僕のルーツ
生まれてきたからには必ず死というものがあります
年を重ねればそれはなおさらだと思います
体は弱ってくるのであまり無理をしなくなると思います
うちのお祖母ちゃんは85歳です
僕の母のそのまた母です
うちのお祖母ちゃんに関しては死というものはまだまだ先のように思えます
タバコ
パチンコ
お酒
今だにすべてやります
ちなみに僕はすべてやりません
お祖母ちゃんのほうが僕なんかより芸人ぽっい性格してます
僕が思うにたぶん「スーパーお祖母ちゃん」です
タバコは毎日バカスカ吸います
家族のみんなが「体に悪いかやめた方がいい」というと「これを吸わないで生き続けるくらいなら死んでもいいから吸い続けてやる!」といいます
年金が出るとその金を握りしめてパチンコにつぎ込みます
パチンコに勝つと行きつけの居酒屋に行き酒を浴びるほど飲みます
もう一度、言いますが85歳のお祖母ちゃんなんです
やっと普通のお年寄りちゃんらしく戦争の話をしてくれたかと思うと第二次世界大戦中にお祖母ちゃんが詐欺をしてだいぶ儲けてその詐欺がバレそうになった時に空襲がきたのでどさくさに紛れて逃げてバレずにすんだという話です
枠にお祖母ちゃんはおさまりません
ある日僕が仕事を終えて家に帰っていました
その日はシンシンと雪が降っていました
駅から家に帰る道の途中、歩道の脇の植木上に大きなボロ雑巾のようなものがかかっていました
泥酔したお祖母ちゃんでした
「お祖母ちゃん、雪の日にこんなトコで寝たら死んじゃうよー」と僕は言いました
「こんなところでクタバッテたまるかい!」と言ってお祖母ちゃんはまた寝ようとしました
都会で遭難しそうな人を初めて見ました
またある日に実家でくつろいでいました
僕は2階の部屋にいたところ一階からドンガラッガッシャーンとガラスが割れる音が聞こえました
「どうしたんだろう?」と気になり一回に降りて行くとお母さんとお祖母ちゃんが取っ組み合って殴り合いをしていました
お母さんの服はびりびりに破けていてお祖母ちゃんの顔から鼻血が出ていました
しつこいようですがお祖母ちゃんは85歳です
仲裁に入ったお父さんはお祖母ちゃんに蹴られたそうです
お父さんの足にはくっきり蹴られた跡が残っていました
ケンカの理由はお祖母ちゃんのインスタントラーメンをお母さんが食べてしまったのがことの発端だということでした
今年のお正月にお祖母ちゃんにお年玉をあげました
お祖母ちゃんは「こんなお祖母ちゃんにお金くれてありがとうな!このお金は大切にする」と言いました
少し時間が経ってフっと、お祖母ちゃんを見ると
お祖母ちゃんはボロボロと泣いてました
僕はお祖母ちゃんのそんな姿を見たことが無かったのでビックリしました
「どうしたの?大丈夫?」と聞きました
お祖母ちゃんは「夕美子(僕の母)や拓が死んだ時のことを考えたら涙が出てきた」といいました
それを聞いていた僕は「お祖母ちゃん、俺よりも長生きするつもりなんだ」といいました
お祖母ちゃんはそれを聞いてニコリと笑って僕があげたお年玉握りしめパチンコに行きました
「僕のお金は大切にしないけど自分の気持ちを大切にしてるなぁー」と思いしました
このままいくとお祖母ちゃんは150歳くらいまでいきるんじゃないか本気で思います
本気で妖怪なんじゃないかと疑ってます
水木しげるの本にお祖母ちゃんが出てないか見ました
ヌリカベが僕に似てました