で最大公約数。
遺伝子検査、デンスブレスト(=高濃度乳房)は個別化医療になる。
※以下、デンスブレストと表記。
検診と個別医療を分けて考える。
K:健側の検診も続けて受けた方が良い。
検診と検診の間に乳がんになってしまうケースがある⇒検診の限界?
自己検診(セルフチェック)も大切。
M:デンスブレストを伝えて欲しい。
J-STRTの研究がいかに素晴らしいかを知って欲しい。
患者として知る権利がある。
YT:自分の命を守る為に検診に行っている。
乳がん検診が絶対ではない!と知らなかった⇒100%か0かと思っていた。
「異常なし」はイコール0ではない!?
しかし検診受診者は異常なしは「乳がんではない」と思ってしまう。
デンスブレストである場合はきちんと伝えて貰いたい。
Y:検診は完璧ではない、限界がある。
デンスブレストを知らせたとしてもこの段階では病気ではなく「体質」である。
超音波検査を追加で希望する人は医療機関で「自費」で受ける事になる。
超音波検査に殺到して、本当に受けるべき人が受けられなくなるのは問題。
なのでこの問題は慎重に取り扱わなければならない。
M:デンスブレストを「通知」の方向へ動いて欲しい。
誤解のない様に伝えていくべき。
厚労省が「学会で(一律の通知は)時期尚早との意見がある」と答えたのは寂しい思いがした。
やはりディスカッションでは今、マスコミでもよく取り上げられるデンスブレストの話が中心でした。
私は医療ジャーナリスト増田美加さんと美容ジャーナリスト山崎多賀子さんが主催しているマンマチアのセミナーに参加していて、デンスブレストの事もそこで学びました。
知らされても専門医療機関に予約を取り、自費で超音波検査を受けに行くかはその人次第ではないだろうか?
到底100%の人が行くとは思えないけど「知る」権利はあるし、デンスブレストでありながら「異常なし」という検診結果通知はどうなのか?と強く疑問を感じますね。
そして知らせてる市と知らせてない市に分かれる事で、「知る」権利の格差が生じるのも問題な気がします。
これからの国や市町村の動きに注目です。
ここでひと休み…With Dr.体感会の前に患者会ブースを覗きに行きましたよ
がんカフェブースではCancer's Night以来の蓮華ちゃんと私と同病院のMIHOちゃん、そしてRIEさんに会えました 嬉しい
蓮華ちゃん手作りのストラップを購入
(お薬手帳カバーは既に購入済みなので)
企業展示で色々サンプルをいただいたので重宝しました
併設されてたミニカフェでハーブティーをいただき、疲れ始めてた頭をクールダウンしていざ体感会へ
Dr.福間 With 内視鏡温存手術の体感会
私の主治医でもある福ちゃん。
そしてボランティアスタッフでもあるレモグラちゃんが患者モデルになるというので、応援に行きました。
この企画、レモグラちゃんが提案したんだそうですよ。
それだけに気合入ってました
実は私も内視鏡で手術してるんだけど同術式で手術した人の胸を見た事がなくて、ちょっと気になってたの。
で…やっぱり同じだった。
正面からみたら本当に綺麗で傷も殆ど判らない…けど横から見ると切除した部分の凹みがね…気になるんだよねぇ
亀田はマージン、がっつり取るって言われてるしね。
午前のミニ講演で浅野Dr.が放射線をかけた胸に普通の脂肪注入は定着しづらいから幹細胞脂肪注入が良い、と言っていたけど、どんだけの金額
貯めたところでそれに投入する
「自己満足」の世界だよね~と思い、いつもこの段階で諦めに入る私です。
でもその話は別として、公開の写真を見たら可哀想なくらい酷い放射線皮膚炎だったんだね。
それが今では綺麗な肌に回復していて、これから術式問わず手術放射線療法を予定してる人が見た人の中にいれば、勇気づけられたんじゃないかな。
再建にしても温存にしても「これから…」という人が足を運んでくれたら、「体感会」では実物を見れるし、担当のDr.からの説明も聞けるので治療に向けての大きな力になるよね。
他の「体感会」も好評だったみたいだし、患者目線に立ったナイスな企画だねッ
それにしても福ちゃんが恥ずかしそうに「もう(下着を)着てください」みたいな感じだったのが微笑ましくて、ププッと笑ってしまいました
