彼が「リングを買おう」と言い出した

欲しいシルバーアクセサリーがあるらしい

二人で一緒に揃えようと提案してくれた


自分で買えばいいのに

自分の自由になるお金をたくさん持ってるはずなのに


いつも頑張っている私にご褒美と称して

家のお金で買ってくれるそうだ


家のお金なんてほとんど

私が働いて貯めたようなものなのに


私に感謝してるなんていうのも可笑しい話

去年はイベントなんて無かったようなものだ

誕生日も記念日もクリスマスもホワイトデーも

私はいつも一人でケーキを食べていた


だって彼はいつも深夜まで家に帰ってこなかった

カード明細からその日はキャバクラに行ってた事が発覚したこともある


後日ゴハンを食べに行っても支払いは私だった

近所の店に一人だけ自転車に乗って行ったり...


彼が私との将来を前向きに考えていてそう言ってるなら

私も考え込んだりしない


彼は私に「離婚しよう」と言った

その彼が「一緒にアクセサリーを買おう」と言う


意味が分からないので聞いてみた

離婚って言ってるくせにそんなこと意味あるの?


同じじゃなくて違うヤツを買えばいいやん




コイツは本当にバカだと思った

夜の11時30分

今日は遅くなるので終電に間に合わない

 迎えに来てくれるか?


行くと答えた

別に30分もかからないところに迎えに行くぐらい苦ではない

一応まだ家族

迎えに行くくらい普通のことだ


言われた時間より遅めに行った

彼は“時間の読み”が上手くないから

時間通りに行っても絶対に出てこないと思ったから


その言われた時間から1時間過ぎた頃

仕事着の彼が車の窓をコンコンと叩いていた


まだ時間がかかるらしい

そして私はどうやら寝ていたらしい


仕事着の彼を久し振りに見た

何故か安心した


あぁ彼は一生懸命働いている

一生懸命な彼のことが大好きだった


そしてまた私は寝た


またコンコンと彼が車の窓を叩いていた

時間は深夜2時半

やっと終わったらしい


深夜まで一人で仕事をしていた彼と

夜中に呼び出されて2時間待った(寝てた)私


昼間に裁くことが出来ない仕事に深夜までかかるのはなぜなのか?

体制?個人のスキル?無理難題?


きっと彼は待ってた私よりも

仕事をしてた自分を自画自賛していのだろう

「俺ってすごい」とか思ってるのだろうか?


素直にお疲れ様と言えない私に問題があるのか?

浮気を疑う私に名誉挽回とでも考えているのか?

そして次の日の朝

彼はまた6時半に出て行った

今日も多分深夜を過ぎるまで帰ってこないだろう

そう思うのはいつものこと

でも彼の仕事は今は忙しいから

ひょとしたら今日は仕事かもしれない

まだ一生懸命働いているのかもしれない

帰ってきて

食べるのも無いなんてあまりにも不憫だ

いつもそう思ってゴハンを作っても

食べてくれることはないからな...

さぁ今日はどうしようか

そう思っているとメールがあった

ゴハン食べて帰ります

あぁそうですか

おつかれさま

ゴハン作ってなくってよかった

発見してしまった


上着のポケットから



ラブホテルのライター



最低だ と思った




多分そうだと思う

だって繁華街の駅前にド~ンとでっかくあるホテル


私が彼とソコに行ったことがあるのは結婚前のこと

その頃から今に至るまで使い続けているライターには見えない


そういえば昨日帰宅したとき

不自然なくらいに目を合わせなかった

挙動不審に思えるくらい



そういうことか...



一人で遊びにいけるところでもないし

そこで働いてるわけでもないだろうし



そういうことなのか...



ショックと言うより予想通りって感じ



ケガワラシイ

キモチワルイ



そっちに直で結びつく私の思考が

彼からすれば重荷だったり潔癖に思われたりするのだろう


やっぱりもう無理なのかもしれない

私自身が少しずつ

「離婚しよう」という気持ちになっていっているのかもしれない


彼の嫌な部分ばかりを探そうとしている


彼は今だに私の両親に新年の挨拶をしていない

気にならないのだろうか?


年末に私の実家へ行った

彼の仕事は元旦の早朝から始まるために

年が明ける前に家に帰った


だから気にならないのかもしれないけれど...


その後、私は実家と出かけていて

同じく実家に帰っていた彼の元に

私の親に送ってもらった時のこと


玄関先で新年の挨拶をする双方の親たち

そのときも

彼は出てこなかった


家の中に入るとそ知らぬ顔でゴハンを食べている


そんなものなのか?

私が固すぎるのか?

私が「母に送ってもらったよ」って呼びに行けば良かったのか?


彼が私を実家まで迎えに来てくれてもいいくらいだと思っていた

母が「失礼します」と帰っていく後ろ姿を見てとてもせつなくなった

ごめんね お母さん

一人で帰してごめんね


何故そんな風に思ったのか今でも分からない