1984 8月号 No.45
●シャーマンは永遠の生命をめざす！！【第1章】
【シャーマンの鳥になる体験 呪的飛翔】
世界中に、シャーマンと呼ばれる不思議な力を、もつ人たちが存在して
いる。
シャーマンという言葉は、元はシベリアのツングース族の『サマン』から
きていて、日本語だと巫女（みこ）が、いちばん近いでしょう。
巫女に近いですが、シャーマンには男性も女性もいます。
本来は、東南アジアからシベリアに住む呪術師だけを指す言葉でした
が、世界中に似た人たちが存在するので、一般的に広く使われていま
す。
彼らはトランス状態に入り、魂が肉体から離れ、鳥になって空を飛び、
夢の世界で力を得、体内で灼熱のパワーを感じるといった不思議な
世界を体験する。
未開の民族のイメージがありますが、神秘体験などから見ると、仙道、
ヨーガ、チベット密教といった発達した神秘行といくらも違わない共通
点があります。
シャーマンの能力のうちの一つで、魂が抜けだして鳥のように天空を
飛ぶ状態があります。
シャーマンは儀式により忘我の境地に入り、鳥になり、天界や地界、
精霊の世界へと旅をする。
学者たちは、この儀式を『 呪的飛翔 』と呼んでいます。
この『 呪的飛翔 』はブリヤート、エスキモー、シベリア、アメリカのイン
ディアンなど多くの民族によって行われています。
シベリアのツングース族が『 呪的飛翔 』を行う際の儀式の様子を、人
類学者や宗教学者が描いています。
羽根飾りをつけたシャーマンが、天界や地界の道筋が描かれた太鼓を
もち、村人に旅を行うことを告げる。
太鼓を叩き、歌いながら舞う、そして忘我の境地へと入っていく、シャー
マンは一面、星が輝く闇の世界に入りそこから、精霊の住む世界へと到
達します。
彼らによれば、重要な役割をはたすのが、太鼓で、太鼓には太陽、月、
星、動物、精霊のほか、様々な線が描かれている。
ブリヤートのシャーマンが語るには、太鼓を叩いて舞っていると、周囲の
ものがすべて消えていき、太鼓の絵だけが迫ってくるという、やがて拡がっ
てきて、自分がその中に入っていくと語っている。
これは 曼荼羅 、 西洋魔術 の生命の樹と同じ目的をもったものだと、
考えられる。
シャーマンが儀式の際、歌を歌いますが、これも魔術の呪文や、密教の
真言を唱えることと同じ意味で、違いはないように思えます、トランスす
ることにより、通常の意識状態ではない、より深い意識状態となり、パワ
ーを発揮するのでしょう。
アメリカのインディアンなどには、鳥の羽でできた翼をつけ、鳥の仮面を
かぶり儀式を行う種族もいまが、
飛んで移動するといった『キーワード』が共通していて、これは、
『 呪的飛翔 』はシャーマンがトランス状態になり、一種の幽体離脱をし
ているのだといわれます。
一種というのは『 呪的飛翔 』は鳥に変身して飛ぶという例が多く、私
たちがイメージする、幽体離脱とは少し違うのかもしれません。
鳥に変身して飛ぶ、が多いが、人間の体の状態で、雲に乗って飛ぶと
か、滑空するといった報告も少なくないらしいです。
『 呪的飛翔 』とは違いますが
瞑想を長い期間していると、これに近い映像を見るようになります、私
が瞑想が深くなったときに、見る映像も歩く、といったことは一度もないです。
見るのは夜が多いですが、これは副交感神経の活動している時間帯
が見やすいのでしょう、特徴として人に出会うことはなく、飛ぶというより、
滑る感じですね、滑空という言葉がピッタリです。
景色も精霊の世界といったものではなく、記憶にない町中を、台車か
何かに乗っている高さで、移動していくことが多いです。
白黒なので夢に近いものだと思われます。
しかし、見ている最中は意識は曖昧だが、目覚めようと思えば、自身の
意識で、目覚めることができる意識状態です。
飛んでいるときに、降下するとジェットコースターのような、無重力やマ
イナス重力といった、体が軽くなってふわりと浮く、あの感覚も体感でき
ます