「乳がんにならない!再発しないために!」
~これから私たちは何を選択していけば良いのか?~
最後の演題です。
・年を取るとリスクファクターが上がる。
・がんの予防としては感染症にかからない⇒ピロリ菌、ヒトパピローマウィルスなど対処する。
・閉経後はエストロゲンの量が減る為、太るからできるだけ太らない様に運動する事。
【Dr.&講師~ひと言~】
福間Dr.⇒F 矢形Dr.⇒Y 黒住Dr.⇒K 唐澤Dr.⇒KS 山崎多賀子さん⇒YT 瀧井信一郎氏⇒T 真織由季さん⇒M 南雲Dr.⇒N で表記しました。
Y:食物のエストロゲン(大豆類)を減らす必要はない。
牛乳・バターを摂っても身体に必要量程度なら良い。
どんなデータを取捨選択するかが肝心。
F:野菜・果物を摂りましょう。
但し、乳がんだけはこれは×という食物はない⇒特効薬はない。
運動をやり過ぎない程度にするべき。
お酒は飲み過ぎない。
K:感染は「炎症」と関係ある。(大腸がん・乳がんなど)⇒マクロファージ(細菌やウィルスが入ってきた時に最前で戦う細胞)が掃除する。
感染の予防方法は特に今はない。
ただ「緑茶」に含まれているカテキンは感染抑制効果があるかも。
KS:乳がんになる事は特別な事ではない。
がんになったからといって、何かを変える必要はない。
再発を予防する方法はない⇒バランスが取れた食事を心がける。
YT:体力が心を支えてくれた(経験談)⇒心と身体は繋がっている。
気持ちが落ちる時があれば自分の今の環境を考えてみる。
楽しい事をやれてる・仕事もできる・晩酌もできる⇒「私は幸せだ!」と叫んでみる。
T:「スクワット」筋トレ。
膝を曲げ過ぎず、お尻を突き出す感じ。
週/2回でも良い(10セット)
コツコツやる・足から腰を鍛える。
膝の痛みがある人は「チェアスクワット」(立って座るだけの繰り返し)でも良い。
M:がんと向き合う姿勢もバランス。
問題を抱えた自分を否定しない。
体からアプローチする事が大切。
「緊張」をほぐす為の呼吸法⇒ゆっくりと長~く息を吐く。
「笑った」と脳が勘違いする。
T:キレイ・カッコイイを目指して頑張って欲しい。
YT:せっかくの人生なんだから「好きなもので集中できるもの」を見つける。
K:日本は圧倒的に病理医が少ない⇒能力の高い病理医を育てていかなければならない。
Y:樋野Dr.の「がん哲学外来」より~
病気けど病人ではない。
1日1時間だけ必死に悩む。
(それ以外は考えない事)
人の為に何かする。
1度しかない命を何かに使う。
何を言ったか?ではなく誰が言ったか?が大事。
N:3倍になったがんを1/3に減らす。
その為には「自分の努力」も必要。
バランス取れた食事が何より大切ですよね。
再発を予防する方法は無いんだから、一度きりの人生を楽しまなきゃ‼︎
室内で手軽にできるスクワットや息を長く吐くという事は実践していきたいし、私の好きなもの・集中できるものを見つけたいな。
前向きな気持ちになれる応援メッセージとして受け止めました。
最後に真織さんが「喜びの歌」を熱唱
さすが「元・宝塚」です。
会場が一体となって盛り上がり
そしてボランティアスタッフの皆さんも入ってエンディング。
参加してくださった先生及び講師の方々に名前入りの扇子をプレゼントして、閉会の挨拶となりました。
いつもこの瞬間に感動して涙ぐんでしまうんだよね。
そしてこの場に参加できてる自分が幸せだな…と感じる瞬間でもあります。
そしてまだこういう場に足を運ぶ事ができないサバイバーさんに何か届くといいな…という思いもちょっぴりあって書いてます
患者会ブースでは素敵な笑顔で迎えてくれた皆さんから温かいパワーをいただきましたよ
関係者全ての皆さん
お疲れ様でした
そしてありがとうございます
当日も裏方のスタッフの方々が走り回って頑張っていたからこそ、溝口さんが安心して司会に専念できたんじゃないかと思います。
勉強家のHろちゃん
普通のセミナーとは違う色んなイベント、楽しめたかな
新幹線で福島から来たhるちゃん
ビックリしたよー
今度来るときは事前に連絡してね
ハートも体も頼もしい福ちゃんと
疲れ果ててたレモグラちゃんと