カール・ウエーバー編「フードインク ごはんがあぶない」を読みました。

 

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桐村里紗さんの著作「腸と森の土を育てる」に、映画「フードインク」についての記述がありました。私はその映画を観たことがなかったので、さっそく映画「フードインク」をDVDで視聴。関連書として、本書も購入して読んでみました。

 

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映画では、アメリカでの食品製造が大規模に工業化されている様子がショッキングに描かれていました。牛や鶏などの家畜がぎゅうぎゅうに詰め込まれ、歩くことさえままならないまま、丸々と太らされています。そんなお肉たちが人間の体に良いはずはないです。

 

映画の最後には、わたしたちがどう行動していったらよいかのメッセージがありました。

本書によって文章で頭が整理できて、復習になった感じがします。

 

家畜が食べるもの、家畜の飼育環境

 

工場式の農場の経営者は、家畜の成長を促進し、生産コスト全体を低く抑えるために家畜の食べているものを管理する。

 

・過密で不衛生な状態での病気の発生を回避するため、少量の抗生物質を家畜の飼料や水に混ぜる。

・米国の工場式農場では、肉牛の成長と乳牛の牛乳生産を促進するためにホルモンを使用している。それらが投与された動物の肉に含まれる残留物は、人体のホルモンバランスにも影響を及ぼし、生殖に関する問題や、乳がん前立腺がんなどを引き起こす。

・ぎゅうぎゅう詰めの状態で何千という家畜を飼育すると、大量の糞尿が発生する。牛たちは自らの排せつ物に浸かって立っている。

 

【私の感想】

映画の中で、丸々太った鶏が数歩しか歩けずに、脚が折れてしまう映像が強く印象に残っています。牛や豚も、薬やホルモンを投与され、不衛生で、非人道的な環境で育てられています。私が頂く肉はどこで、どのような環境で育ったのか?そういったことに興味がわいてきました。

安く売られている肉は、かわいそうな家畜の命が犠牲になっています。だから、まっとうな育てられ方をした家畜のお肉を、ありがたく頂くべき。値段だけじゃなくて、そのお肉の情報について、興味をもってみてみよう。そう思いました。

 

その食べ物はどれほどの距離を移動している?

 

世界各地への食糧移送によって、毎年3万800トンの温室効果ガスが排出されている。平均的な従来型の食品は、食料品店にたどりつくまでに、約2400㎞の距離を移動している。

 

地元で生産された食べ物、自宅になるべき近いところで作られた食べ物を選ぼう。野菜や果物の原産国表示をチェックして、遠いところから来た食品は避けるようにしよう。

 

【私の感想】

地球温暖化とか、SDGsとか、最近騒がれていますけど、「いまいち身近に感じない」というのが正気なところでした。自分がスーパーで選ぶものの積み重ねが、食品の移動距離や温室効果ガスを減らせる方向にはたらく。そう思うと、納得できます。地元である埼玉県、秩父で取れたものを積極的に摂ったほうが、地元の生産者の応援にもなるし、有効なお金の使い方!見た目の価格だけで比べるべきじゃない。そう思いました。あるじゃん、できること。

 

家庭菜園を作ろう

菜園を始めると、ひじょうに多くのことが起こる。

 

食べ物を育てるという行為には、太陽光技術の本来の形が含まれている。化石燃料を原料とする肥料や農薬を使えば、より少ない労力でより多くの食料を生産できる。その結果、食事1カロリーを生産するのに、約10カロリーの化石燃料エネルギーが必要となってしまいます。

 

太陽の光は変わることなくあなたの庭を照らしている。きちんと考え抜いた菜園なら、しかも作物を種から植え、肥料として生ごみコンポストを用い、車で園芸用品店に向かう回数を減らせれば、文字通り「ただ飯」にありつくことができるのだ。

 

お金もかからないし、二酸化炭素も排出しない。地産地消の極致であり、最も新鮮で、美味で、栄養豊富な食べ物が得られる。

 

さらには庭仕事がいい運動になって、車に乗ってジムへ行かなくても十分なカロリーを費やしていることに気づくはずだ。

 

【私の感想】

家庭菜園は、まさに、自分でできる「太陽エネルギー」の活用です。私自身も、庭で野菜くずや雑草で「コンポスト」を始めたところ。庭いじりは、毎朝の習慣になっています。庭で健康的な野菜ができて、車での移動を減らせれば、一石二鳥どころじゃない効果がありますね。

「フードインク」はアメリカの大規模な農場について暴いた話題作ですが、私が素晴らしいと思ったのは、日本にすむサラリーマンの私であっても、取り組めることに落とし込んでくれているところです!

 

食品業界で行われていることを知って、何を選んで買うのか?庭でのコンポストづくり、家庭菜園から、できることをやっていこうと思いました。

 

ありがとうございました。