すずらんのAfter the Spotlight

12月21日、映画版レ・ミゼラブルの公開初日。
この21日の金曜の夜に見てきました。


ミュージカル舞台を元にした映画です。
全編ほぼ歌です。帝劇と同じ曲です。
新しい曲が1曲だけありました。
キャストは、演じながらその場で歌っています。



ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン
ジャベール:ラッセル・クロウ
ファンテーヌ:アン・ハサウェイ
コゼット:アマンダ・セイフライド
マリウス:エディ・レッドメイン
マダムテナルディエ:ヘレナ・ボナム=カーター
テナルディエ:サシャ・バロン・コーエン
エポニーヌ:サマンサ・バークス
アンジョルラス:アーロン・トヴェイト
ガブローシュ:ダニエル・ハトルストーン
リトルコゼット:イザベラ・アレン
ミリエル司教:コルム・ウィルキンソン



全体、歌唱力そのものは、舞台役者には負けます。
当たり前です。
でもそれを補う、映画ならではの映像と演技がありました。

以下、すっごくネタバレ。少しあけます。



















舞台よりもリアリズムの追求だった場面。
テナインの裏側でのソーセージ作りやワインの薄め方。
下水道のドロドロな汚さ。ひーっ。


場面や役割が、ミュージカルと映画だと少し違いました。
「I Dreamed a Dream」は、工場をクビになった後すぐじゃなく、
ファンテが落ちぶれて男に身体を売った後で歌います。
テナインからコゼットを連れ出したバルが歌うのが
新曲の「Suddenly」。いい曲でした。
バルのコゼットへの想いと希望が織り込まれていました。
「On My Own」は、プリュメ街のあとのテナによる襲撃未遂の直後。
エポはバリケードの中にもともと居て撃たれます。
バルに手紙を届けにいくのはガブローシュでした。
ラスト、バルジャンを迎えに来るのは、
ファンテーヌとミリエル司教。これは反則技すぎるっ。


舞台ではぼんやりとしていた歌詞が
映像がついて明確になった箇所もありました(個人感想)。
マドレーヌ市長は工場で何故、解決を工場長に任せたか。
エポが歌う、雨の歩道は銀色、はどんな色か。
パリにつくられたバリケードはどんなものか。
市民がどうやって学生たちを見捨てたか。
「カルーセル」で歌われる、並んで寝ていたよ、とは。



全体、大部分はミュージカル舞台を踏襲しています。
えー今回、マリウス役をほぼ初めて客観的に見ましたが、
マリウスってこんなにイラッとする役だったのね……。
あ、マリウスのおじいちゃんが映画にはちゃんと登場します。


「おっ」と印象に残ったのは、バリケード陥落後、
ガブローシュの死体に、自分の胸の勲章をつけるジャベールの姿。
ほかにも、マリウスの手紙を読んじゃうバルジャンとか
パリにいる大きな象さんとか
やっぱり感動しちゃうエピローグの歌とか。


ちょっと心配なのが、歌ばっかりなので、
ストーリーを知らない人がいきなり見てストーリーを追えるかどうか。

でもやはり、レ・ミゼラブルの歌の力は素晴らしかったです。