129日、小林勇一さんの主催する「地域リハビリ勉強会」にて、1時間ほどお話をさせて頂きました。

 

テーマは「生活リハビリの具体的介入方法」。

私が老健の現場で、療養棟担当をしていたときに経験した内容について伝えさせていただきました。

 

参加者の方は、回復期リハビリに取り組む若いPTOTSTの方々でした。老健を知ってもらえる機会になって、嬉しかったです。

 

例えば、排泄動作。

便座への移乗動作はもちろんのこと、パンツの上げ下ろし動作など、どうすると、安全に、そして自立へ向けられるか?

 

そこには様々な要素が考えられます。

私が経験したところでは、使用するおむつのメーカーの違い。

「白〇字」と「ユニ・〇ャーム」では、コンセプトからして違うし、どのメーカーのどの種類のおむつを使っているかで、吸収量が変わるし、トイレ誘導の回数が違ったりします。

尿取りパッド1枚が入っているか、いないかで、ご自分でできるかどうかが決まることもあります。パンツ式なのか、テープ式なのか、ひっくり返して臀部に張り付けて使うのか、介助方法も変わってきます。

 

介護職員がトイレに座らせる介助をしっかり行えるか、どうかも大きく影響します。

利用者がトイレに行きたいと訴えたときに、「おむつしているんだから、そのまましちゃってください」というような職員がいたら、前に進みません。

私が見た療養棟で、おむつの方でも基本的に全員トイレに座らせる時間を作るよう取り組まれていた棟があって、感動しました。実際、そんな中で便座での座位を介助する場面を経験すると、セラピストが何をやればよいかが見えてきます。

 

トイレ介助をしてみると、片手でパンツを上げるときにはどこに寄りかかれば良いか、あるいはそのときの姿勢はどうしたら良いか。わかると、その動作の練習ができます。生活に役立つ練習になります。

近くでトイレのコールが鳴って、介護職員さんを呼びに行かないと対応できないようなセラピストだと、そこまで介入できません。

 

 

2回のマンツーマンのリハビリを、プラットホームに寝かせて、擦ってあげて、実用的でない介助歩行を練習して済ませる。それで、セラピストがリハビリをやった気になっていてはいけません。

どうしてそんなことを言うかというと、私自身がかつて、そうしていたから。

 

これから益々生活動作に介入するセラピストが求められます。

排泄動作ひとつにとっても、便座での座位バランス、排便しやすい肢位などを研究している方もいらっしゃいます。技術ももっと進んでいくでしょう。

奥が深いです。

 

私は今、現場の仕事をしていませんが、現場の第一線で活躍される方々の刺激にしていただければ幸いです。

 

ありがとうございました。