●中国仙道の‟気”と武術の‟気” その3 | 第三の眼

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1987 11月号

リレー連載 気と武術  

中国仙道の‟気”と武術の‟気” その3

‟気の武術”のスーパー練功法

 

 

武術(うーしゅう)での、連載も最終回。

 

中国仙道の‟気”と武術の‟気” その1

中国仙道の‟気”と武術の‟気” その2

 

この、二回での武術的な気については、硬気功的なトレーニングが

紹介されているが、これは、内家拳系の人たちがなかなか、ポイント

を語ってくれないところにある。

 

今回は武術における、気の発射法を中心に書かれている、まず、

一般的な武術的な気の練り方だが、強い呼吸に合わせて、腕を

ひねりながら振るわせ、伸ばしたりもどしたりを繰り返す。

陳増顔(ちんぞうがん)、張白言(ちょうはくげん)、硬気功をやって

いた人たちも、このような動作を共通して行っていた。

 

高藤さんもこれを教えてもらいやってみると、

異常に強い気が腕から手にかけて通るのが感じられた。

始めは、腕や手だけといった感じだったが、長いことやっていると、

胴体の筋肉と腕の筋肉がつながったような感じになり、強く息を吐

きながらグーと下腹を凹ませていくと、そのまま下腹から気が腕の

末端へと流れていくようになっていった。

 

さらに、指の一本、一本(厳密にいうと人差指、中指、薬指は、三本

いっしょに鍛錬する)を、同様に鍛えていく方法に入ったら、腕の筋肉

が、いくつかの筋に分かれ出したので驚いた。よく観察すると、それは

経絡でいう手の六経に一致しているのである。同時に胴体のほうにも

独特の筋肉が現れ、肩、胸、腹、などは、気を通すとひとつのつながり

のように見えだした。

 

硬気功の人たちからいわせると、この状態にして打撃をはねかえすの

だという。これについて、欠点があり、動きがゆっくりなため、瞬発的な

攻撃がくりだせないことだ。

 

攻撃用として鍛錬する場合は、樹木や壁といった硬いものに、手をうちつ

けて瞬間的に、強い気を出す訓練をしていく必要がある。

 

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中国伝来のものらな何でも気でかたづけようという風潮がある。

これは、いささか乱暴な発想と思える。

この発想は、気の質の違いという点をまったく無視している、拳法と治療で

使う気が同じ質のものであるはずがない、気を感じられるようになれば、そ

れを使って相手をふっとばすことができると期待している人がままいるが、

これは、滑稽な発想と、この記事で言っている。

 

高藤さんに言わせれば、仙道の内功的な気と武術的な気は、まったくの別物

といっていい、体験したから、はっきりと分かるとのこと。

 

台湾で武術を習ったと時、仙道で鍛えたはずの気が、への役にも立たなかった。

気の感じがわかるが、それを手や腕に送って集中させていても、彼らの発する気

のパワーにまったくといっていいくらい太刀打ちできない。素人と玄人の差そのも

のなのである。

 

武術の気は、ある種の筋肉の力がともなっている、これに対して、仙道の気は、

感覚が敏感になることにより、気が強く感じられるようになっていくだけのこと。