ショートシナリオの館

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気ままに会話形式を中心としたストーリーを書いています。

 

5月~6月に出荷の最盛期を迎えている鉾田市特産のメロンをPRするキャラバン隊の活動が報道されていました。県によると、県内のメロン産出額は約130億円(2022年)で現在も日本一を誇り、その内、太平洋に面する鉾田市の生産額は約75億円(58%)を占め、全国の市町村別ランキングで9年連続国内トップです。この時期は県も一緒になって「ハッピー・メロン・シーズン」と題して、県内外でイベントが多く開催されます。茨城県のメロン栽培は、昭和37年に、この鉾田市と県西部に位置する八千代町でプリンスメロンを導入したのが始まりで、その後、アンデスメロンなどが普及し、昭和63年には約8tを生産するピークに達しました. メロンの育成には水はけの良い土地と温暖な気候が欠かせません。茨城県はその条件に恵まれています。産地では、温室栽培、ハウス栽培、露地栽培などで春から秋の長期にわたり、多品種なメロンが栽培されていて市場に供給されています。まだ寒い時期に植えられた苗は、霜にあたらないよう大切に保温され、春先に花を咲かせます。ミツバチによる受粉の後は、余分な果実を取り除いたり(摘果)、大きくなってきた果実の下にマットを敷いたり、実をつけてから収穫するまでの2ヶ月間は、きれいにネット(網目模様)を出すために、よりきめ細かな管理が必要で、生産者は外出もままならぬほどです。過去に鉾田市のメロンを紹介していますが、今回はメロンに関する雑学を交えて、県内で生産されているメロンの品種を中心に紹介します。 

 

<世界のメロン生産量ランキング> 2021

メロンの生産量は中国が全体のおよそ半分近くとなる約1401万トンを生産しています。

1位 中国 1401t (49%)2 位 トルコ 1638,638t( 5.7)3 位 インド148万t( 5.2)4位 カザフスタン 140t (4.9%)・・・22位が日本でした。

 

<国内のメロン生産量ランキング> 2021

1位は茨城県     40,200t(31)2位は熊本県   22,100t(18)3位は北海道   21,700t

(16)4位は山形県11,000t(8)でした。

メロンの日本一はどこ?と問われると夕張メロンで知名度の高い北海道が多いと思うのですが、国内ではこの20年間にわたり、茨城県がメロンの生産量日本一です。茨城県のなかでも特に鉾田市(ほこた)はメロン生産の中心地です。

 

<メロンとはどんな果物なのか>

メロンはウリ科の果物で、植物学的には野菜に分類されますが、一般的には果物として食べられています。メロンは水分やカリウムを多く含んでいます。夏場に食べれば身体を冷やし、熱中症の予防にもなります。香り高く、ジューシーで品のある甘さが特徴です。メロンは網目の有無によって、ネット系とノーネット系に分類されます。メロンは春から夏にかけてが最も美味しい時期で、出荷量も最大です。アンデスメロンやアールスメロンなどが有名です。アンデスメロンは5月~6月頃に旬を迎え、小ぶりでマスクメロンのような甘さが特徴です。一方、アールスメロンは5月~10月頃までと収穫時期が長く、立体的な大きな網目模様とみずみずしく甘い果肉が特徴です。

 

<メロンの品種>

メロンの旬は春~夏にかけてです。 4月頃熊本県産の春メロンからスタートし、5月頃から関東、7月頃には東北や北海道というように、品種や産地によって少しずつずれて出回ります。メロンが店頭にもっとも多く並ぶおいしい時期は67月です。でも、贈答用のマスクメロンは、温室栽培されるため、通年で出回ります。

メロンの皮の網目は、果肉が肥大するときに皮がはじけてヒビができ、そのヒビがかさぶた状になったものです。メロンの品種はこの網目の有無と果肉の色で分類されます。

 

