息子の英語クイズ
子供といると思ってもないことによくなります
奥さんが友達と電車に乗って音楽のライブに行き終わって「帰ってくる」とのことでした
4才の息子と近くの駅まで車で奥さんを迎えに行きました
息子は早く「母ちゃんに会いたい」とだいぶ前から言っていました
僕は息子に「毎日一緒にいるんだから別にそんなに寂しくないでしょ?」と言いました
息子は「さみしい・・・僕は母ちゃんと離れたくない!」といいました
僕は「そんなこと言ったって将来カワイイ女の子と出会ったら母ちゃんを忘れてそっちにいくんでしょう?」と少し意地悪なことを言いました
息子は毅然とした態度で「僕は母ちゃんと大きくなったら結婚する!」と言いました
そんな息子を微笑ましく思いながらも母と子どもの繋がりの深さに感心しました
駅に到着し奥さんを待っていると息子がおもむろに「英語を覚えた!」と言いました
僕は4才のころに英語なんて知らなかったので素直に驚きました
息子は「犬は英語でなーんだ?」と僕にクイズを出してきました
息子と遊ぶ時は絶対に手を抜かない!と決めているのでスグに「ドッグ」と答えました
息子は「正解」と言って悔しそうにしました
なぜ悔しそうにするかというと息子はクイズを出しておきながら僕には答えられない姿が見たいのです
自分だけが答えを知っている優越感に浸りたいのです
息子はその後も「象」や「豚」、「サル」などといった定番の動物の問題を出しました
たぶん僕以外のまわりの大人は手を抜いて「わからない」というんでしょうが僕はそうはいきません
僕は全部答えていきました
全部答えられて悔しい息子は我を忘れてある問題を出しました
「じゃあ・・・犬は?」と言いました
先程だした問題をまたも言ってしまったのです
僕はすかさず「さっきその問題は答えたよ!」と言ったところ
息子は焦り出しこう言いました
「違う!さっきのは普通の犬だったの!」
「今度のは毛無しの犬…」と
訳のわからないことを言い始めました
僕は「なんだ?その問題?」と言いました
しかし息子はひきません
仕方がないので「それでも犬には変わりはないからドック!」と言って大人の意見を4才の子供に堂々とぶつけてやったのです
息子は何も言えなくなりビックリすることを言いました
「もう帰ろう!」と言いました
とんでもない方向転換です
僕は「母ちゃんはどうするの?」と聞きました
「母ちゃんはいつも遅い!」
「母ちゃんなんてもういらない!」
先ほどまであんなに恋しがっていた母親ことはどうでもよくなったようです
暇つぶしに始めたものが当初の目的を超えてしまったのです
奥さんが可哀想になりました
僕が息子のクイズを答えたばかりに奥さんは息子から「いらない」と言われ「いつも遅い!」と日常生活の文句まで言われてしまったのです
「そんなこと言ったら母ちゃんがかわいそうだろ!ちゃんと待たなきゃだめだよ!」と息子に言いかせましたが息子はブーたれています
奥さんが車に来た時には車の中の空気は最悪になっていました
奥さんは車に乗った瞬間にその空気を察し「どうしたのなんかあったの?」と聞きましたが息子は「別に…」と一言付け加え重苦しい車内のまま自宅に帰りました
奥さんは知らないうちに息子にフラれ日常生活の文句を言われ疲れて帰ってきたというのに最悪な空気の車内に乗り込むことになりました
これからは奥さんのことを案じて息子のクイズには間違ってあげたいと思います