2024.5.10(金)


13:00すぎ

退院後は自宅に赤ちゃんと一緒に帰ってきた。


長男に赤ちゃんのことは夫から既に説明済みとのこと。



私から長男に


『赤ちゃんに会ってみる?』と聞いてみると、


『今はいい』と答えた。


赤ちゃんに会う会わないは長男に任せるところなので、一旦赤ちゃんは一階の私と長男の寝室に寝かせた。(保冷剤はしっかり敷きました)


長男は寝室の様子は気にしていたが、

部屋へ行くことはなかった。



火葬はもう明日の朝に迫っている。


家では3人で折り紙をたくさん折った。

鶴、クローバー、長男からの手裏剣。

ひとつひとつ気持ちを込めた。


棺に入れるお花も用意する必要があったので、

買い物に出掛ける。

赤ちゃんに声を掛け、お留守番してもらった。


普段、ほぼ花を買うことがなかったので

車で行ける花屋さんを探すのに一苦労。

ようやく駐車場のある花屋さんにたどり着いた。


お花は、


かすみ草、

ピンクとオレンジのカーネーション


を数本選んで買った。


母の日が近かったからか、

カーネーションが沢山売られていた。


赤ちゃんのママでもある私は複雑な気持ちだ。

ママなのに赤ちゃん見捨てたんだな…と。

あたしに母の日なんて資格はないな。

また、気持ちが落ち込んだ。



この日はもう疲れていて

夕食はお弁当を買って帰宅後に食べた。

改めて

こんなに辛くてもお腹が空くんだなと思った。



20:00すぎ

長男はもう寝る時間。

具合も悪かったので早めに寝かせたかった。


長男に


『寝室にいる赤ちゃんとママは一緒に寝たいけど、 どうかな?』


と聞くと、


 『いいよ』


と返答があった。


会ってみる?、と聞くと、会うという。

長男は緊張しているようだった。

初めはかなり遠巻きに赤ちゃんをみて、

『ちっちゃいね』

と、素直な感想を言った。


私が真ん中で、

長男と赤ちゃんに挟まれるかたちで

長男を寝かしつけ。

薬も飲んでるので長男はすんなり寝てくれた。


長男が寝た後、私はリビングに移動。

夫と話す。

まずは

私の気持ちを考えて葬儀社を使わずに自分達でのお見送りにしてくれたことへの感謝を伝えた。


夫は区役所での手続きが精神的にもかなりこたえたと言っていた。

具合の悪い長男を抱っこしながら、

死産という説明をするのも辛かったし、

区役所の人もどう対応しようか困っていたよ…、と、言っていた。

確かにそうだよね。

私だって今振り返りを書いているけど、

いまだに人に『死産』というだけで、

涙が出てくる。


改めて

夫にはとても感謝している。

夫がいなければ、

この手続きをしてくれなければ、

出来なかったことだ。


その後も夫とは少し話したが、

よほど疲れていたのかそのまま眠ってしまった。


私はリビングに1人でいた。

身体は疲れているけど眠れる自信はない…。

モヤモヤとした気持ちでいると

寝室から一瞬泣き声が聞こえた気がした。

慌てて寝室に駆けつける。

でも長男はぐっすり眠っている。

そもそも長男が泣く声ではなかった。

でも、絶対気のせいなんかじゃない。


もっと小さい子の泣き声…。

赤ちゃん、、、

もしかしてママが近くにいなくて寂しくて呼んでくれたのかな?

私はそう信じることにした。



そのあとは

赤ちゃんを抱っこして、子守唄を何回か歌った。

涙がボロボロ溢れ出てきて、歌ではなくなっていたね。


眠れなくても、そばにいたいと思った。

あたしの左側には長男、右側には赤ちゃん。

2人に挟まれて私は眠る。変形の川の字かな。


今日が最初で最後の夜だ。

夜中も何度も目が覚めて

その度に赤ちゃんのことを確認した。


私を2人のママにしてくれた長男と赤ちゃん。

幸せなひとときをありがとう。


この夜のこと、絶対に忘れないよ。