野田雄二著「足の裏からみた体」を読みました。

 
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私は生活に「はだし」を取り入れることが健康につながると考えています。

本書も「はだし」について書かれた本なので、Amazonの中古で手に入れました。

 

本書は1998年発行とありますから、20年以上前に出された本です。著者は「教育学」がご専門の大学教授で、「全国はだし教育研究会」の会長として、はだし教育の普及に努められている方だそうです(発刊当時)。

 

私は、「はだし教育」という言葉はあまり聞いたことがなかったのですが、本書の中には、幼稚園や小学校で「はだし教育」を実践されている例なども紹介されています。

 

ヒトは、より速く走るために二本足で立った

 

サルとヒトは最も近い動物と言われるが、いちばん異なるのは足である。

サルの足は指が離れて、幅が広い。ヒトの足は関節が靭帯や腱でしっかりと固定されている。

そして、ヒトにだけ「土踏まず」があり、二足直立歩行の要となっている。

なぜこのような特徴の違いが生まれたのか。

 

それは、「より速く走るため」という考え方があります。樹上生活をしていた人類の祖先が木から降りてサバンナに進出したとき、より速く走る能力が必要になったはずです。ヒトの足はサルに比べて細長く、第一趾が主軸となって太くなっているのもその証拠のひとつ。

 

サルは足の指も手と同じように自由に使えるが、ヒトはそこを不自由にしても安定性を求めることを優先し、長時間二本足で立ち続けられるようになっている。

 

【私の感想】

本書は、クリストファー・マクドゥーガル著「BORN TO  RUN 走るために生まれた」(2010年刊)より12年も前に、ヒトは早く走るためにその足の構造を持っていることを指摘しています。足の指を不自由にしても、長く走れることを選んだ私たちの祖先は、走りながら「土踏まず」を発達させて、足にショックを和らげる機能を得てきたのです。

クッション性の高いシューズを履くより、本来のヒトが持っている機能を発揮させなければ、もったいない!と改めて思いました。

 

力士の足は土をつかむ

現代のスポーツの中で、土の上ではだしで行うものは相撲以外にありません。力士があれだけ筋肉が発達し、大きな身体でなおかつ激しい運動ができるのは、実ははだしで行う競技だから。

 

力士の足裏の特徴は、親指と小指の接地面積が大きく、指の付け根の母趾球筋、小趾球筋が発達していることが挙げられます。これは相撲というスポーツが、中腰で構えることが基本であるため、足の裏のこの部分で体重を支えるためであろうと思われます。

 

力士の足は、横幅が広く、見た目もがっしりとしています。これは足の筋肉がしっかり発達しているからです。

 

力士に見られるこの傾向は、厳しい稽古の結果を示していますが、履物の影響も上げることができます。力士は下駄や雪駄を履いています。このような履物は、一歩ごとにつま先に重心をかけ、足趾をしっかり鍛えることにつながります。

 

【私の感想】

力士は足趾を発達させて、足で土をつかんでいる。なるほど、そういうイメージは付きやすいです。裸足に土の上でトレーニングして、足を鍛えているというわけ。

その足の発達に一役買っているのが、下駄や雪駄などの鼻緒のついた履物なのだから、足趾を鍛えたい私も、普段から草履や下駄を履こう!今もなるべく、サンダルや草履を履いていますが、力士の生活習慣から、トレーニングに繋がっているのは、つよく納得です。

 

はだしは脳を活性化する

 

著者は、「はだしは脳を活性化する」という仮説を、「はだし教育」を実践する幼稚園や小学校の成果から、現実のものとしていきます。

 

足の裏は感覚の露出部分。はだしを実践する子どもたちは、「足の裏が痛い」「気持ちいい」など大地の感触をストレートに感じています。はだしによって感じる感覚は、眠気を飛ばし、頭がスッキリして、脳を活発に活動させます。

 

「フリッカーテスト」により、この仮説を実証する実験を行いました。

光のちらつきを判別させることで、大脳の働きを判定します。

このフリッカーテストで、「はだし教育」を実践する小学校の児童の成績は抜群でした。彼らは朝からフリッカーテストの数値が高く、しっかり目覚めて、心身ともにベストコンディションで維持していました。

 

足裏からの絶え間ない刺激は、神経を鋭敏にし、身体を敏捷化させています。「ここの子どもたちは足先に目がある」と思えるほど。はだしだからこそ、学校生活でのケガが減ったのです。

 

またこれらの小学校では、学習への集中力を長く保つ「忍耐時間」が常識外に長く保つことができました。足裏刺激と脳の活性化との密接な関係があると、著者は確信しています。

 

【私の感想】

私が思うには、「はだし」の実践により、姿勢が良くなり、耐久力や集中力も高まったのだと思います。身体に野生の感覚を取り戻させると、本来の力を発揮しやすくなると思います。こどもの教育現場だけでなく、大人が仕事やプライベートの充実度を上げるのにも、「はだし」が役立つと私も確信しました。毎日の習慣に裸足で大地にふれることを取り入れ、休日には裸足で運動したいと思います。

 
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ありがとうございました。