1.ネット系:濃厚な甘味で香りが強いものが多く、マスクメロンのようにひと株に1個を育てる高級品種もあります。

①赤肉種・・・夕張メロン、クインシーメロン、ルピアレッドなど

②青肉種・・・マスクメロン、イバラキング、アンデスメロン、アムスなど

③白肉種・・・グランドール、新芳露(しんほうろ)など

2.ノーネット系:比較的安価な品種のものが多いのが特徴。お手頃ですが、甘さがしっかりあるものも多いです。

プリンスメロン、ホームランメロン、マーブル、ハネデューメロンなど

 

<メロンの豆知識>

1. メロンの名前の由来: 「メロン」の名前は、ギリシャ語から派生しています。これ

     は「果物」を意味しており、古代ギリシャでメロンが愛されていたことを示し

  ています。

2. メロンの歴史: メロンは紀元前2000年ごろから栽培されていたとされています。古代エジプトや古代ローマでも人気のある果物でした。

3. メロンの形状: メロンは球形や楕円形、長方形などさまざまな形状があります。特に日本の高級メロンは完璧な球形をしていることで有名です。

4. メロンの花言葉: 「裕福」「潤沢」「豊富」「多産」です。つるを伸ばしてどんど

   ん生長して黄色い花を咲かせ、たくさんの豪華なメロンを実らせる姿からイ

   メージして付けられたのではと言われています。

5. メロンの栄養:

① ビタミンC: 免疫力をサポートし、抗酸化作用があります。また、ビタミンC

       シミやシワを防ぐ効果も期待できます。

②ビタミンA: 視力の維持や皮膚の健康に役立ちます。

③カリウム: 高血圧予防や心臓の健康に関与します。

β-カロテン: メロンにはβ-カロテンが含まれており、これは身体の中でビタミン

       Aに変換される栄養素です。ビタミンAは暗い場所で視力を保つ効

       果が期待されています。また、抗酸化作用もあるため、肌荒れや

       動脈硬化の予防にも役立ちます。

メロンはビタミンCやカリウム、食物繊維を豊富に含んでいます。美味しいだけでなく、栄養価も高いフルーツでありながら、低カロリーでヘルシーな果物なのです。

6.メロンの甘さ: メロンは糖度が高く、甘さが特徴です。特に赤肉系のメロンは、糖度が高いため、ジューシーで美味しい果肉を楽しめます。

7.メロンの香り: メロンは香りが豊かで、食べごろになると甘い香りが漂います。香りを嗅いで食べ頃を判断するのも楽しみの一つです。

8.メロンの保存方法: メロンは冷蔵庫で保存すると美味しさが保たれます。切った部分はラップで包んで冷蔵庫に入れ、できるだけ早く食べることをおすすめします。

9.店頭で美味しいメロンを選ぶ方法は?

①網目がクッキリ盛り上がっていること:網目がクッキリとキレイに盛り上がっているメロンは、順調に成長した証拠でもあります。

②形が左右対称できれいであること:バランスの良いメロンは、味にばらつき

  がなく安定しています。いびつな形をしていると、食味が劣る可能性があ

  ります。

③ずっしりと重いこと:重量のあるメロンは、果肉がしっかり成長し、果汁豊富

  な証拠です。店頭に並ぶメロンを持ってみて、重たい方を選ぶといいで

  しょう。

10.マスクメロンと アールスメロンの違い:

マスクメロンはアールスメロンの中でも「香りも甘味も強いメロン」を指

します。

 

<茨城県で生産されている主力のメロン品種>

茨城県では、「マスクメロン」や「アンデスメロン」のほか、オリジナル品種の「イバラキング」、春一番にできる「オトメ」、オレンジ色の果肉の「クインシー」など、多様な品種が栽培されています。また、一世帯当たりのメロンの年間購入金額・購入量でも1位となっているそうです。

 

1. イバラキング: 茨城県農業総合センターが育成した緑肉のメロンです。 5月上旬か

    ら出荷が始まり、さわやかな甘さと肉厚でなめらかな口当たり、きめ細や

    かでジューシーな果肉が特長です。

2. オトメ: アンデスメロンに先駆けて4月ごろから出荷され、糖度が高く、さわやか

    な甘さと美しいホワイトグリーンの果肉が特徴です。

3. アンデス: 厚い果肉と豊かな香り、甘さにコクがあります。細かい網目が美しく、

    値段もリーズナブルで人気です。

4. クインシー: まろやかな甘みとなめらかな舌触りが楽しめ、美しいオレンジ色の果

    肉を持ち、βカロテンを多く含有しています。

5. タカミ: 果肉は緑色で糖度が高く、さわやかな甘みがあります。日持ちがよく、

    スーパーでもおなじみです。

6. アールス(マスク): 見た目は美しく、肉質、味、芳香いずれも最高。秋メロンと

    して知られています.

