川野泰周著「悩みの9割は歩けば消える」を読みました。

 

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最近の私は、時間があればウォーキングをしています。無心になって歩くと、気持ちが穏やかになるのを感じるから。

 

先日は、塩沼亮潤さんの「歩行禅」について読みました。さらに歩く瞑想について更に知りたくなり、アマゾンで本書を見つけました。

 

本書の著者、川野さんは、精神科医でありながら禅寺の住職。ふたつの顔を持つ著者ならではのわかりやすさで、「歩く瞑想(マインドフル・ウォーキング)」を教えてくれています。

 

歩けば脳の疲れがとれる

 

・歩くことは、禅の世界ではれっきとした瞑想であり、最先端科学では、マインドフルネスとして、その効果やメカニズムが解明されているものです。

 

・歩けば脳の疲れがきれいにとれるのです。

私達の脳は「情報過多」になっています。マルチタスク(何かをしながら別のことを考えている)が日常化してしまっています。

瞑想やマインドフルネスは、「今この瞬間に意識を向ける」ことで、マインドワンダリング(「心ここにあらず」の状態)を止め、脳の疲れを回復させます。

 

・歩くことは、脳の疲れがとれるばかりでなく、集中力や判断力、コミュニケーション力、ストレス耐性が向上したり、自信が深まったりするという効果がわかってきています。

 

・私たちがふだん何気なく続けてきた「歩く」という行為の中には、ブッダの悟りの知恵が、無数に散りばめられているのです。

 

【私の感想】

私も色々考えすぎて、脳が疲れているのかもしれない、と思います。それを歩くことで回復できるとあれば、大いに実践すべきです。さらには、コミュニケーション力やストレス耐性まで向上できるというのですから!まさに私が自分の改善点とおもっていたところ。本書で、その仕組みも納得できました。歩いて、脳を回復させよう。

 

足の裏の感覚に注意を向ける

 

はじめのうちは、一定のリズムで「ただ歩く」だけで効果は十分あがります。

更に効果が倍増する方法は、「足の裏の感覚にしっかり注意を向けて歩くこと」。これこそ脳を休ませる方法であり、歩く瞑想です。

 

歩く瞑想は、古来より坐禅修行の一環として取り入れられており、現在でも禅宗の修行僧が行っている修行です。そしてマインドフルネスは、禅にルーツを持つ心理療法です。「今この瞬間に意識を向けること」で心の調和を取り戻し、脳の疲れを回復させます。

 

歩く瞑想は、呼吸瞑想よりもはじめやすい瞑想です。地面を踏みしめている足の感覚は、否応なく意識されるので、呼吸よりも心を向けやすいからです。

 

禅やマインドフルネスのコツは、「言葉から離れる」ところにあります。あれこれ悩まない、考えすぎないですむ。身体を動かし続けると、注意資源を消費するので、うつにならないのです。マインドフルネス・ウォーキングは、「考えるよりも先に動く」ことで言葉から離れるエクササイズなのです。

 

【私の感想】

私の脳の疲れも、仕事上で受けた言葉を頭の中で繰り返してしまったり、必要以上に怖れを感じてしまったり。そういう疲れがあったと思いました。

「足の感覚に意識を向ける」には、私の得意の「はだし感覚シューズ」であるビブラムファイブフィンガーズを履いて歩くと意識しやすいです。

 

情報過多が幸せを奪う

 

今この瞬間に集中するほど、幸せになる。これは科学的に証明されています。

・嫌なことを考えて食べる人、

・楽しいことを考えて食べる人

・食べることだけに集中している人

彼らの幸福度を調べたところ、「食べていることだけに集中している人」のグループがもっとも幸福度が高かったそうです。

 

「世界一幸せな国」として知られるブータンの幸福度が変化しているそうです。

それは、ここ数年のブータンの発展で、スマホを通じて世界に目が開かれました。彼らの生活は豊かになりました。しかし同時にマルチタスク化が始まり、情報過多の社会を生きるようになってしまいました。情報過多が幸せを奪う、この現象が近年のブータン国です。

 

自信の裏返しは劣等感です。「自分は他人よりも劣っている」という感じる心のありようです。健全な自己愛を持っていれば、他人と自分を比較することなく、満ち足りた気持ちでいられます。マインドフルネス・ウォーキングで歩き続ければ、心の視野狭窄が外れ、ありのままの自分を肯定する心を育みます。

 

【私の感想】

・情報過多が幸せを奪ってしまう→今に集中したほうが幸せを感じられる。

私も職場でたくさんの情報に触れています。そして、人と自分を比べていることが多いと思います。職場では、「あの人があれだけ頑張っているのだから、自分もやらなくては」と追い込み過ぎて、自信をなくしていました。

さらにはSNSを人一倍気にしており、もっと自分もやらなくては、成果をあげなければ、という強迫的な気持ちも、SNSをチェックしては追い立てられていたように思います。

 

歩いて、考えて、自分は自分の力を発揮している、と思える心が生れる感じが私にもありました。

・歩くことで、ありのままの自分を育むことができる、と書いてありました。職場や自分の部屋にいるだけではなくて、山に登ったり、空を眺めたり、物理的に大きな自然のなかでの自分の身体を感じると、自分の小ささを受け入れられのかもしれません。歩きながら、頭だけで考えすぎて怖がっていた自分にも気付けたような気がしました。

 

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ありがとうございました。