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    のらびとメールマガジン(第579号)

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野良人(のらびと)の生活におけるそこはかとない話題
を野菜や畑の情報と共にお届けするメールマガジンです。

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         今週の話題
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連日暑い日が続いていますが今年は定期的に夕立が降っ
てくれるので助かります。この雨が無いと今の時期の猛
暑によって野菜が大きなダメージを受けてしまいます。
いよいよ8月に入りますが秋冬向けの作付けが一気に始
まります。猛暑のこの時期にきちんと種まきをして無事
に生長させるのは難しく、ここで失敗すると今年の冬の
収穫に大きなダメージを与えてしまいます。

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        今週の主な野菜
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 ・玉ねぎ
 ・人参
 ・ジャガイモ(メークイーン)
 ・ナス
 ・米ナス
 ・ピーマン
 ・シシトウ
 ・甘トウガラシ
 ・キュウリ
 ・大玉トマト
 ・シソ
 ・空心菜
 ・ツルムラサキ
 ・ミニトマト
 ・ニンニク
 ・まくわうり
 ・うり
     
  など

※出荷する野菜はS、M、Lのセットによって異なります。

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        旬の野菜の紹介
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ナスが良くないです。とにかくカメムシに汁を吸われまく
って良いものがほとんど採れません。選別していくとほと
んど捨てる事になってしまいます。皮が固めで汁を吸われ
にくい米ナスを入れるようにしています。本当に今年のナ
スはダメです。感覚的には10分の1以下の収穫です。

オクラもカメムシに最初からやられまくってロクなものが
採れないのですが、比較的に良いものを選別して出してい
ます。例年に比べると5分の1くらいしか採れません。

出荷できる良い野菜があまり無いのでウリを入れました。
ウリは白瓜とまくわ瓜です。前者は緑色で漬物用で後者は
黄色でフルーツなのですが、両方ともやはりあまり良くあ
りません。まくわ瓜はよく熟する前に葉が枯れて日差しに
さらされていたのが可哀そうで早めに収穫しました。食べ
てみるとやはりあまり甘くないのですがまくわ瓜らしい甘
さを感じる事が出来ます。まくわ瓜は過去にもあまりうま
くできた事が無いのですが、今年はそこそこの数が畑に転
がっていたので持ち帰って出荷しました。

キュウリは真夏用に作付けした2回目のキュウリに入りま
した。このキュウリも茎と実をカメムシに吸われて採れ始
めたばかりのキュウリが枯れ始めたのでもうダメだと思っ
たのですが、次々とツルが出てきて復活の兆しが出てきま
した。つい最近3回目分の種まきもしたのですがいつまで
カメムシ被害が続くのでしょうか。

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        のらびとコラム
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動物系お涙頂戴動画が花盛りなのは何故か


近頃、動画サイトなどを見ているとお勧めにたくさん出て
くるカテゴリのものが有る。

それは動物に関わるもので、簡単に言うと傷ついたり親か
らはぐれたりした動物を人間が保護して手厚く世話をして
動物と信頼を高めて仲良くしていくというものである。

大抵は徒歩や車でスマホで動画を撮影しながら傷ついた犬
や猫を見つけ、綺麗な布にくるんで家に連れ帰り、ミルク
や餌をやり、お風呂に入れてドライヤーで乾かしてやり、
場合によっては獣医や動物のトリマーなどに見せながら、
だんだんと大きくなる動物とじゃれたり触れ合いながら家
族の一員としての絆を深めていくというものだ。

最終的に保護した動物を回復後に森などに返すという場合
も有るが、多くの場合は「その後は人間一家と動物は末永
く幸せに暮らしました」みたいな結末になっている。

多くの場合この手の動画はショート動画などで、心地いい
音楽やかわいいテロップなどで装飾され、見るものに「本
当にいい飼い主に助けてもらって良かったね」と思わせる
ような構成になっているものが多い。

この手の動画はあくまでも「意図せずに偶然見つけた動物
」を飼い主が損得勘定を無しに献身的に世話をして動物に
無償の愛を注ぎ、その愛に動物が応えて全権の信頼を飼い
主に寄せるといったサクセスストーリーとハッピーエンド
になっている。

