小嶋社長やっと逮捕…マンション転々、コンビニ弁当

 

喚問で使った「証言を控えさせていただきます」作戦はもう通用しない
喚問で使った「証言を控えさせていただきます」作戦はもう通用しない
 耐震強度偽装事件で、マンション販売会社「ヒューザー」(東京都大田区、破産手続き中)の社長の小嶋進容疑者(52)に対し、警視庁合同捜査本部は17日午後、神奈川県藤沢市のマンションについて、偽装を認識しながら販売したとして、詐欺容疑で逮捕した。

 調べでは、小嶋容疑者は昨年10月下旬、自社で開発したマンション「グランドステージ藤沢」について、元建築士の姉歯秀次容疑者(48)=建築士法違反ほう助容疑で逮捕=らから耐震強度偽装を通知されながら、欠陥物件の引き渡しなどを行った疑いが持たれている。

 捜査は押収した証拠の検証に膨大な時間を費やし、事情聴取の対象となる関係者も多人数だったことから、“長期戦”となった。姉歯容疑者や、確認検査会社 「イーホームズ」前社長の藤田東吾容疑者(44)らは“別件”ですでに逮捕されていたが、捜査本部は一部の業界に蔓延(まんえん)していた詐欺の実態解明 を目指していた。

 小嶋容疑者はこの間、テレビやマスコミにたびたび登場。「オジャマモン」を自称して世間の失笑を買う一方、国会の参考人質疑では藤田容疑者に「何言ってんだよ~」「バカヤロー」と暴言を吐くなど、特異なキャラクターが注目を集めていた。

 一方、合同捜査本部は17日、「木村建設」(熊本県八代市、破産)が奈良市内のビジネスホテル「サンホテル奈良」の偽装を認識しながら、工事代金を受け取った疑いが強まったとして、同社社長の木村盛好容疑者(74)=建設業法違反容疑で逮捕=を詐欺容疑で再逮捕する。

 常に騒動の渦中にいた小嶋進容疑者に、ついに本格的な捜査のメスが入った。小嶋容疑者はお縄になる直前、スポーツ報知のインタビューで、マンションを転々としながらコンビニ弁当を食べる毎日を激白。一方で、自らの無実への確信は、少しも揺らいでいないようだ。

 「マスコミに追い回され、市民権を奪われた。破産までさせられて、生きているのが不思議なくらい」

 小嶋容疑者は破産以降の日々を振り返った。家族は離散状態。「娘は26歳の結婚適齢期だが当分縁談はない。ひと思いに死んだほうがよっぽど幸せだった。死ぬ以上の苦しみがあったことを知った」と語った。

 しかし、事件については、「姉歯という能力のない男と、(イーホームズの)藤田という大うそつきと国交省の正義感のない役人が輪になって、私を大悪人に 仕立てあげた」と相変わらずの他人事。故郷の宮城県に残した母親(78)を訪れ「必ず罪は晴れる」と宣言したことを明かした。

 さらには「5時間の(警察の)聴取のうち4時間55分を私がしゃべった。独演会」と自慢したうえで、「小嶋の復権イコール、ヒューザーの復活」と怪気炎を上げていた。


 自らを最大の被害者と言った小嶋容疑者がついに逮捕された。本当にやっとという気持ちである。本人が言っているように仮に偽造のことを知らなかったとしても、そのような可能性がないか徹底的に情報を管理しなかった小嶋容疑者にも責任は大きくある。

 今後も小嶋容疑者の取調べに対して、どのような情報が出てくるのか気にかけていきたい。


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