こんばんは
ローズウッドです。
7月20日(水)マンマチアーのセミナーに行ってきました
講師は
アイレディースクリニック新横浜・院長の入江琢也先生。
基本的な子宮頸がん・体がんについて、また乳がんサバイバーとして気をつけるべき事は何かなどたくさんお話をしていただきました
子宮頸がんと体がんの主な違い
子宮頸がんは子宮頚部と呼ばれる子宮の入り口にできるがん。
子宮体がんは子宮体部にできるがん。
<自覚症状>初期は無症状(頸がん)/不正出血(体がん)
<好発年齢>30~40代※20~30代急増(頸がん)/閉経後の50代以降(体がん)
<組織型>扁平上皮がん80%・腺癌15%・その他5%(頸がん)/腺癌95%・その他5%(体がん)
<リスクファクター>高リスク型HPV感染(頸がん)/肥満・エストロゲン製剤の長期使用など(体がん)
細胞診と組織診の違い
細胞診スクリーニング検査(1次検査)
子宮頚部をブラシでこする。
(子宮体がんの細胞診は子宮の中に細胞や組織を取る器具を入れるので多少の痛みや出血を伴う場合がある)
組織診スクリーニング検査(1次検査)で引っ掛かったらする2次検査(精密検査)
酢酸(お酢)を浸した綿球などを1分くらい押し付けて、白く変色した箇所の組織をとって検査。(頸がんの組織診方法)
いずれも顕微鏡で細胞や組織の形の変化を観察する検査。
CINとは&CIN治療の選択
子宮頚部上皮内腫瘍の事子宮頸がんの前段階(前がん病変)
※子宮頚部異形成とほぼ同義語。
①軽度な異形成経過観察(自然治癒する事がある為)
②中等度な異形成経過観察(自然治癒する事がある為)
③高度異形成・子宮頚部上皮内がん治療(=手術療法)
CIN手術方法
子宮頚部円錐切除術
子宮頚部を円錐形に切除する。
<留意すべき事>
子宮頸管が短くなる為、早産リスクの確率が高くなる。
子宮頚部蒸散術
レーザー光線で子宮頚部の上皮を蒸散する。
<留意すべき事>
がんの状態を把握する術後の抽出見本がない術前の診断を正確にしなければならない。
見える範囲の異形成に適用。
子宮頸がん検査の精度高い検査法HPV検査
HPVとは皮膚や粘膜に感染するウイルス(ヒトパピローマウイルス)
子宮頸がんはHPVというウイルスの感染が原因で発症する事が多い。
子宮頸がんは唯一予防可能ながんで、HPVワクチンと検診を組み合わせるとほぼ100%予防できる。
100種類以上のタイプがあるが、高リスク型のうち16型と18型は子宮頸がんの70%で摘出されている。
HPV検査は子宮頸がん細胞診と同様に子宮頚部をブラシでこする。
(検診目的のHPV検査は保険適用外)
<子宮頸がん細胞診とHPV検査の違い>
細胞診は顕微鏡で細胞に異常がないかを確認する検査。
HPV検査はHPVの感染の有無を調べる検査。
<意義>
異形成が軽度な場合、経過観察か精密検査をするかの判断に迷う場合がある。
その仕分けの為にHPV検査は有用。
乳がんと卵巣がん
乳がんと卵巣がんは遺伝子的要因(BRCA1やBRCA2)で関連することがある。
乳がんや卵巣がんの10%を占める。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群
血液検査で遺伝子を調べて診断。
アンジェリーナ・ジョリーは予防的に乳房と卵巣を切除したが、日本ではまだ少ない。
<卵巣がん>
自覚症状のない「サイレントキラー」と言われている。
※多少お腹が膨れる体格の変化程度。
早期発見には検診が有用。
年1回スクリーニング検査を受ける。
乳がんと体がん
乳がんと体がんはエストロゲン依存性腫瘍。
海外では50才以上で2年以上の長期タモキシフェン服用で体がんに罹患する可能性が2~4倍に増えると言われてる。
子宮体がんは初期症状として不正出血を認めることが多い為、検診を受けることで早期に発見が可能である。
オフィスギネコロジー(産婦人科外来診療が主体の事)にできること
クリニックと病院はできることが違う。
クリニック一般診療と検診
病院高度治療と精密検査
(最後に)入江先生より
婦人科の病気は子供を産む機能を無くす危険性がある。
自らの意思以外で、子供を産む・産まないの自由が奪われない様に診療や検査を受けて欲しい。
Q&A
Q:卵巣がんは通常の子宮がん検診の経膣超音波検査でもわかるのか<質問してみました>
A:経膣超音波検査は有用である。
卵巣に異常があれば必ずわかる。
検診の際に内診と経膣超音波検査を受けて卵巣の状態もチェックして貰おう。
※医療ジャーナリスト増田美加さんより
「卵巣はどうですかと自ら聞く事が大事(卵巣の事に触れない先生もいる為)」
「できるだけ画像を見せて貰いながら説明を受ける事」
実は数年前に夫の従妹(40才)が「卵巣がん」に罹患しました。
やはりこれといった自覚症状は無く
「少し便秘気味。下っ腹がふっくらしてきた様な感じ」程度。
ステージなど詳細なことは不明ですが、結果的には子宮と卵巣の両方を全摘。
ただ検診は受けていなかったそうです。(未婚・未妊・未出産)
なかなか早期発見が難しい卵巣がんですが、検診の機会を有効に利用するのも大切な事ですね。
Q:子宮がんを発見するのにPETはどうか
A:検診としてのPETは有用でない。
経膣超音波検査で異常がわかったら次にMRI・CT最終・手術療法となる。
Q:子宮内膜の厚さについて
A:(閉経後なら)7mm以上あれば厚い。
病気が隠れている可能性がある。
※(入江先生より)アメリカではビタミンE(セサミン)を飲んでいる人は厚くなり易い、というデータがある。
Q:子宮頸がん予防接種を子供に受けさせるか迷っている。
先生の考えはどうか
A:受けた方が良い。(3回接種)
100%予防できるわけではないが、ワクチンを打って検診も受ければ鬼に金棒くらいの効果。
副作用はゼロではない。
諸外国では副作用があっても接種してる。
副作用より「有益性」の方が優ってるから副作用の問題で接種を中止した国はない。
(その為、厚労省としては中止ではなく「積極的な接種の勧奨を差し控える」にとどめている)
Q:検診間隔は半年に一度年に一度
A:どちらが良いか決まってないが、半年に一度を勧める。
耳かきの様なものでかき出すから見つけられない場合もあるので、見逃したくない。
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私はH18年に子宮内膜増殖症の為、子宮内膜全面掻爬術を受けた後、長年、婦人科の治療(ホルモン補充療法)を継続してました。
乳がん罹患後、ホルモン補充療法中止。
現在、乳がん手術後フェアストン内服中の為、半年に一度、婦人科フォローアップ検診を受けています。
内容は半年に一度内診・経膣超音波検査・頸がん検査。
年に一度子宮体がん検査(子宮内膜細胞診)
また同時に内膜の厚さ・筋腫・卵巣の状態も併せてチェックして貰っています。
何度受けても婦人科の検査ってイヤですけどね
少しはわかっているつもりでいたけど、お話を聞いてみて曖昧だった事がたくさんあってとても勉強になりましたよー。
入江先生、ありがとうございました
穏やかな優しい口調の素敵な先生でした