 

これらのいばらきメロンは、恵まれた土地で愛情を注がれて育ち、しまった果肉と

豊かな風味に富んだ、おいしいメロンとなっています。近くのお店で見かけたら、

ぜひ手に取ってみてください!

 

<茨城県のメロン栽培>

茨城県産メロンは4月~10月にかけて、アンデスメロン、クインシーメロン、タカミメロン、アールスメロンなどさまざまな品種が出荷されますが、出荷量の最盛期は6月です。特に、オリジナル品種のイバラキングは大きめの形となめらかな口当たり、とろけるような甘さが特徴です。5月上旬から6月下旬にかけて旬を迎えます。
 

(栽培方法)

(1)温室メロン:ガラスの温室で栽培

(2)ハウスメロン:ビニールハウスで栽培

(3)露地メロン:施設を使わず、トンネル状にビニールで囲んだ大地の上で栽

         培

温室メロンとハウスメロンは通年で栽培・出荷されていますが、露地物は4月頃から収穫が始まり、57月にかけて出荷量とおいしさの最盛期を迎えます。

 

メロンの産地は全国にあり、旬の時期は気候が温暖な九州地方から関東、東北、北海道へと北上していくため、産地や品種によっておいしい時期が少しずつ異なります。

メロンの栽培には昼夜の気温差があることと水はけの良い立地が重要な要素ですが、茨城県は条件に恵まれており、特に鉾田市、八千代市、茨城町は国内有数の出荷量を誇ります。

 

<茨城県で春に収穫される代表的な品種は次の3つ>

1.イバラキング:高級アールス系のメロンと多種多様なメロンを掛け合わせ、10年の歳月を経て誕生したのが、茨城県のオリジナル品種であるイバラキングです。上品な甘さと香り、きめ細かな果肉で、「茨城のメロンの王様」の名に恥じないおいしさです。通常のメロンより1割程大ぶりなのも、王様らしい印象。出荷は4月~10月ですが、出荷のピークは5月~6月。比較的長く楽しめます。

2.オトメ:茨城県の大島種苗店とタキイ種苗が共同開発し、2000年に出荷が開始

   された品種。春にできるメロンで、茨城県では最も出荷時期が早く、旬は4

   中旬~5月中旬です。果肉は白みがかっていてやわらかく、果汁をたっぷり含

   んでいます。後に残る甘さが少なく、すっきり爽やかな風味が特徴。

3.アンデス:サカタのタネが1977年に開発したネット系青肉メロンで、今も根強い人気を誇ります。オトメと同じく春メロンの代表格で、5月上旬~6月下旬が最もおいしい時期。コクがあり、香りが豊かです。
 

  夏から秋にかけては青肉の「アールスメロン」が中心になります。

 

<メロン農家のこだわり>
 

 メロンは実を売る商売。良い実を育てるには、何より、「大きい葉」を作ることが大事なのだそうです。「葉と実の良さはだいたい比例してきますから。丈夫な樹が大根のようにしっかりとした根を張らせ、サトイモのように立派で大きな葉を付けることができれば、十中八九良いメロンになります。」その、大きな葉を作るには、たい肥と有機質肥料の分解速度を考え、与える時期とタイミングが大切なのだそうです。

また、もうひとつのこだわりが、収穫時期で、「葉の先がカリカリになってくると、メロンが熟し始めた証。それから45日収穫を我慢すると、今度は葉がチリチリになってきます。そこでメロンのお尻を見ます。おしりが少しヒビ割れて、実がパンパンになったところでやっと収穫します。メロンは収穫後も果肉が追熟し柔らかくなります。しかし糖度は収穫してしまったらそれ以上は上がりません。柔らかくなると人間の舌の感覚で甘くなったように感じるのですが、実際の糖度は収穫した時に止まってしまうのです。やっぱり甘いメロンを食べて欲しいですからね。限界まで糖度を上げることにこだわっています」これがメロン農家さんのこだわりなのです。