この動物は犬や猫やキツネ、よくみる鳥やフクロウなどの
鳥類、リスやハリネズミなどの小動物などであり、たまに
馬やシカなどの大型の動物も有るが、全体としては誰が見
ても可愛いと感じるどこにでもいる飼いやすい小型の動物
なのが特徴である。

確かにケガや事故などで苦しんでいる動物を助けて元気に
なるまで世話をしてやって、だんだんと動物が心を開いて
無二の親友や家族のように関係が深まってく様子を見ると
飼い主の心の広さを感じ、動物の可愛いさを感じて良いイ
メージしか残らないのでこの手の動画は印象が良い。

しかし、よく考えて見るとこの手の動画はおかしな部分が
多々ある。最初からカメラを構えながら道端で傷ついて死
に瀕している動物を偶然見つけるだろうか。そして傷つい
ていたり極端に小さな鳥のヒナなどが素人の世話で回復し
たり無事に生長したりするだろうか。

動画の撮影者はスポイトでミルクをやったり、虫を捕まえ
て与えたり、獣医に見せたりという献身的な世話をしてい
るように見えるが、たかが30秒ほどの動画の中で最初か
ら最後まで完結しているものが殆どだ。まるでパラパラ漫
画のように保護して世話してエサを与えて生長して懐いて
幸せに過ごす、みたいな紋切り型のストーリーになってい
るものが多数となっている。

そして、これもおかしなものだが全ての感動的な映像がス
マホの映像で撮られ残されているという事だ。最初に保護
する部分から始まってエサをやったり、風呂に入れたり、
医者に連れて行ったり、回復して悪戯して怒られたり、顔
を摺り寄せて自撮りしたりする全てが動画に記録されてい
る。どうぶつの回復が芳しくなくて悲しんだり悩んだりす
る部分も会話を含めて映画のように全て撮影されている。

調べてみると、お勧め動画に出てきた動物系のお涙頂戴の
動画を専門に公開しているチャンネルは数万に及ぶ同じよ
うな動物系の感動を呼ぶ動画を公開していた。

世界は広いと言えども偶然に保護した動物の成長記録がこ
んなにあるのはおかしくないだろうか。中には同じ人が何
回も偶然動物を保護していたり、いかにも体裁だけを整え
てそれらしく見せていると思われる動画も複数あった。

動物系の動画は再生数を稼ぎやすいと聞く。かわいい動物
や可哀想な動物が幸せになる動画は好きな人が多く、繰り
返し見てしまうのも事実だ。

この手の動画はそんな人間の心理を良く突いている。

一説によるとこの手の動画は意図的に作られているものが
少なくないらしい。わざと不幸な動物をつくって助けたよ
うに見せ、いかにも感動的なストーリーを作り上げて再生
数を稼ぐためだけに利用する。その後の動物がどうなるか
は知るよしもない。

いい加減な動画になると途中で保護した動物が変わってい
たりするものも有る。保護したリスの種類が途中でなぜか
変わっていたなど見るものをバカにしている。

まあ、この手の動画は見るものが居るから成立して無くな
らないのだろうが、それに利用される動物達がいるとした
ら不幸な事である。

日常生活で頻繁にかわいい動物がなんとなく治りそうな感
じで道端に倒れて救助を待っている事って有ります?

そして仮にあったとしても元どおりに治って本当に可愛い
ペットとなって末永く一緒に暮らす事って有るだろうか。

犬や猫ならともかく、小さな鳥のヒナだとか普段は目にし
ないような小動物の生まれたての赤子などを見よう見まね
で育て上げる事なんて難しいと思うのだが。

需要が有るから供給が必要となる。それが簡単に金になる
からやる人が出てきてもおかしくない。

でもそれが当たり前になって単なるハリボテの劇場型のお
涙頂戴の感動ストーリーならやめて欲しい。

単なる動物虐待のサイコ野郎と大して変わらない。

この手の動画の投稿者は自分が怪我をして回復していく様
子を動画にして公開するだろうか。

まあ、やりかねない。再生数の為なら命でも売りそうだ。

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         あとがき
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毎年今ごろは葉の大きく成りはじめた里芋が猛暑と乾燥で
葉が枯れてくるというダメージを受ける時期でもある。

今年は幸いにも夕立が有るのでまだダメージは無いようだ。

8月に入ると猛暑と乾燥以外に台風の心配が出てくる。

今年は台風は来るのだろうか。

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発行日:2024年7月31日