 

<ごまかしが利かない。光センサー選果場>

 JA茨城旭村では、平成15年に、光センサーによる選果を行う『光センサー選果場』を導入しました。光センサーにより瞬時に「糖度」と「水浸度(実の中に含まれる水分量)」を測ることができるため、JA茨城旭村のメロンは全体の味の統一が図れるようになり、「まちがいないメロン」を消費者に届けられるようになりました。しかし、光センサー選果は農家泣かせの一面もあるそうです。「ごまかしが利かないんですよ()。光センサーはかなり厳しい目を持っているので、基準に満たないとすぐに除かれてしまいます。」しかし、生産者のメロン作りへの追求心は以前より上がったことも事実なのだそうです。

 

ハウスメロン農家では、北風の冷たい12月にメロンの種まきを始めます。1月に定植。ビニールハウスの中では、メロンの苗がしっかりと根を張る為の土づくりがされ、内張りやカーテントンネルの多重被覆により保温の準備万端です。この地域のメロン栽培は無加熱栽培!地熱を利用し太陽の光を取り入れ温度を保ちます。大地とお日様の恵みたっぷりの美味しいメロンが育つ最高の環境を整えています。脇芽は手でひとつずつ取り除きます。これは玉の出来に関わる大切な作業の一つです。苗の根っこがしっかり張ることで、大玉で甘いメロンが育ちます。ツルが絡まないように脇芽を摘んだらきちんと向きを揃えてあげます

収穫されたメロンは選果場で、担当者が傷はないかどうかなどひとつひとつ確認したあと、メロンは光センサーを使って糖度や大きさなどが選別され、機械で次々と箱詰めされます。

JAによりますと、ことしは3月に気温の低い日が続いたことから、当初は小ぶりなものが多かったが、今後、天候が安定し、気温が上昇すれば、例年通りのメロンが出荷される見通しだということです。

 

(生産者に聞く! イバラキングメロン栽培の魅力とは?)

県特産のイバラキングはアールス系の系統が濃いため、アンデスメロンと比べると成育にクセがあり、ネットの形成も条件によっては太く粗いネットが発生しやすいことから、今までのメロンづくりの常識や技術、管理では見た目や味の良いメロンが出来ない難しさがあるんです。甘さ、味、形、ネット…と、自分が思う理想のイバラキングにならないんですよね。収穫の時にいかに美味しいメロンに仕上げるかが勝負かな。

収穫するまでに気をつけていることは「一棟ごとのハウスの中でメロンの出来具合を均一にすること!」簡単に出来具合を均一にすると言ってもハウスの建つ向きが違えば、日照時間も変わる。冬場などは特にハウス内の温度差が出てしまいます。温度調節のために換気の幅を調節します。およそ40棟も見回り、天候が変わればすぐに見回る。「過保護に育ててあげるんですね。」の問いに「過保護にばかり育ててないよ。時に厳しく育てないと根っこが育たないからね」と、にっこりと応えてくださいました。優しく厳しいお父さんにたくましく愛情たっぷり育てられたイバラキングは、美味しさがギュッと詰まっています。

 

皆さんがご存じのように、メロンは収穫してからも熟(追熟)します。収穫日から37日で食べ頃になりますが、保管場所の状態や気温などで熟成が変わることがあります。保存は常温がおすすめ。食べる前に23時間冷やすとさらに美味しくなります。サクッと硬めがお好みの方は少し早めに、柔らかくジューシーなものをお好みなら少し遅めに。ご自分のお好みでお召し上がりください。

 

一押しのイバラキングは大きめの形となめらかな口当たり、とろけるような甘さが特徴です。5月上旬から6月下旬にかけて、出荷のピークを迎えます。

 

是非、茨城県産のメロンをご賞味あれ!